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マイナンバーカード再発行は現金で 自治体のキャッシュレス決済対象外の理由

  • 2022.10.18
便利なキャッシュレス決済 対応自治体でもマイナンバーカード再発行には使えないことが

役所の窓口事務で、キャッシュレス決済の対応が増えている。住民票の写しなど各種証明書の発行手数料を、現金だけでなく、QRコードやクレジットカードで払える。

ところがキャッシュレス決済に対応していても、マイナンバーカードと、カードに記録される「電子証明書」の再発行は、従来通り現金だけという自治体が散見される。

電子マネーやクレジットカード使えない

例えば東京都港区。公式サイトによると、区役所や支所で、住民票の写しや納税証明書の発行手数料にキャッシュレス決済を使える。「Suica」はじめ交通系電子マネー、「WAON」などの流通系電子マネー、二次元コード、クレジットカードと手段は豊富だ。ただし、マイナンバーカード再交付手数料と電子証明書発行手数料は対象外としている。

愛知県豊橋市も市役所での証明書発行や、公立保育園での給食費の支払いにクレジットカードや電子マネーを使える。一方マイナンバーカード、電子証明書の再発行は現金での支払いとなる。

兵庫県宝塚市や岡山県総社市、広島県広島市と福山市もキャッシュレス決済を導入しているが、同様にマイナンバーカード再発行については現金が必要だ。

自治体の歳入にならない

広島市の企画総務局区政課に取材した。マイナンバーカード(800円)と電子証明書(200円)の手数料は法律上「歳入歳出外現金」と位置付けられているという。手数料は自治体の歳入にはならず、マイナンバーに関するシステムを運営している「地方公共団体情報システム機構」(J-LIS)に支払われる。J-LISは、国と地方公共団体が共同で運営している。

つまり、市で一時的に再発行手数料を預かり、J-LISに支払う。キャッシュレス決済を用いると、決済サービス業者が介在することで、市からJ-LISへの支払い作業に時間がかかってしまうのだという。スムーズさを重視し、市民には現金での支払いを求めているとの説明だ。

港区芝地区総合支所の区民課にも話を聞いた。同区の方針では、各種証明書の発行など、区の歳入となる業務を対象としてキャッシュレス決済の導入を進めてきた。

最終的にJ-LISが徴収するマイナンバーカードと電子証明書の再発行手数料は、区の歳入とはならないため、キャッシュレス決済の対象外というわけだ。加えて広島市同様、J-LISへの支払いのスムーズさを鑑みて、市民から直接現金で預かることにしている。

豊橋市役所市民課も、取材に応じた。再交付手数料は市の歳入とはならず「国への預かり金のため、現金のみ」受け付けていると回答した。

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