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一生もののセンスは子どものうちから。親子で身につけたい「装いのスキル」

  • 2022.9.14
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「装いに対する自信は、その人の自己像やふるまい方、人付き合いにも影響を及ぼします」――。知育や食育など「〇育」にもいろいろあるが、「服育」をご存知だろうか。

本書『子どもが自分で"合う"服を選べるようになる 服育のすすめ』(WAVE出版)は、センスのある大人になるためのファーストステップを教える1冊。

著者は、国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子(あさか ようこ)さん。自分の理想に合うもの、自分に似合うもの、その場に合うものがわかる「今すぐ試せる知識&実践105」を紹介している。

「必要なのは、流行や他者の意見に流されずに、目的に合う最適な服を選べることであり、そのためのスキルを子どもが得られるように家庭で行う教育。それが『服育』なのです」

日本人の平均寿命からすると、一生で服を着るのは3万回以上。服は「人生の一部」とも言えるが、服について学ぶ機会はほぼない。大人になっても装いに自信がなく、まわりからどう見られているのかを気にしてばかりいると、出会いや仕事のチャンスを逃してしまうことも。

本書は「服育とは」「服の機能」「センスの磨き方」「服の管理」「服を買う」「服を通して視野を広げる」の構成。「服育」は子どものうちに(4~6歳頃、小中高生からでも)始めるのがいいそうだが、「思い出せる分量の服だけを持つ」「良質に見える服選び」など、大人も知っておきたい「装いのスキル」が満載だ。

服を買うときのNG行動

具体的に見ていこう。まずは「服を買うときのNG行動」。子どもの感性は日々磨かれていく。そのため、親の装いのセンスが子どもにそのまま受け継がれることはないが、親の購買行動が子どもに与える影響は見過ごせないという。

■服を買うときのNG行動
・セールには必ず出向く、いつもより安く売られているものは衝動買いする
・新作が出るたびに購入する
・外国語などがプリントされている服の意味を理解せずに着ている

ファッションに特段こだわりがなければ、どれもあるあるではないだろうか。そしてどうでもいい服が溜まっていく一方、毎日の着る服に困るという矛盾......。実際、安積さんがクライアントのクローゼットを見ても、親も子どもも全体の3割程度しか活用できていないそうだ。

ちなみに環境省の「日本で消費される衣服と環境負荷に関する調査」(2020年12月~2021年3月実施)によると、1人あたり年間平均で18枚を購入し、12枚を手放し、25枚を1回も着ていないという。ここで1度、服の買い方を振り返ってみよう。

自分をデザインする

続いて「コンプレックスを長所に変えるスタイリング術」。顔つきや体型にいっそう個性が出てくる思春期。子どもが外見で悩んでいるとき、親から伝えてほしいことがあるという。

それは「体型はすぐに変えられなくても、自分の顔や体を最大限によく見せてくれる服の素材やバランスを見つけることで、自分を自由にデザインしていける」ということ。そのためには、洋服を選ぶときに「ABC」を意識する。

■ABCの法則
A アクセンチュエイト(体のどの部分が好きで強調したいか)
B バランス(体のどの部分にバランスを取ると体型が良く見えるか)
C カモフラージュ(体のどの部分を目立たせたくないのか)

「身長は高い・低い・普通」「顔は丸型・三角型・四角」など、自分の体の長所・短所を把握したうえで、自信の持てないところは上手に隠し、代わりに長所を強調する。すると、コンプレックスだったことが個性に思えてくるという。

「服育によって、子どもは自分を客観的に捉え、なおかつ自信に満ちた大人へと成長することができ、将来の選択肢も広げていきます」

親は子どもに良さそうなことをあれこれしたくなるもの。ただ、「服育」は盲点かもしれない。なにか特別なことをするわけではなく、ふだんから親子でできることがたくさんある。毎日の洋服選びに「服育」を取り入れてみよう。

■安積陽子さんプロフィール

アメリカ合衆国シカゴ生まれ。ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業後、Image Resource Center of New York社で、エグゼクティブや文化人らを対象にニューヨーク最新のインプレッション・マネジメント(印象管理)のトレーニングを提供。2016 年、一般社団法人国際ボディランゲージ協会を設立。服育サイト『BEYOND CLOTHING』主宰。政治家やキャスター、ビジネスパーソンに対して、ニューヨーク最新の印象管理術を学べる場を提供している。また、企業や教育機関、医療機関にて非言語コミュニケーション研修やイメージ戦略に関するコンサルティングを行うほか、Forbes等でセルフブランディングや印象管理をテーマとしたコラムの執筆も行っている。著書に『NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草』(講談社+α新書)、『CLASS ACT(クラス・アクト) 世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』(PHP研究所)がある。

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