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気づけば自然と体も動きだす。坂本慎太郎、しずる・村上らがレコメンドする踊りたくなる音楽

  • 2022.10.20
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〈妄想キャリブレーション〉のライブ

近藤良平(振付家、ダンサー)

(1):「ゴリウォーグのケークウォーク(『子供の領分』より)」ドビュッシー
(2):「Dance To The Music」Sly&The Family Stone
(3):「悲しみの果て」エレファントカシマシ

父がピアノの曲が好きだったので、母のお腹の中にいた時から、僕は(1)を聴いていたはず。始まりもかっこよければ、終わり方もかっこよくて、ピアノ演奏と踊りは紙一重だ!と思ったきっかけの曲。これで踊りに目覚めたと言っても過言ではありません。

(2)は「ファンク」という言葉を知るきっかけになった。「ステキなファンクな人にはなれないなー、日本人だもの」を気づかされてしまった曲でもある。

(3)が世に出た当時、おそらく僕は20代だった。これを聴いて、とにかく圧倒され、人生を揺さぶられた。その当時は、西早稲田に住んでいて、この曲を聴いては、戸山公園あたりを西日に向かって走っていました。おそらく涙を流しながら。それくらいは感動していたんです。

コンドルズの初期の作品では、この曲で映像作品を作り、ラストダンスにはこの曲で踊りまくり、生きるための糧にしていました。今思うと、ただただ熱い日々。立ち上がりたくなるようなメッセージのある歌、それこそが踊りたくなる音楽というものでしょう。

『ドビュッシー:ピアノ作品全集』ドビュッシー
「ゴリウォーグのケークウォーク(『子供の領分』より)」ドビュッシー/収録アルバム『ドビュッシー:ピアノ作品全集』
「Dance To The Music 」Sly & The Family Stone
「Dance To The Music」スライ&ザ・ファミリー・ストーン/収録アルバム『Dance To The Music』
『ココロに花を』エレファントカシマシ
「悲しみの果て」エレファントカシマシ/収録アルバム『ココロに花を』

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振付家、ダンサー・近藤良平

近藤良平(振付家、ダンサー)

こんどう・りょうへい/ペルー、チリ、アルゼンチンで育つ。ダンスカンパニー〈コンドルズ〉主宰。ドラマや映画の振り付けも担当している。photo:HARU

HP:http://www.condors.jp/

坂本慎太郎(ミュージシャン)

(1):「Crazy Love」Alton McClain&Destiny
(2):「What Cha Gonna Do With My Lovin'」Stephanie Mills
(3):「Casanova Brown」Gloria Gaynor

日頃からお酒を飲んでいい感じに酔っぱらってくると、いい音楽が聴きたくなってきます。そして、いい曲を聴いているうちに、だんだんテンションが上がってきて、しまいには踊りだしたくなってきます。(1)はロサンゼルス出身の女性グループによる1979年のファーストアルバム『It Must Be Love』に収録されており、イントロのギターのカッティングサウンドが聞こえた瞬間に、世界がパッと明るくなるような名曲。

(2)はニューヨーク出身の女性歌手による1979年リリースのヒット曲で、抑えめの歌いだしからジワジワとテンションを上げていき、サビでは思わず誰もが両手を上げて踊りたくなる、「アーバン・メロウ・ディスコ」の傑作です。

1975年リリースの捨て曲なしの名盤『Experience』に収録の(3)は、アルバムの中でも特に圧巻の一曲。中間部のブレイクが特にかっこいいパーフェクトなディスコソングで、軽快なパーカッションと突き抜けるような歌唱には、思わず体が踊りだしちゃいます。

『It Must Be Love』Alton McClain & Destiny
「Crazy Love」アルトン・マクレイン&デスティニー/収録アルバム『It Must Be Love』
「What Cha Gonna Do With My Lovin'」Stephanie Mills
「What Cha Gonna Do With My Lovin'」ステファニー・ミルズ/収録アルバム『What Cha Gonna Do With My Lovin'』
『Experience』Gloria Gaynor
「Casanova Brown」グロリア・ゲイナー/収録アルバム『Experience』

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ミュージシャン・坂本慎太郎

坂本慎太郎(ミュージシャン)

さかもと・しんたろう/1967年生まれ。主宰の〈zelone records〉よりセカンドソロアルバム『ナマで踊ろう』を発表。かもめ児童合唱団とのシングル配信中。

HP:http://zelonerecords.com/ja/news

菜月チョビ(演出家、女優、〈劇団鹿殺し〉座長)

