【俳優・松下洸平さんインタビュー】松下さんが考える「美人の定義」とは…？【いま彼】

レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は、俳優・松下洸平さんのインタビュー後編をお届けします。

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無計画に直感でやってしまう性格は母親譲り

ーー松下さんのキャリアのスタートは音楽。俳優業がメインになっても、アーティスト活動は継続していた。

「やっぱり自分の曲を出してライブをするっていう夢を諦めることができなくて。空いている時間にコツコツ曲を作って、年1回はライブをしていました。続けることができたのは結果を気にせず、やりたいと思ったら直感でやってしまう性格のせいだと思います。そういうフットワークの軽さは多分(画家の)母親譲り。好奇心のまま無計画にいろんなことをやる人なので、そのDNAをしっかり受け継いだんでしょうね。でも物事を順序立てて考えないことが、結果よかった気がします」

ーー昨年その活動が実を結び「松下洸平」名義で２度目のメジャーデビュー。ツアーで全国を回り、今年「FNS歌謡祭夏」など多数の音楽番組へも出演。環境は激変する。

「自分自身の音楽的なスタンスも大きく変わりました。昔は『自分はこうなりたい』って漠然と頭の中で考えているだけだったけど、今はひとりじゃないというか。いろんな人のアドバイスを受け入れ、さまざまな表現方法を試すようにしています。今回の新曲『Way You Are』はYUTAさん、カップリング曲の『Only you』はMichael Kanekoさんとご一緒させていただいたんですが、自分では到底思いつかないようなメロディーラインやコーラスの案を出してくれて、新たな自分を見つけられた気がします」

自分の歌で誰かの背中をそっと押したい

ーーでも、音楽のベースにあるもの、伝えたい想いはずっと変わらない。

「僕自身たくさんの人に励ましてもらったから、自分の歌で誰かの背中をそっと押したい。でも無責任なことは言いたくないと思っていて。だって『夢は叶う』って歌っても、100%そうかっていったらわからないじゃないですか。だったらせめて、聴いている人が一瞬、背負っている荷物を下ろせる時間を作れないかなと。そして、明日またがんばれるパワーが湧くような曲を作りたい。そう思って『Way You Are』を書きました。誰かの悩みに対して僕は否定も肯定もしない。そこは人と接する上でも大事にしていて。例えば共演者が悩んでいたら一緒に考えて、一緒に答えを探していきたいんですよ」

ーー引っ張るのではなく、横に並び同じ速度で共に走っていく。そのスタンスが芝居でも音楽でも、「表現」の醍醐味だという。

「『僕はこの表現がいいと思うけど、あなたはどう?』みたいな。そうやってみんなで考えて意見がガチッと合った瞬間は本当にうれしい。逆に通じ合えないと悲しいけど、それも全部ひっくるめて表現することが僕にとってのよろこび。奥が深く面白い作業だと思います」

ーーインタビュー中、何度も目をつぶって熟考していた松下さん。でも沈黙が全然イヤじゃない。むしろ無言の世界観を共有しているようで、心地よくなっていく。そんな松下さんに「美人の定義」を聞くとやはりゆっくりと、一語一語、噛みしめるように答えてくれた。

「僕が思う美しい人は姿勢のいい人。ずっとビシッとしている必要はないけど、きれいな姿勢には内面が表れるというか。その人の生き方が見える気がして素敵だなと思います」

ーー思わず背筋が伸びた。松下さんの言葉はやっぱり妖精の羽のように柔らかく、心のひだの細かいところまで入り込んでくる。

Information

「Way You Are」

発売中の2ndシングルはふっと肩の力を抜いてくれる爽やかなポップチューン。なかでも「レコーディングギリギリまで考えた」という、こだわりの歌詞〈ため息と嘘の代わりに光と愛を〉に注目。やさしい歌声も癒し効果満点です！

Profile

松下洸平（まつしたこうへい）

2008年「洸平」名義でCDデビュー。2009年に初舞台を踏み、以後舞台や映像の他、音楽番組やバラエティーなど幅広く活躍。2021年、アーティストとして再デビューを果たす。主なドラマ作品は「最愛」「やんごとなき一族」など。現在、映画「アイ・アムまきもと」が公開中。10月度TBS日曜劇場「アトムの童」にも出演予定。

掲載：美人百花2022年10月号「#いま彼を知りたい」

撮影/女鹿成二 スタイリング/後藤泰治(SMB International) ヘアメイク/榎並孝介 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部