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知っておくべき!医師が教える「歯の噛みしめ」の影響や対処方法

  • 2022.10.25
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習慣やストレスなどによって起きる歯の噛みしめ。あなたも気づかないうちにクセになっていませんか? 今回は、噛みしめの影響について、医療法人雄愛会「高谷秀雄歯科クリニック」院長・理事長の高谷秀雄先生に伺いました。

噛みしめすぎるとどういった影響があるのでしょうか

歯だけでなく頬や舌、顎関節に対してさまざまな影響があります。

・口内炎につながる圧痕

噛みしめなどの動作によって口腔内の粘膜が緊張し、慢性的な圧痕がつく状態が続くと口内炎や、最悪の場合は口腔がん発症のリスクもあります。

・前歯が移動する

歯周病がある場合は加わる力によって前歯が前方に移動してしまうことがあります。

・歯槽骨の隆起

骨に負荷をかけ続けると身体が反応して骨を育てようとします。そのため歯の土台になっている歯槽骨(しそうこつ)が盛り上がってきます。

・顎関節症につながる

顎を動かす起点は顎関節なので、負荷が加わり続けることにより炎症が起き、顎関節症につながります。

噛みしめすぎないための予防方法はありますか

食事をしていないときは、上下の歯が接触していない状態が正常とされています。常時接触している状態は『THC(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)』と呼ばれ、顎関節に負担をかけていることが分かっているので、これを意識することが、手軽にできるセルフチェックのひとつといえます。さまざまなチェック方法がありますが、シンプルなものとしておすすめなのは、深呼吸した直後に上下の歯が触れているかを確認する方法です。THCは病気ではなく癖なので改善しやすく、仕事中のデスクやキッチン、運転席などにTHCと書いたメモを貼っておくことで対策できます。

噛みしめによる歯痛はなぜ起こるのでしょうか

噛みしめの力は強大です。繰り返すことで歯や詰め物の表面は摩耗していき、最終的には破断して神経が露出するケースもあります。金属の詰め物や被せ物では変形してしまい、噛み合わせがズレてしまうことが歯痛につながる原因の一つです。

噛みしめすぎによる歯痛が起きた時の対処方法を教えてください

すぐに歯科へ相談しましょう。噛みしめには特徴的な痕跡が残りますが、それとともに問診を実施して顎関節に違和感がないか、周囲から指摘されたことはないかを伺います。睡眠中の歯ぎしり・食いしばりも観察し、起床直後に歯がぐらつく感じや、顎関節や首付近に痛みがあるなどの症状も治療のヒントになります。治療方法としてはマウスピース作成、歯科ボトックス注射などがあります。

噛みしめの対策があれば教えてください

ストレスマネジメントを心がけましょう。原因を減らすか、発散を増やすかの単純な選択で改善できることがありますが、深刻だと思うなら心療内科などの受診を並行して実施していくことも重要です。良質な睡眠については研究が進んでいますので、ご自身に合った方法で、睡眠改善に気をつけてみてはいかがでしょうか。

教えてくれたのは

医療法人雄愛会「高谷秀雄歯科クリニック」院長・理事長/歯科医師(歯科口腔外科) 高谷秀雄先生

「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。専門分野は、親知らずの抜歯など、口腔癌も含む歯科口腔外科領域全般。審美歯科治療、インプラント治療も得意とする。

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