1. トップ
  2. 最近ヒットした韓国ドラマは使い古された「勧善懲悪」がテーマのものばかり?なぜ今人気なのか

最近ヒットした韓国ドラマは使い古された「勧善懲悪」がテーマのものばかり?なぜ今人気なのか

  • 2022.10.11
  • 975 views

食べてこそわかる味というが、味を知っているからこそ食べたいという欲求も湧いてくる。ドラマも同じだ。

明らかに結果が見えるものであっても、食欲をそそる“お決まり”が存在する。結果に至る工夫を見る楽しみもある。今年下半期、お茶の間を熱くしたドラマ『シスターズ』(tvN)、『ビッグマウス』(MBC)、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ENA)が、その代表例だ。

3作品とも「勧善懲悪」という共通点を持つ。勧善懲悪は一言で、善良な人は成功し、悪い人は罰せられるという意味だ。

『シスターズ』のウォン・サンア(演者オム・ジウォン)、『ビッグマウス』のチェ・ドハ(演者キム・ジュホン)は、自分の罪をそのまま返してもらうような結末を迎えた。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は両作品に比べて“懲罰”の強度は弱かったが、善良な人が勝利するというメッセージを随所に取り入れて「優しいドラマ」と呼ばれた。

なぜ今、勧善懲悪が愛される?

 

3作品は、『シスターズ』が視聴率11.1%(ニールセンコリア基準)、『ビッグマウス』が13.7%、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が17.5%で有終の美を飾った。放送中、テレビドラマの話題性トップ10(グッドデータコーポレーション基準)の最上位圏を占めたりもした。

(画像提供=tvN)『シスターズ』

この結果は、古典小説のテーマともいえる勧善懲悪が現在も有効であり、3作品が使い古された主題を時流に合わせて解きほぐしたという根拠になる。

3作品は人物と社会の葛藤を扱ったという共通点も持つ。手段と方法を選ばずに私益だけを追求する「情蘭会」(『シスターズ』)、クチョン市を牛耳る既得権勢力(『ビッグマウス』)、自閉スペクトラム障害に偏見を持ったすべての人々(『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』)が主人公と対立した。個人的な話にとどまらず、巨大な悪を引き出す余地があるという点で有意義だという評価を受けた。

(画像提供=ENA、MBC)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(左)と『ビッグマウス』

とあるドラマ関係者は10月10日、本紙『スポーツソウル』に「3つのドラマは、個人が腐敗した社会に対抗する仕組みだった。出発点は現実的かもしれないが、結末はファンタジーに近い。だからこそ視聴者は、むしろより大きなカタルシスを感じる。そんな部分は過去も今も大きく変わらない。以前と変わった点があるとすれば、優れた力量を持った主人公が直接、悪役を処断する方式を好む雰囲気という点」とし、「視聴者の意識水準も相当高まり、ある程度考えることを投げかけ、恣意的な解釈や推理が可能な作品を好む傾向も見られる」と説明した。

また別の放送関係者は、「良質な韓国コンテンツがあふれ、大衆が感情移入する度合いも同時に高まった。“過没頭”という言葉がよく使われるほどだ。暗鬱でもどかしいストーリーの主人公に没頭すると、感情の消耗が大きい。最近、温かいヒーリングものや軽いコメディが愛されるのも同じ理由からだ。あえて難しい現実を、コンテンツを通してまで向き合いたくなく、因果応報のような希望を見たいという心理が反映されたもの」と分析した。

元記事で読む
の記事をもっとみる