(1):「I Was Born To Love You」Freddie Mercury
(2):「Give It Away」Red Hot Chili Peppers
(3):「絶好調音頭」劇団鹿殺しRJP

選んだのはどの曲もアーティストのパフォーマンスとセットで心に焼き付いているもの。極限まで体を使って表現される曲ばかりだから、一音一音が自分を中から刺激していきます。「もっと生きてみせろ」と言われているような。

(1)はPVで初めてフレディ・マーキュリーを見て、こんなに何かがみなぎっている人見たことない!と衝撃を受けました。みなぎった自分自身をシャワーのように浴びて輝くフレディに「これが心からのパフォーマンスだ!」と、劇団鹿殺しメンバー全員で毎日彼の真似して踊っていました。以降その完コピができるまでは一人前じゃないという鉄の掟が生まれ、今も続いています。

(2)を頭の中が「ギブルウェー」でいっぱいになるまでエンドレスリピートしながら延々踊り続けて体を鍛えることも。普段は主に演劇をやっているのですが、音楽フェスでパフォーマンスする時の緊張感を吹き飛ばしたい時、(3)で「ぜっこうちょー!」って絶叫すれば、否が応でも元気が出るんです。踊らなきゃやってられない時に必須です。

『I Was Born To Love You』Freddie Mercury
「I Was Born To Love You」フレディ・マーキュリー/収録アルバム『I Was Born To Love You』
『Blood Sugar Sex Magik』Red Hot Chili Peppers
「Give It Away」レッド・ホット・チリ・ペッパーズ/収録アルバム『Blood Sugar Sex Magik』
『ベストだぴょん!』劇団鹿殺しRJP
好調音頭」劇団鹿殺しRJP/収録アルバム『ベストだぴょん!』

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演出家、女優・菜月チョビ

菜月チョビ(演出家、女優、〈劇団鹿殺し〉座長)

なつき・ちょび/福岡県出身。〈劇団鹿殺し〉の公演だけでなくフェスへの出演など幅広く活躍。今夏、プロデュース作『竹林の人々』が東京・大阪で公演。photo:Yasuyuki Emori

HP:http://shika564.com/wordpress/?p=897

村上純(お笑い芸人)

(1):「強い気持ち・強い愛」でんぱ組.inc
(2):「サクラあっぱれーしょん」でんぱ組.inc
(3):「人生はいじわるなの…かな?」妄想キャリブレーション

アイドルって音楽を“線”で楽しませてくれると思うんです。自分が今まで生きてきた体験や思い出が感動につながる瞬間がある。(1)は学生の頃に聴いていた小沢健二の名曲を、今リアルタイムで自分が好きなアイドルがカバーするという、いわゆる“俺得”なコラボレーションソング。

(2)は暗い過去を持つでんぱ組.incのメンバーが「君の未来を明るく照らすなんておちゃの子さいさいさい」と歌う姿がぐっとくる。そんな過去もあっけらかんと踊って吹き飛ばしちゃえ!っていう前向きな彼女たちを見ていると、僕らも陽気に踊ってさえいればいいんだって勇気づけられる曲です。

(3)はでんぱ組.incも所属する秋葉原ディアステージからデビューした妄想キャリブレーションの一曲。いろんなストーリーが数珠つなぎになっている特別なこの場所でのライブに心動かされます。そんな時はメンバーの動きにシンクロして勝手に体が動きだしてしまう。アイドルソングで踊るって、まさに多幸感に包まれる特別な行為なんですよね。

『World Wide Dempa』でんぱ組.inc
「強い気持ち・強い愛」でんぱ組.inc/収録アルバム『World Wide Dempa』
『WWDD』でんぱ組.inc
「サクラあっぱれーしょん」でんぱ組.inc/収録アルバム『WWDD』
『妄想少女OO』妄想キャリブレーション
「人生はいじわるなの…かな?」妄想キャリブレーション/収録アルバム『妄想少女OO』
妄想キャリブレーションのライブ
胡桃沢まひる、桜野羽咲、双葉苗、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子からなる、6人組アイドルユニット〈妄想キャリブレーション〉のライブにて。

profile

お笑い芸人・村上純

村上純(お笑い芸人)

むらかみ・じゅん/1981年生まれ。お笑いコンビしずるのボケ担当。15年8月12日〜14日、吉祥寺シアターで単独ライブ『吉祥寺マチェーテ』開催。

Instagram:@murakami_jung

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