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紅葉の四国山脈を縦走。総移動距離30km超!百名山・剣山から三嶺をつなぐ大冒険記録

  • 2022.10.15
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こんにちは!山の紅葉が最盛期となるシーズンの10月。「今年はどの紅葉の名山に行こうか?」と計画を立て始めている土庄です。

そこで今回は、かつて訪れた四国・剣山〜三嶺の縦走路をご紹介!紅葉をまとう峰々を越え、四国山地を縦走した山旅の記録を振り返りたいと思います。

森林限界(高木が生育できず、森林を形成できない限界線)の稜線の開放感、まるで日本アルプスを思わせる長大な稜線、鮮やかなコメツツジに彩られる三嶺など、忘れられない旅情と風景が脳裏に焼き付いています。

四国の屋根をゆく岳人憧れのルート

標高2,000mを超える山のない西日本。しかしながら個性的な独立峰や、山々を縦走する名コースが点在しています。

その中の代表的なルートのひとつが「剣山(つるぎさん、標高1,955m)〜三嶺(みうね/さんれい、標高1,894m)」です。

剣山は西日本で2番目の高さにして、四国中央部にそびえる山脈の盟主。日本百名山にも選ばれています。見ノ越から登山リフトを使って日帰りでアクセスするのが定番ですが、実は日本二百名山に選ばれている三嶺まで縦走できるのです。

しかし距離は20kmを超え、累積標高差も1,700m以上。ややハードルが高いのですが、それゆえに全国の登山愛好家憧れのルートとなっています。

朝霧の剣山を抜けて、憧れの稜線へ

2020年10月下旬、そんな西日本屈指の名ルートに日帰りで挑戦してきました。登山口と下山口が違うため、あらかじめ下山口にロードバイクをセット!下山後、ロードバイクに乗り換えて登山口へ戻る作戦です。

夜明け前の5時半から登山を開始。「真っ暗な森の中を歩くのは怖い」という感覚は、最近はなくなってきました。約1時間ほどで剣山の山頂へ到着です。

この手軽さこそ剣山の最大のポイントですね。ただ霧が充満しており何も見えません。

しかし天気予報は晴れだったので、1時間ほど待ってみることに。そうすると少しずつ視界が良くなり、剣山に連なる「次郎笈(じろうぎゅう、標高1,930m)」の山容が見えてきました。

前半のハイライト・次郎笈(じろうぎゅう)へ

「剣山〜三嶺」の1つ目のハイライトである、次郎笈までの道のり。

すでに森林限界を迎え、雄大な笹原の稜線が続いていきます。まさに天空を歩いているような感覚です。

雲が多い早朝ですが、それゆえ明暗が山肌に映し出され、劇的な表情変化を見せてくれました。

時折振り返れば、剣山とその左右の山肌を彩る鮮やかな紅葉が展開します。気持ちのいい秋晴れも相まって、まさにベストな訪問タイミング!

そして2座目の次郎笈へ登頂。ひらけた山頂からは、これから進む長大縦走路の全貌が見えています。

写真の右上のとがった山が、これから目指す三嶺。そのスケールに思わずひるんでしまいそうです。

四国山脈の長大な尾根を進む

次郎笈を過ぎると、丸石、高ノ瀬、平和丸、カヤハゲ(東熊山)などの小さな山頂をつなぎながら、三嶺を目指していきます。

小刻みにアップダウンはあるものの、ペースを上げすぎなければ負荷はかかりません。

距離は長いのですが、終始稜線のパノラマはひらけ、景色変化もあるので、いくらか気が紛れます。

関西の大台ヶ原を思わせる、とても絵になる立ち枯れ。

気が遠くなる標識ですが、焦らない焦らない(笑)。

丸石(まるいし、標高1,684m)周辺から剣山と次郎笈を振り返る。

青空を背景に、笹原の稜線を進む。丸石はすぐそこ……!

次郎笈を眺めながら、四国の屋根で一休み。

……といった感じで景色を楽しみながらマイペースに進んでいけば、意外と無意識のうちに距離を稼ぐことができます。しかし、正念場はここからなんです!

正念場はここから。平和丸からが長い!

登山開始から約12kmで平和丸(へいわまる、標高1,701m)へ到着します。この辺りから稜線も三嶺に向けてカーブを描いていきます。

ここまでで疲労も蓄積しているのですが、平和丸から続くカヤハゲ山(標高、1,720m)まで下りと登り返しがあり、ラストの三嶺(標高1,894m)までは傾斜のある登りが続きます。

一番キツいこの区間ですが、休憩を挟みつつ一心不乱に登坂します。少し進むたびに「まだか、まだか」と心が折れそうになりますが、最後は気力勝負です。

そして登山開始から約8時間、ようやく三嶺のいただきへ到着しました。

するとそこには、三嶺の秋の風物詩「コメツツジ」の群落が展開!その向こうには登山口の見ノ越が見えていました。

「この長距離を進んできたんだ……!」と感動。思わず同行していた友人とハイタッチをします。

牧歌的風景を見せる二百名山・三嶺

日本二百名山に選ばれている三嶺。その魅力は唯一無二の風景にあります。それがこのテーブルマウンテンのような山頂周辺の地形。

荒々しい岩に囲まれながら、笹原の広々とした空間を作っており、そこには赤い屋根の三嶺ヒュッテと山頂直下の池。

思わず「ここが日本!?」と言いたくなる、メルヘンチックな景観を見せてくれるのです。

山頂周辺でゆっくりしたい気持ちはあるものの、すでに14時半ということで先を急ぐことに。

あとは下るだけなのですが、17時過ぎには日没を迎えるので、あまり時間がありません。樹林帯の道を駆け下りるようにして、16時前に下山しました。

ラストは自転車で見ノ越ヒルクライム

下山を終えて達成感に浸りたいものの、自転車で登山口まで戻るというラストステージが待っています。

距離にしてジャスト10km!う〜ん、なかなか楽ではありません(笑)。

ただ日没まで少し時間があるかも!?ということで、道中には「奥祖谷のかずら橋」へ寄り道。

こちらの紅葉はまだ先ですが、グリーンシーズンの最後の風情を味わえましたし、人力ロープウェイ「野猿」にも乗れました。

疲労困憊の状態で、見ノ越までの登りに立ち向かい、なんとか真っ暗になる前に戻ってこれました。

登山と自転車で総距離は30km以上、時間はなんと約12時間の内容でした。かなりハードでしたが、一秋の大冒険はこれにて終了です。

紅葉の名山を求めて秋の大冒険

今回は秋の紅葉登山のルートとして「剣山〜三嶺」をご紹介しました。

標高2,000mを超える山のない西日本ですが、日本屈指のパノラマと冒険を味わえる山はたくさんあります。今回はあくまでその一例です。

色鮮やかな紅葉をまとい、引き込まれる絵画のような風景を見せる秋の名山。体力をつけて挑戦してみてはいかがでしょうか。

All photos by Yuhei Tonosho

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