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歴史やものづくり…宮城県加美町の魅力を再発見!

  • 2022.10.25
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こんにちは。加美町地域おこし協力隊のkamichiです。

10月に入り、すっかり秋らしくなりました。 行楽シーズンの今、加美町でも様々なイベントが開催されています。

今回は、その中の一つをご紹介します。 10月10日~16日の間で、withコロナの新イベント「kami +arts festa まちの芸術祭」が開催されていました。 中新田地区の花楽小路周辺の各所で野外コンサートやまち歩きなどのイベントが行われていて、私は「kami匠の技」「ライフスタイルゾーン」へ行ってきました。

出典:リビング仙台Web

「kami匠の技」「ライフスタイルゾーン」の会場の加美商工会館

加美町のものづくり企業が集合

「kami匠の技」では、加美町でものづくりをしている企業の紹介が行われており、木工屋さんや畳屋さん等地元の企業や加美町に支店や工場がある企業が出展されていました。

出典:リビング仙台Web

ロア木工さんオリジナルの子供用イス。大人も欲しくなるかわいさ

展示を見ながら歩いていると、ひときわ目を引くブースがありました。 鉄製のプレートやオブジェが並ぶ、こちらのブースです。

出典:リビング仙台Web

鉄製のオブジェなど、シックでかっこいい作品が並んでいます

鉄筋で作られた「お酒を運ぶ人」や「お酒を持つ人」は、酒蔵が3つある加美町らしい作品ですよね。 また、反対側には写真かと思うくらいリアルな水彩画の展示もありました。

出典:リビング仙台Web

とてもリアルで絵だと気づくのに数秒かかりました

一体どんな企業のブースなのだろう…と見ていると、なんと設備屋さん! 中島設備工業株式会社は水回り等のリフォームを得意とされている、地域に根差した設備屋さんです。加美町を中心に、大崎市など広域にも対応されています。 そして代表取締役の中嶋剛毅さんはとてもアーティスティックな方で溶接アーティストでもあり、水彩工房も開かれているそうです。

水彩画はお客様への年賀状にされているそうで、きっと毎年楽しみにされているお客様がたくさんいらっしゃるのだろうなと思いました。私も来年の年賀状が楽しみです。 中嶋さん、お話聞かせていただきありがとうございました!

出典:リビング仙台Web

水彩画のポストカードをいただきました。温かい気持ちになる一枚です

中新田は商業の町

続いては「ライフスタイルゾーン」へ行ってきました。

出典:リビング仙台Web

こちらは、商家の歴史をテーマに、商業の町として栄えた中新田地区(旧中新田町)の歴史を感じる写真等の展示が行われていました。

出典:リビング仙台Web

白黒写真の時代の中新田地区の様子もたくさん見ることができました

突然ですがみなさんは、なぜ中新田は商業の町になったのかご存じでしょうか。 その理由を加美商工会の会長である中島信也さんにお聞きしました。

中島さんは、加美町に3つある酒蔵のうちの一つ・株式会社中勇酒造店の代表取締役でもあります。 中勇酒造店さんは明治に創業された老舗の酒蔵。人気No.1の商品「天上夢幻 旨口 特別純米」は第24回宮城県清酒鑑評会で県産米・純米酒の部の最高賞である「宮城県知事賞」を受賞された中勇酒造店さんのベストセラー酒です。

加美町の歴史にも詳しい中島さんに、中新田地区がなぜ商業で栄えたのかお伺いすると、加美町の地形に大きく関わりがありました。

加美町の地形と商業

まずは山。加美町の山岳や丘陵地となる地形はお城を建てる場所として選ばれ、中新田城跡や宮崎城跡などの史跡がたくさんあります。 お城のふもとは城下町として栄え、人が集まる町になりました。

また、加美町を流れる一級河川・鳴瀬川が氾濫することで山の肥沃な土が流れて米作りに適する土地になりました。江戸時代にはすでに稲作が盛んだったようです。

そうして収穫された米は、鳴瀬川を通り石巻湾まで運ばれ、港で船に積み替えて江戸や大阪、ロシアへと運ばれていきました。帰りの船には江戸・大阪の侍のお古を積み、加美町へ持ち帰ったことで呉服店が栄えました。

米作りが盛んなことから草刈り鎌の必要性も高く、刃物店も栄えました。中新田の刃物は切れ味が良いと有名で、現在は一店のみとなりましたが、以前はたくさん刃物屋さんがあったそうです。

出典:リビング仙台Web

中新田打刃物(なかにいだうちはもの)は切れ味の良い使いやすい打刃物として知られ、宮城の伝統的工芸品にも指定されています

中島さんがおっしゃっていたのは「加美町の商売は米から始まった」ということ。米を売って呉服が栄え、米を育てるために刃物が栄えいきました。

そして米どころ、人が集まる城下町として商業が栄えた背景には山岳や丘陵地があり、鳴瀬川が流れる肥沃な土壌があるという、加美町の恵まれた地形が大きく関わっているように感じました。

最後に

こうして土地の歴史を聞くと、現在にも人の暮らしが続いていることを実感でき、加美町がどれほど自然豊かな場所なのかということも再認識できました。 いろいろな歴史をもっと知って、加美町の魅力を感じていきたいなと思います。

中島さん、興味深いお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました!

DATA

中嶋設備工業株式会社 https://www.nakajima123.jp/

株式会社中勇酒造店 https://tenjo-mugen.co.jp/

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