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秋に症状が悪化する?秋花粉と間違いやすいダニアレルギー

  • 2022.10.12
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くしゃみが止まらない、目がかゆい……そんな症状に悩まされていませんか? もしかするとそれダニアレルギーかもしれません。今回は、秋花粉と間違いやすいダニアレルギーについて「アルバアレルギークリニック」院長の続木康伸先生に伺いました。

秋花粉とダニアレルギーそれぞれの症状の特徴を教えてください

秋の花粉症の特徴は、花粉の飛ぶ距離が短いことです。秋の代表的な花粉はヨモギ、カナムグラ、ブタクサなどの雑草がメインですが、花粉の飛ぶ距離が数十メートルと短いです。これは、数十キロ以上飛ぶスギ花粉と違い、近づかなければ症状が出ないので、特定の場所に行った場合のみアレルギー症状が出ることを意味します。花粉症であっても花粉に触れなければ症状は出ないので、花粉症であること自体に気が付かない人も多いです。

一方、ダニアレルギーは、シーズンで症状が出る花粉症と違い、いったん悪化すると常に目のかゆみ、鼻のつまり、喘息を引き起こすことがあります。アレルギーの原因になるダニは日本では主に布団にいますが(※山に生息するダニとは別です)、たとえダニが空中に舞ったとしても、すぐに下に落ちるので、空気清浄機があるから大丈夫だとはなりません。朝起きると鼻がつまる、掃除で目や鼻がかゆくなるなどの症状が、季節問わずあります。

なぜダニアレルギーは秋に症状が悪化するのでしょうか

日本は高温多湿で、カーペットを敷いていることも多いので、欧米に比べてダニの量が多いと言われています。一般的にダニは温度25℃、相対湿度75%が最も繁殖しやすいと報告されています。これまでは秋はダニの繁殖に適した季節ではないとされてきましたが、温暖化の影響や気密性の高い住宅のために、現在では季節は関係なくなってきていると考えられています。さらに、気温が低下するにつれ、ダニがカーペット類にもぐりこんでいることも指摘されています。そしてコロナ以降、自宅で過ごすことが多くなったことで秋に症状が悪化しているように感じるのでしょう。

ダニアレルギーの対処方法、治療法を教えてください

ダニアレルギーの対処法としては、ダニを減らすこと、つまり掃除です。日本でダニがいるのは、寝具がもっとも多く、寝具>絨毯>畳>フローリングの順番です。寝ている時間を考えると、布団の掃除がもっとも効果的だということになります。
なので、布団の掃除は週1回でも効果が期待できます。具体的な掃除方法としては、掃除機で布団を吸いましょう。半畳分の大きさで30秒くらいが目安になります。計算するのが苦手な方は、“思っているよりゆっくり布団に掃除機をかける”と思っていただければOKです。吸引力よりも回数の方が重要ですので、掃除機はなんでも大丈夫です。もっと徹底したい方には、掃除に加えて、布団はドライクリーニングではなく丸洗い、さらに防ダニ布団カバーを使ってください。

治療としては、ダニアレルギーを唯一治せる可能性があるのが、ダニアレルゲン免疫療法になります。逆に言えば、通常行われている抗アレルギー剤や点鼻ステロイドは、症状を抑えるだけで治るわけでありません。ダニアレルゲン免疫療法は、予防接種のように注射する皮下免疫療法と舌の下においておく舌下免疫療法があります。皮下免疫療法は、特定の病院でしかできないので、通常は舌下免疫療法になります。治療期間は通常5年です。この免疫療法は、昔は保険が効かずアメリカから輸入して治療していましたが、現在では、日本でも保険診療で治療できるようになりました。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

「アルバアレルギークリニック」院長 続木康伸先生

新生児から妊婦まで、九州や東京からも患者が訪れる「アルバアレルギークリニック」院長 。Podcast内の『続木康伸の「知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座」』も好評。

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