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感染は落ち着いてきたのに…「コロナ倒産」が最近急増しているワケ

  • 2022.10.22
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新型コロナの感染が落ち着いてきている一方で、2022年に入り「コロナ倒産」が急増しています。本記事では最近のコロナ倒産の状況をみていきます。

■2022年に入り、コロナ倒産発生件数が急増

帝国データバンクの「『新型コロナウイルス関連倒産』動向調査」によると、今年は2022年6月30日現在で倒産件数が1,000件を超えています。これで新型コロナ関連の倒産件数は2020年から合わせて3,616件となりました。

初めて新型コロナ関連による倒産が発生したのは2020年2月。その後、月別の発生件数に差はあるものの、2020年累計では839件。2021年には緊急事態宣言などの影響もあり、前年の2倍を超える1,772件となりました。

2022年6月30日現在、緊急事態宣言も蔓延防止法も解除されています。コロナ自体は2022年にはいって落ち着きを見せていますが、2022年3月には月別で過去最高の209件、何より6ヵ月弱のうちに昨年の半数を超えてしまっていることに驚きます。

■行動抑制が大きく影響

コロナ関連倒産の一番の理由として挙げられるのが行動制限です。2020年以来の業種別の倒産件数をみると、上位を占めているのは行動制限のあおりを受ける業種ばかり。具体的には「飲食店」が558件と最も多く、次いで「建設・工事業」447件、「食品(製造・卸・小売を合計)」407件、「飲食卸」188件、「ホテル・旅館」148件、と続いています。

■行動制限が解除されたのになぜコロナ倒産が増えている?

経済活動が再開すると運転資金確保が必要ですが、これまで減収分を内部留保で補い体力を消耗している事業者は多く、そこに物価高による費用負担増が重なっています。

また、コロナ関連支援策の「ゼロゼロ融資(実質無担保・無利子の融資)」の返済開始も迫っています。融資を受けた際は倒産を免れたものの、最大で3年間据置きされていた利子の返済開始に余裕がないという事業者が多いのが実態です。

■コロナ関連倒産はまだまだ続くか

行動制限解除や訪日客受入れ再開など、経済全体で見れば再活性化の兆しがありますが、個々の事業者にズームすると資金面で活動再開の余裕がないのが実情です。コストアップ、融資返済など不安材料は多々ありますが、コロナ禍を踏ん張ってきた事業者には業績回復を目指して頑張ってほしいものです。

文・續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

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