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ストップ「教え魔」!見ず知らずの人に「教えたがる人」への対処法を心理カウンセラーに聞く

  • 2022.10.27
「教え魔」にどう対処する?
「教え魔」にどう対処する?

求められてもいないのに、勝手に見ず知らずの人にゴルフやボウリングの技術を教え始める「教え魔」がネット上などで話題になっています。「教え魔」で検索すると、ゴルフやテニス、仕事の場などさまざまな分野で「求められてもいないのに教えたがる」人がいて、多くの場合、迷惑がられているようです。彼らはなぜ、「教えたがる」のでしょうか。遭遇してしまったら、どう対処すべきなのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。

「近寄らない」のがポイント

Q.「求められてもいないのに教えたがる人」の心理とは、どういうものでしょうか。なぜ、教えたがるのでしょうか。

小日向さん「簡単に言えば、『親切心』からです。親切とは『思いやりを持って、その人のために尽くす』という意味ですので、例えばボウリングであれば、『もっとこうしたらスコアが伸びるよ。ぜひやってみて』という親切心からの言動でしょう。また本来、教育とは一定期間、相手と向き合って教えて育むことですので、一過性の出会いの中で教えることは教育ではありませんが、当人たちは『教育してあげている』という気持ちの場合もあるのではないでしょうか」

Q.迷惑がられていることもあると思いますが、彼ら、彼女たちは気付かないのでしょうか。あるいは気付きつつも『教えたがる』気持ちの方が勝っているのでしょうか。

小日向さん「気付いていないケースがほとんどでしょう。なぜなら、先述したように、彼らは親切心や教育の心という『善意』で行動していると信じているからです。例外として、『ご迷惑でなければ、コツをお伝えしましょうか?』といった、謙遜した感じで声掛けをする人の場合は、迷惑に思われる可能性に気付きつつも『教えたい気持ち』が勝っていることも考えられます。しかし、そのような人がいるとしてもごく少数でしょう」

Q.「教えたがる人」になりやすい人の特徴があれば、教えてください。

小日向さん「これはいくつかのポイントがあり、これらの要素を満たしている場合に『教えたがる人』になりやすいと思います。それは次に挙げる5つです。

・教えたがる物事に対して、ある程度の経験と実績がある・物事に熱くなりやすい・教える相手より自分の方が年上・他者の感情に無頓着・自信家

後で詳しく述べますが、教えられて迷惑な経験をすることが多い人はこれらのタイプを避ければ防御策になります」

Q.「教えたがる人」に遭遇して、我慢できない場合の対処法を教えてください。「やめてほしい」と言いづらく、困っている人が多いようです。

小日向さん「思い切り不快な表情をすることもアリですが、教えたがる人はそもそも、善意で言ってきていますし、さらに他人の感情に無頓着なタイプも多いので、表情だけでは気付いてもらえない可能性が高いです。従って、言葉で明確に、お断りすることをお勧めします。

ただし、『やめてください!』などとつっけんどんに言うと、気まずい雰囲気になる危険性がありますので、『ありがとうございます。でも、遊びでやっていますので結構です』『すみません、他の指導者についていますので』などと、冒頭に『ありがとう』『すみません』といった言葉を付けてお断りするのが無難です。相手の感情に無頓着な人が自分が傷つけられることにも無頓着だとは限りませんので、そこは注意しましょう」

Q.「教えたがる人」との接触を避ける方法や、同じ場にいても標的にされない方法はありますか。

小日向さん「『教えたがり』というのは性格ですので、偶然、その場に居合わせただけで見抜くことは難しいです。ただ、競技によってはその人が持っているアイテムが凝っている、あるいは自分も何度も通っている場所であれば、店員など他の人への態度から、その人のその競技に対する熱量を推し量ることが可能です。

そうした観点から、『この人熱いな』と感じた場合は近寄らないことがポイントです。また、キョロキョロと周りを気にしていると、教えたがりの人が『教えを求められている』と勘違いしてしまうこともあるので、自分に集中することを意識しておきましょう」

Q.一方で、自覚のないうちに「教えたがる人」になっている人もいると思います。自分で気付くためのサインはありますか。

小日向さん「友人や知人が以前は一緒にボウリング場やゴルフ練習場に行ってくれていたのに『最近、断られてしまうことが増えた』と感じたら、自分の言動を振り返ってみましょう。その競技において、自分の経験値や実績が上の立場の場合は特にです」

Q.自分が「教えたがる人」であることに気付き、自分を変えたいと思ったときはどのようにすればよいでしょうか。

小日向さん「まず、それがレジャー(娯楽)としても楽しめるものであれば、『人から頼まれなければ教えない』を鉄則にしましょう。ボウリング以外でもゴルフ、テニス、マラソン、ゲーム、将棋など『プロの世界もあるけれど、一般の娯楽の側面もあるもの』はすべてそうです。

自分がプロフェッショナル的に向き合っていたとしても他人はそうではなく、また、そうなりたいとも思っていない人もたくさんいるのです。『多様性』というのは働き方や性別においてのみ使う概念ではなく、物事に向き合う姿勢もその一つであることを認識していきましょう」

オトナンサー編集部

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