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「今まで知ろうとしなくてごめん」妻がやって当然だと思っていた…苦労を知り謝る夫に、妻は?

  • 2022.10.22

妻が離婚を決意し実家へ娘を連れて帰ってしまった。その後、地震が発生! 妻子と義両親とともに、叔父さんの家へ避難し、生活することになった。これまで仕事ばかりだった夫が育休を取り、これまで家族に向かってこなかった分の時間を取り戻そうと、懸命に娘のお世話をするようになった。

夫が娘の食事を初めて作った。パパが作ったごはんをにこにこ顔でおいしそうに頬張る結ちゃん。気に入ってくれた様子。

「これを毎食、俺のごはんも作りながらって大変だったよね……いつもありがとう」

自分で娘の食事を初めて作って、その大変さを知った夫は、これまでの妻の苦労を知り、感謝を伝えた。

「こんなの、だいぶ楽になったほうだよ」

あの当時の大変さを、夫は全然知らない。妻の本音がこぼれた。

毎日の些細な話をしたかった、ただ「それだけ」だった。

「離乳食のときのほうが、手間もかかってたし、精神的にもきつかったんだから」

たった1回、楽な食事を作ったくらいで、当時の大変さをわかったつもりにならないで。そう言われているような妻の言葉に、夫は謝るしかない。

「カズ君にも離乳食づくりをやってほしかったとかじゃないの。ただ、結がどんなものが食べられるようになったとか、何が苦手とか、苦労して作ったものをお皿ごと投げられて大変だったとか……そういう話をしたかっただけだよ」

その時々の娘の小さな成長や、大変だったこと、辛かったことを話したかった。

娘のことを一緒に知って、悩んだり笑ったりして過ごしたかった。

心が折れそうだったとき、「大変だったね」と一声、かけてほしかった。ただ、それだけだった……。

そんな妻の些細な望みさえ、叶えることができなかった自分に、夫は改めて後悔するしかなかった……。


著者:マンガ家・イラストレーター ちなきち

ベビーカレンダー編集部

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