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「ハチミツ」は傷まないってホント?傷まないなら賞味期限はどうなっているの?

  • 2022.10.5
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パンケーキやホットケーキにかけたり、お菓子や作りに用いられるハチミツ。 料理の隠し味や紅茶に入れて用いることもあります。 人によっては欠かせない食材のひとつなのではないでしょうか。

そのハチミツは、傷まないから何年経っても食べることができるできるともいわれています。

腐らない食材「ハチミツ」

 

ハチミツは蜂が採取した花の蜜を単純に保管しているのではなく、水分を発散させた上で巣の中で酵素を加えるといった加工作業をしています。 すると、蜂が摂取した40%ほどしかなかった花の蜜の糖度が、最大80%以上と非常に高い糖度に変化します。

この高い糖度がハチミツが傷まない、腐らないカビが生えない、の秘密になります。

糖度の高いハチミツは優れた殺菌効果がある

 

ハチミツの80%ある非常に高い糖度の中では、腐敗の原因となる細菌やバクテリアは増殖できないどころか水分をハチミツ側に吸収されて死んでしまうとされています。

それは『浸透圧』が発生するためです。 細胞など半透膜越しに糖分や塩分を含む濃度が違うものが存在する場合、濃度が薄い方から濃い方へと水分を移動させることで、お互いの濃度を同等にしようと調整する働きがあります。

ハチミツ内に侵入した細菌やバクテリアにもこれ同じことが起こり、ハチミツの糖度を下げようとハチミツに水分が移動します。 すると、細菌やバクテリアの微々たる体内水分では調整するには追いつかず、干からびてしまうので死んでしまいます。

塩漬けされた梅が、塩に水分を吸われて縮んでいくのと同じ現象がハチミツに入り込んだ細菌などの身に降り掛かっているのです。

水分が少ないハチミツの中では細菌は活動できない

 

ハチミツは液状であることから水分を多く含まれているように見えますが、糖度が80%あるハチミツの場合、水分は20%しか含有していません。 そのため、細菌などが活動したり増殖するのに必要な水分が確保できません。

もしも浸透圧の影響を受けずに体内の水分を失わなかった場合でも、活動することができないのでハチミツの中でカビや菌を増殖させることもできません。

とはいえ、ハチミツは無菌状態というわけではなく、ボツリヌス菌に関しては別です。 ハチミツに含まれるボツリヌス菌は芽胞という形で生き残っています。

芽胞は食べても中毒症状は起こらず安全ですが、免疫が未発達な1歳未満の乳児は体内で繁殖が起こり中毒を起こす可能性がある為、1歳にならない子にハチミツを与えることは禁止されていますので、1歳未満の乳児には与えないように注意しましょう。

ハチミツに賞味期限はなんであるの?

 

日本の法律では、食品には期限表示を記載することが義務付けられています。 この期限表示は大きく分けて2つ、『賞味期限』か『消費期限』です。

賞味期限とは

 

食品衛生法やJAS法で定められている賞味期限は『開封せず正しく保存した場合に味と品質が充分に保てると製造業者が認める期間』のことです。 未開封のものを表示通りに従って保存していたらこの期限までは美味しく食べれますよ、という意味合いであることから、ハチミツの場合多くのメーカーが「製造から2~3年」の期間を記載しています。

ハチミツに賞味期限がある理由

細菌やバクテリアが生存も増殖できないことからカビが発生することも傷むこともありませんが、ハチミツはなぜ賞味期限を2~3年と記載されるのか。 それは、ハチミツが傷まない食品ではあってもハチミツ自体の風味は時間とともに損なわれていく食品だからです。

日本の場合、天候の変化も激しく、夏も暑い気候をしていることから2,3回夏を越すとハチミツ自体の色が濃くなり風味も損なわれるといわれています。 そのため風味の劣化する2,3年頃を賞味期限として設定してます。

消費期限はハチミツにはない

 

生鮮食品や生の加工食品に使われることの多い消費期限は、5日以内で傷むような精肉や惣菜が『保存方法通りであれば品質劣化の心配なく食せる期限』すなわち安全に食べることができる期限をあらわしています。 傷まない食品のハチミツの場合、10年でも極論100年後でも口にできますので、設けられることはまず無いと言っても差し支えないかもしれません。

まとめ

ハチミツは確かに保存方法に従っていれば傷まないし腐ることもない、カビが生えない食品です。 しかし賞味期限がない食べ物かと言うわけではありません。 時間の経過で風味は損なわれ本来の味から劣化してしまうので賞味期限はメーカーによって設けられています。

しかし、傷まないという性質から長期間経っても安全に口にすることのできるハチミツには、消費期限は無いとはいえるようですね!

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