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食べてストレス対策! 健康的な和食の“うつ予防”効果とは

  • 2015.10.29
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【男性からのご相談】

今年に入ってから、同僚が2人もうつになって1人は療養休暇、もう1人は退職しました。会社は辞められないし、もし予防ができるなら教えてください。

●A. うつ予防にもバランスの良い和食を!

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

詳しい職場の状況は分かりませんが、短期間で2人もうつ病になったことで心配になるお気持ちよく分かります。まず、ストレスを発散するための時間を作られることが大切かとは思いますが、今回は食事からのうつ予防ということで、栄養学から考えてみたいと思います。

●世界が注目する日本食。日本でもさまざまな研究が!

国立研究開発法人国立医療研究センターは2度に渡って日本食とうつ病との関係についての調査・研究発表を行っています。2010年には21歳~67歳の公務員521人の食事パターンとうつ症状の関係を調査。

過去1か月間の食事から“健康的な和食”“動物性食品中心”“洋風朝食”という3つのパターンに分けて、それぞれスコアの高さで3段階に分け、うつ症状との関係を調べました。その結果、野菜・キノコ類・大豆製品などを中心とした“健康的な和食”を食べる頻度が高い人たちは、そうでない人たちと比べて“うつ症状のある人”が56%も少なかったというのです。

さらに、健康的な和食を食べている人たちはどんな食材を多く取っているかを調べたところ、緑黄色野菜・大豆製品・果物・緑茶などが多く、逆にソフトドリンク類・中華めん・アイスクリーム(デザート類)などが少なかったそうです。

この研究を受けて、さらに21歳~65歳の大企業に勤務している2,266人を対象とした調査でもやはり同じような結果が出ており、同センターが2度の調査によって導き出した結論は以下の通りです。

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伝統的な食パターンの摂取は心の健康面において保護的に作用しているようにみえる。高ストレイン時や職場のサポートが低い時にその保護作用はより顕著に出ており、伝統的な食事パターンを取ることのメリットは過酷な労働環境に置いてより大きい可能性がある。

(国立研究センターHPより引用)

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●健康的な日本食に多く含まれる栄養素とは

健康的な日本食で多くと取られていた緑黄色野菜、果物、大豆製品、緑茶に多く含まれる栄養素はまず、抗ストレスビタミンといわれるビタミンC、ビタミンE。そして近年、性格にも影響を与えているとさえ言われている腸内環境を整えるための、納豆菌や食物繊維。そして、脳内ホルモンの合成に欠かせない葉酸が多く含まれています。

また葉酸には、タンパク質がアミノ酸に代謝される途中で発生するホモシステインを無毒化する役割を持っており、葉酸が不足するとホモシステインが過剰になり、脳細胞に悪影響を与え、うつや認知症の一因になる恐れがあるさえと言われています。

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まだまだガッツリ系の食品が食べたい傾向にある30代男性にとって健康的な日本食は少し物足りないかもしれませんが、できるだけ煮魚やおひたし、野菜の煮物やお漬物におみそ汁といった日本食を心掛けてはいかがでしょうか。ストレスに弱った胃にも優しいはずですよ。

【参考リンク】

・日本食パターンのうつ症状への効果と仕事のストレス因子による影響 | 社会階層と健康

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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