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仕事復帰のため、娘はミルクが飲めないまま保育園へ。罪悪感でいっぱいに…

  • 2022.9.26
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この記事では、仕事復帰すべきか悩みながら、生後4カ月で保育園へ入所し、母乳育児のため、育児用ミルクが一切飲めない赤ちゃんを預けることに罪悪感を感じた体験談をご紹介します。

私の娘は生後4カ月のとき、保育園へ入所しました。仕事復帰することへの苦悩、娘への罪悪感、育児用ミルクが飲めない娘との葛藤……私の仕事復帰は、こうでした。

どうしよう…生後4カ月、保育園入所が決定

1月末に娘を出産。「ここは保育園の激戦区だから、早めに保育園の申し込みをしたほうがいいよ」という同地区在住の先輩ママからのアドバイスを受け、4月になんとなく保育園の入所希望を出したところ、なんと即月入所が決定してしまいました……! せめて半年以上は赤ちゃんとゆっくり過ごしたいと思っていたので、予想外。

「こんなに小さくてかわいくて、まだ首もすわっていない赤ちゃんを預けてまで働く意味って何だろう……」。何も知らず、私に笑いかける娘を見て、罪悪感と後ろめたさでいっぱいになりました。

待機児童が確定し、預けたくても預けられないママたちが世の中にはたくさんいることも知っています。入所できるのにも関わらず、入所させようか悩んでいること自体が、すごくぜいたくにも思えてきます。


しかし、ここで入所の決定を蹴ってしまうと、あと1年は仕事ができないことも正直不安でした。夫と何度も話し合い、生後4カ月で保育園へ入所することを決めました。

育児用ミルクも哺乳瓶も嫌! 泣く娘に「ごめんね…」

こんなに早く保育園へ預ける予定ではなかったので、完全母乳育児。そう、おっぱいしか飲めません。

「育児用ミルクを飲めるようにしてあげなくては!」と、慌てて哺乳瓶や育児用ミルクなどを買い揃えて飲ませようと試みましたが、時すでに遅し。顔を真っ赤にしてのけぞり、小さな体を目一杯使って「おっぱいがいいよー!」と大泣きしながら訴えてきます。

飲ませたくても飲ませられず、ガチガチに張っていくおっぱい。母乳パッドはすぐにびしょびしょ。育児用ミルクのメーカーや乳首の種類を変えても、断固として育児用ミルクを飲まない娘。くちびるをプルプル震わせて全力で拒否。

「おっぱい、飲みたいよね。ママのせいで泣かせてごめんね……」。申し訳ない気持ちでいっぱいになり、根負けしておっぱいをあげてしまいます。結局、1滴も育児用ミルクが飲めないまま保育園入園初日を迎えました。

育児用ミルクが飲めないまま仕事復帰することに

慣らし保育中、保育士さんがさまざまな方法で育児用ミルクを飲ませようと試してくれたようですが、飲めませんでした。


結局育児用ミルクを1滴も飲めないまま、仕事復帰初日。娘と初めて8時間も離れるうえに、今日も飲めなかったら……という不安もありましたが、「本当におなかが空けば、飲むはずですから安心してくださいね」という保育士さんの言葉に安堵し、会社へ出勤しました。

ガチガチに張ったおっぱいをトイレでしぼりながら、「ミルク、ちゃんと飲めたかな。この捨ててしまうおっぱいが飲みたくて、今ごろ泣いているかもしれないな……」と娘のことを思うと、胸がキューッと締め付けられました。

走ってお迎えに行き、保育園へ到着すると、なんと娘は1滴も育児用ミルクを飲まずに私を待っていました。「おなかが空いたでしょう……ごめんね、ごめんね……」パンパンに張ったおっぱいをゴグゴクと食らいつくように飲む娘を見て、涙が止まりませんでした。

家ではいろいろなメーカーの育児用ミルクや乳首の種類、形、サイズを変えて試すものの、乳首が口に触れるだけで大泣きです。保育士さんも毎日あきらめずに試してくれましたが、受け付けません。お迎えに行き、泣き疲れて眠る娘の顔を見て、申し訳なくて胸が苦しくくなり、涙をこらえながら家に帰る毎日でした。

育児用ミルクが飲めた! それはある日、突然に!

慣らし保育開始から2週間ほど経ったある日、お迎えに行くと「今日、ミルク飲めました! 一気に100ccも飲んだんです!」と保育士さんがうれしそうに教えてくれました。このとき以降、今までの格闘が嘘のように育児用ミルクをおいしそうに飲んでくれるようになったのです。

苦しかった育児用ミルクとの闘いが、ようやく幕を閉じました。その後、保育園では育児用ミルク、家では母乳を続け、離乳食開始とほぼ同時に卒乳し、ミルク育児に移行しました。

授乳期に保育園へ預ける可能性があるならば、哺乳瓶に慣らしておくために、母乳を哺乳瓶であげるなどしておけばよかった、と後悔しています。

あのとき、あきらめなくてよかった!

まだ首もすわらない赤ちゃんを保育園に預けてまで働くことへの葛藤、泣いて嫌がる娘に育児用ミルクを飲ませようとする罪悪感……私の仕事復帰には、思っていた以上に高い壁がいくつも待ち受けていました。

娘がかわいそうで、何度も仕事を辞めようと思いました。でも、私は「あのとき、仕事をあきらめなくてよかった……!」と思えるほど、ママになった今のほうが何倍も仕事を楽しめています。

イラストレーター/Michika


著者:大脇香織

WEBメディア編集者。ママ系雑誌、WEBに携わり約10年。チャイルドマインダー、食育アドバイザー、幼児食インストラクター取得。三姉妹の母。

ベビーカレンダー編集部

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