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声優目指して「演劇の短大」選んだわけ 夢の実現には回り道したっていい

  • 2022.9.15
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すずきももこさん(写真は全て本人提供)

【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】
テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招いて、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。
未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?

第5回のゲストは、フリーランス声優・ナレーターのすずきももこさん。テーマは「そんな『声優へのルート』あり!? 夢に回り道はない」だ。スペースアーカイブはこちらから。

一度は夢を諦めて

何かを読んだり、声に出して表現したりするのが好きで、小学5年生の頃に「声優」の仕事を意識し始めた、すずきさん。夢に向かって踏み出した先は、声優の養成所や専門学校ではなく、演劇の短大だった。活躍しているベテラン声優たちの背中を見て、こう考えたがゆえだ。

すずきさん「もともと舞台で芝居をしていた人が、声の仕事をやるようになったり、劇団をやっていたりするように、やっぱりベースは『お芝居の部分』だよなって」

声優になるため、すずきさんは短大で「俳優としての下地」を築こうとした。そこで、日本舞踊やジャズダンスなどの身体表現や、国内外の演劇史を学んだはず......なのだが、それらの記憶がかすむほど打ち込んだのは、「舞台監督」の仕事だった。

すずきさん「生徒会が表のことを回す人たちだとしたら、私の母校における舞台監督は裏を回す『裏生徒会』みたいな存在でした。裏のリーダーというか」

あくまで当時のすずきさんの体験談だが、舞台監督になった短大生たちの朝は早く、夜は遅かった。自身の勉学や稽古とは別に、公演の準備や会議に追われていたためだ。栄養ドリンクが欠かせない毎日で、生きるのに必死だった。

すずきさん「うまく両立させている人もたくさんいましたが、私は不器用で、上京して初めての一人暮らしだったこともあり、舞台監督と勉学の両立が難しく......今振り返ってみると私、演技の勉強したっけ?みたいな(笑)」
山下さん「なるほど......短大を卒業した後にそのまま声優になったんですか?」

そうです、と答えないすずきさん。家庭の事情で、一度は夢を諦めたそう。就職活動をして一度は内定を獲得したものの、紆余曲折あって入社はせず、地方の実家へ帰った。再び、行く道が「声優」につながったきっかけは、契約社員としてリポーターになったことだった。未経験で飛び込み、多くの人にインタビューをして回る日々だったという。

すずきさん「リポーター1年間やったら、自分が声を使って表現するとか、そういう原点にちょっと立ち返って、またその声優の夢チャレンジしてみようかなと思いまして」

結果、第9回声優アワード新人発掘オーディションを受け、合格。声優事務所所属が決まった。

物作りにおいて、経験は何よりも糧になる

スペースを振り返り、すずきさんは「人より少しだけ回り道をしたことを後悔したこともありましたが、何ひとつとして無駄ではなく創作の糧になっていたと気付きました」と話した。波乱万丈な道のりを歩み、その過程でさまざまな人と関わってきたからこそ、声優としての演技の幅が広がったのだ。

モスバーガーのウェブCM、トムブラウン「超合体漫才」編などの制作を通じ、すずきさんと仕事をした山下さんは、「オールマイティで幅広い演技が出来る一方、現場での立ち振る舞いや明るい雰囲気を作ることにも長けており、『どこでこんな器用な術を覚えたのだろう......』と思っていた」そう。理由の一端を垣間見て納得すると共に、「誰も通らない道をかき分けて、がむしゃらに頑張った結果、その経験が多方面に活かされているのだと確信した」。

「ひとつの道を極めることも重要だけど、何でも挑戦してみて学んでみることで新しい発想を得ることができる......知らない世界に飛び込んでみるのは怖いことだけど、それが5年後、10年後に本業に生きてくるかもしれないのだから、色々試してみるべきですね」(山下さん)

第6回作リエは、2022年9月21日実施予定。

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