土曜の昼下がり、夫は消えた。失踪の理由を追い求める作品にハラハラする

夫が消える…そんなことはドラマの中のできごとだと思っていませんか？ちなきち@電子書籍配信中(@chinakichi72)さんがフォロワーさんの実体験を描いた『ある晴れた土曜日、夫が消えました』では、小さな娘を育児中の主人公・ユカリさんの夫が突然いなくなってしまいます。失踪の理由を追い求めるうち、次々と気づかされる夫の苦しみに向き合うユカリさん。果たしてユカリさんの夫は見つかるのでしょうか。

突然鳴った電話、そして新たに知った真実

ある日突然夫が消えた…始めた出掛けただけだと思っていたものの、翌朝になっても帰ってこない夫。いざというときに使うために置いておいた貯金も消え、スーツのポケットからは女性ものの香水を買ったレシートが。様子がおかしいことに気が付いた主人公のユカリさんは動き始めます。

夫の行方を心配しているユカリさんのところに鳴った電話は、無断欠勤をした夫を心配した会社の同僚から。新しく赴任した上司との折り合いが悪く、ストレスを感じていたらしいことも知ります。自分の知らない夫の姿を知るごとに困惑するユカリさん。夫と会って話すことを願いますが、夫は失踪中。

夫は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。

村中を探し回り、ついに見つけたところは…

夫を探し回るユカリさん。自転車で家を出たらしいことから村を出たとは考えづらく、心当たりのある場所をあちこち探し回りますが見つかりません。

もう一度家の周りを探そうと戻ったところ、家の前に夫の自転車を見つけました。心がはやりながら玄関の扉をあけると、そこにはうなだれた夫の姿が。

ついに夫を見つけたユカリさんの気持ちはどうだったのでしょうか。安心感とともにさらなる疑問も湧いたかもしれません。夫はなぜ家を出て行ったのでしょう。浮気、いつも怒ってばかりの妻、親からのプレッシャー、上司からのパワハラ。ユカリさんのたどってきた道筋に答えはあったのでしょうか。夫が語ることは…？

帰ってきた夫。しかし、その様子は…

憔悴しきっている夫の姿を見て、いろいろ聞きたい気持ちを抑えて「ゆっくり休んで」と声をかけたユカリさん。そして1時間ほどたったころ、布団の中から消え入りそうな声で聞こえてきたのは「情けない夫でごめんね」という言葉でした。

そこからは夫もユカリさんもせきを切ったように言葉があふれます。多くのストレスをかかえていた夫を支えられなかった自分をかえりみたユカリさん。これからはお互いを支え合おうと誓います。

このあと夫は休職を選択し、家族とゆっくり過ごす時間を持つうちに笑顔を取り戻していきました。

多くのストレスを抱える、働き盛りのパパやママ。ユカリさんの経験は他人事ではないかもしれません。パートナーとのコミュニケーションを大切にしつつ、自身も悩みがふくらみすぎないうちに相談するなど、相手の心も自分の心も大切にしたいものですね。

著者：towa