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離婚後の「再婚」にベストなタイミングってあるの?モラハラ、浮気で離婚した40代女性たちの“迷い”から考える

  • 2022.10.9
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再婚の“妥当な時期”はあるのか
再婚の“妥当な時期”はあるのか

2021年の婚姻件数は50万1116件、離婚件数は18万4386組――。数字を眺めてみると、「結構、離婚が多いのね」と思うのが率直な感想でしょう。25歳で離婚した人もいれば、夫の定年を待って離婚する人もいます。離婚した後、生きていく年月は60年かもしれないし、10年かもしれない。長短にかかわらず、死ぬまでの日を1人で生きていくか否かは離婚者の誰もに降りかかる問題です。

私は夫婦仲相談所で離婚直後の人たちのお話を聞くことが多いのですが、「もう結婚はこりごり」というせりふのいかに多いことか。とはいえ、数年が経過すると「老後1人では寂しい」「子どもに介護は無理と言われた」などで再婚を視野に入れてくる人々もいます。

離婚した後の再婚のタイミングに、最適な時期はあるのでしょうか。離婚してすぐに結婚となると、婚姻期間から関係をもっていたと勘繰られることにもなりかねないですし、モラル的にどうかな、という意見もあると思います。そこで今回は、実際の例をもとに私見をお伝えします。

女性には再婚禁止の“100日縛り”がある

まず、離婚後の結婚に関しては、女性には民法733条1項に定められた「再婚禁止期間」が現在適用されており、原則として「前婚の解消または取り消しの日」から“100日”を経過した後でなければ、再婚することができません。これは、女性が離婚時に妊娠している可能性を考え、子どもの父親を特定し、子の身分関係を早期に確定するという子どもの利益を確保するためです(離婚時に妊娠していないことの医師の証明がある場合など、例外があります)。妊娠することがない男性には、いわゆる法的に定められた「再婚禁止期間」はありません。

では、離婚後に再婚をするタイミングに関して男性、女性ともに妥当な時期というのはあるのでしょうか。2人の女性のケースを見ていきましょう。

聡子さん(46歳、仮名)は10年前、元夫のモラハラが原因で離婚しました。元夫はアフリカ系の外国人で、2人の間には16歳と14歳の子どもがいます。今、聡子さんは日本人男性と5年間お付き合いしています。子どもたちは男性と良好な関係を築いています。それにもかかわらず、聡子さんは再婚しようとしません。

「父親がアフリカ系ということもあり、子どもたちは明らかに私や現在の彼と見た目が違います。今、私と子どもたちが一緒にいても親子と思われることはまずありません。そんな状態で子どもたちに日本人の父親ができることに、私自身抵抗があるんです。日本の戸籍制度に問題も感じていますし、特に結婚がしたいと思うこともありません。

ただ、彼のことは好きですし、彼は結婚を望んでいるので、このままお付き合いが順調に進むのであれば、子どもたちが成人したら結婚しようかと思っています。子どもたちは早く結婚すればいいのにと言うんですが、私に踏ん切りがつかないんです」

聡子さんなりの配慮がある結婚時期の設定に納得しました。

全ての人に配慮していたら再婚は一生できない?

悦子さん(46歳、仮名)は6年前に陽介さん(44歳、同)と離婚しました。2人の間には子どもが2人います。親権は悦子さんです。悦子さんは元夫の両親ととても仲がよく、今でも夏休みには孫を連れて必ず遊びに行きます。

離婚の原因は、陽介さんの度重なる浮気でした。離婚時、陽介さんのご両親は悦子さんに泣いて謝り、母親は体調を崩して寝込んでしまい、父親は彼をいまだに許していません。そんな状況の中、陽介さんは近々再婚すると悦子さんに告げました。

「彼はメンタルが弱いので結婚自体には賛成です。女がいないと生きていけないタイプだし、私はもう全く未練はないので。ただ、子どもたちと彼のご両親のことが心配です。14歳と10歳の子どもたちが、父親の再婚話をどう捉えるか不安があるので、今すぐ子どもたちに話すつもりはありません。

彼のお父さんは離婚のときから彼を許さず、口も聞いていないようです。彼のことが大好きなお母さんはあれ以来、体調を崩して精神的にも不安定な状況が続いています。この状況で再婚を決断するというのはどうなんだろうと思うと同時に、結婚相手が30代後半なら子どものことなどを考えると仕方がないよな、とも思います。難しい状況です」

悦子さんは子どもだけでなく、元夫のご両親、再婚相手のことまで考えています。心温かな人です。

結婚は2人で決めること。しかし天涯孤独な2人でもない限り、そこには両親やきょうだい、友人、同僚…そして再婚の場合には元パートナーに子どもがいることも多々あるでしょう。再婚は、周りのことを気にし始めたらなかなか踏ん切りがつかないものです。

かといって「父が許してくれないから再婚はしない」「子どもが反対するから再婚はしない」と即刻諦めてはいけないと考えます。まず、時間をかけて対話することです。自分の人生後半の過ごし方を、自分と相手の家族と話し合う姿勢を持つことから再婚ストーリーは始まります。周囲の人の反対理由も受け止め、その回避方法も考える。そして、自分の将来設計もちゃんと伝えるのです。

反対していた子どもがしばらくしてから「母さん、再婚しとけばよかったのに」と言い、「はあ? いまさら言う?」と感じた、という例をしばしば耳にします。再婚時期は、大人としての責任を全うしながら、周囲と徹底的に話し合って決断する必要があります。

自分が関わる全ての人に不快な思いをさせずに生きていくのは不可能なこと。擦り合わせながら、理想の人生後半を立て直す方法を模索してみてください。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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