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牛肉の旨味が溶け出した"ボルシチ"

  • 2022.10.9
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ロシアの定番スープであるボルシチは、牛肉の旨味とビーツの鮮やかな色味が特徴です。ボリュームもしっかり、栄養もたっぷり取れる一皿です。秋のおかずをおいしくするスパイスとハーブ使いをスパイスの達人・小堀紀代美さんに教えてもらいました。

牛肉の旨味が溶け出した"ボルシチ"

■“ボルシチ”のつくり方

温かい料理がそろそろ恋しくなる季節、汁気のある煮込み料理が食べたくなります。
ここで紹介するのは、ロシアの家庭料理でもあるボルシチ。牛肉の旨味が溶け出たスープは、あっさりとしていながらも奥行きのある味わい。ビーツ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、キャベツと野菜もたっぷり入るのが魅力です。

□使ったスパイス&ハーブは

黒粒胡椒は爽やかでウッディな香りがあり、牛肉との相性は2重丸。古くから薬草として使われてきたディルとローリエは肉や魚のくさみを抑える効果がある。ここでは、風味や旨味をアップさせるにんにくもスパイスと位置づける。

ディルとローリエ
ディルとローリエ

*スメタナのつくり方…ヨーグルト(無糖)2カップをしっかりと水きりし、生クリーム大さじ5を加えてなめらかになるまで混ぜる。サワークリームのような感じ。


◇材料 (4~5人分)

牛肉:500g(シチュー用)
オリーブオイル:適量
水:2L
黒粒胡椒:10粒
ローリエ:2枚
ビーツ:1個(250g)
じゃがいも:1~2個
玉ねぎ:2個
にんじん:1本
キャベツ:1/6個
ディル:1パック
トマトペースト:大さじ1
グラニュー糖:小さじ2
米酢またはワインビネガー:大さじ1
塩:適量
粗挽き黒胡椒:適量
にんにく:1/2片
スメタナ:適量(*)


(1)牛肉を煮込む
牛肉は大きめの一口大に切り、室温にもどす。鍋にオリーブオイル大さじ1を熱して牛肉を重ならないように入れ、表面を焼きつける。水100ml程度を加えて鍋底についた焼き焦げを木ベラでこそげ取り、残りの水、黒粒胡椒、ローリエを入れて強火にし、沸騰したらアクを取り、弱火で1時間30分ほど煮込む。最初の30分は蓋をしないで煮込み、その後、蓋を少しずらしてのせて煮込む。途中、アクが出たら取り除く。

牛肉を煮込む
牛肉を煮込む

(2)野菜をカットする
ビーツとじゃがいもは幅5~6mmの拍子木切りにし、じゃがいもは水にさらす。玉ねぎはみじん切り、にんじんはせん切りにする。キャベツは太めのせん切りにする。ディルは葉を摘み、粗みじん切りにする。

(3)ビーツを蒸し煮する
フライパンにビーツを入れて蓋をし、弱火で10分ほど蒸し煮する。ときどき大きく混ぜ、ビーツが汗をかいてつやっとしてきたら、トマトペーストとグラニュー糖を加えてなじませ、酢を加えて混ぜる。

ビーツを蒸し煮する
ビーツを蒸し煮する

(4)玉ねぎを炒める
別のフライパンにオリーブオイル大さじ1と1/2を熱して玉ねぎを入れ、きつね色になるまで炒める。オイル少々を足し、にんじんを加えてさっと炒める。

(5)牛肉と合わせ煮込む
1に4の玉ねぎとにんじんを加え、塩小さじ2を入れ、蓋を少しずらしてさらに弱火で40~50分煮込む。

牛肉と合わせ煮込む
牛肉と合わせ煮込む

(6)ビーツを加える
じゃがいもとキャベツを加えて混ぜ、3のビーツを入れ、スープ全体がビーツ色になるまで30分ほど煮込む。煮詰まって水分がかなり減った場合は水を適宜足す。

ビーツを加える
ビーツを加える

(7)ディルを加える
ディルを飾り用に少し残して加え、にんにくをすりおろして入れ、塩で味をととのえ、ひと煮立ちさせて火を止める。

ディルを加える
ディルを加える

(8)器に盛る
器に盛り、残しておいたディルと粗挽き黒胡椒をふり、スメタナを添える。

完成
完成

――教える人

「小堀紀代美 料理家」

レストランのマダムからカフェ「LIKE LIKE KITCHEN」の料理担当を経て、現在は料理教室「LIKE LIKE KITCHEN」主宰。確実においしくつくれるレシピにファンも多い。おいしいもの好きが高じて世界各国を食べ歩き、そんな経験から、スパイスやハーブ使いの達人でもある。


※この記事の内容は、「四季dancyu 秋のレシピ」に掲載したものです。

文:松原京子 撮影:邑口京一郎

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