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宝石の輝きとガストロノミー。ドーナツの新世界をモムジィで。

  • 2022.10.2
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左: モムジィのドーナツは食べるのが惜しい美しさ。右: 期間限定の味も。写真のリンゴとシナモンの「Mother of Apple Pie」(8ユーロ)は10月末まで。©️Lorenzo Païno Fernandez

フランスでは日本ほどドーナツは普及していない。ミスタードーナツもダンキンドーナツもないのは、街のパン屋さんで売っているクラシックなベニエというドーナツの兄弟分のような存在が幅をきかせているせいだろうか?とはいえ、最近はちらほらとドーナツがスナック販売店などで見かけられるようになった。もっとも味で勝負!という心意気が感じられるタイプのものではないが……。

そんなパリでフランス国内どころか世界中でもユニークなドーナツ専門店が8月31日にオープンした。パリ2区で和菓子屋と韓国レストランの間にオープンした「MOMZI(モムズィ)」。真っ黒の外観、そして鏡と黒い焼杉がストライプを描くような内装の店内はこの界隈では異色である。その中で、ジュエリーのように燦然と輝くドーナツが浮かぶ光景もこれまた驚きだ。

アジアンフードの店が立ち並ぶ一角で異彩を放つモムズィ。©️Lorenzo Païno Fernandez

共同創設者のトマ(左)とラーミン。©️Lorenzo Païno Fernandez

モムズィの共同創設者は星付きレストランでシェフ・パティシエを務めていたラーミン・サミイとモード学校を出てファッション業界で活躍を続けていたトマ・ベルゴ。ロックダウン時期にラーミンがクリック&コレクト用にグルメなドーナツを作ったところ好評だったことから、1ランクも2ランクも上のドーナツ専門のパティスリー店があったら?というアイデアが湧いたという。トマがアーティスティック・ディレクションを務め、それから約1年半、ヴァンドーム広場の一角にあっても似合いそうなブティックが完成した。

味もビジュアルもこの上なくクリエイティブなドーナツは店の裏手のラボで作られている。定番は旅をインスピレーション源にした5種だ。これに季節の味の2種のクリエイションが期間限定で加わる。10月末まではイチジクとアップル。モムジィのドーナツはイーストを使い、3回発酵させた生地がベースで、それをココナッツオイルで揚げているのでとても軽い。グラッサージュは手作業だ。その美しい装いや中のフィリングに用いられるのは、厳選された自然素材だけである。

左: 「Mother of Bourbon」(10ユーロ)はノワゼットとカシューナッツのとろりとしたクリームがたっぷりと詰まっている。パウダーはブルボン・バニラとカフェ。右: アヴィニョンの旅から生まれた味「Mother of Provence」(8ユーロ)。ラベンダーの花をのせ、グラッサージュにこめられたシャトー・エストゥブロンのオリーブオイルが不思議なおいしさを生み出す。photos:Mariko Omura

左: フレッシュなタイムの緑とマリーゴールドの花黄色の彩りに目を奪われる柚子のドーナツは、酸味と甘みのバランスが最高だ。右: 10月末までの限定ドーナツは2種。写真の「Mother of Fig」(9ユーロ)は南仏ソリエスのイチジクが中にもたっぷり。photos:Mariko Omura

ドーナツのおともにはオリジナルドリンクの「Eau Florale(オー・フローラル)」がおすすめ。ゼラニウム、ジャスミン、バラ、ヴェルヴェーヌの蒸留芳香水。丸い氷に閉じ込められた花がグラスの中に浮かぶ、フレッシュな飲み物だ。これも含め、新しいドーナツ体験をしてみよう。

左: 「オー・フローラル」8ユーロ右: 定番4種(ユズ、プロヴァンス、抹茶、黒ごま)のハーフサイズを箱詰めした 「Mother of all donuts」 (19ユーロ)。これを購入し、テラスでイートインしては?ふたりでシェアしてもいいだろう。photos:(左)©️Lorenzo Païno Fernandez、(右)Mathilde Hiley

MOMZI1, rue Cherubini75002 Paris営)12:30~19:30休)月、火@momzidonuts

 

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