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【深発見61】大都市・大邱(テグ)、実は孔子に配慮した地名だった!!

  • 2022.9.13
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海印(ヘイン)寺や大伽耶(デカヤ)の遺跡巡りの拠点となるのが、南東部の中心都市・大邱(テグ)である。

大邱地方と聞いて多くの韓国人が思い浮かべるのが、盆地特有の暑さと、保守的であることだ。

朴槿恵(パク・クネ)元大統領の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)をはじめ、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)という、1960年代から80年代にかけて続いた軍事政権の最高権力者の出身地盤であることに加え、高名な儒学者を多く輩出した安東(アンドン)に近く、儒教の影響をより強く受けていることから、そのイメージは定着している。

儒教に対する意識の強さは、大邱という地名にも表れている。

古代の大邱は、達句伐(タルグボル)などと呼ばれた部族国家であった。新羅に吸収された後の統一新羅時代は、「タルグボル」が縮まり「テグ」になり、大丘と表記された。

しかし丘は孔子の名前である。儒教を国の中心教義とした朝鮮王朝の後期、丘では恐れ多いと、阝を付けて「大邱」としている。

大邱の中心部から西に行った所にある達城(タルソン)公園は、達句伐の土城の跡にあり、周囲には、石塁の痕跡が残っている。

達城公園から中心部に向かうと、慶尚(キョンサン)監営公園がある。

1601年、慶尚道の行政の中心地は、安東から大邱に移された。慶尚監営公園は、その行政府があった所だ。近年建物の復元が進み、1997年からは慶尚監営公園として、史跡であると同時に市民の憩いの場になっている。

慶尚(キョンサン)監営公園(写真=大島裕史)

慶尚監営公園の南には、韓国最大級の生薬市場である薬令市(ヤンニョンシ)がある。

朝鮮王朝時代以来、約400年の歴史を持つ薬令市であるが、大邱に大きな生薬市場が形成された理由として、生薬の材料が豊富な慶尚道の山々を背後に控えていることが大きかった。
そのうえ、近くを流れる洛東江(ナットンガン)の水路を利用すれば、釜山(プサン)、さらには、日本へと生薬を容易に運ぶことができる。高麗人参は江戸時代、不老長寿の薬として珍重され、朝鮮から日本への最大の輸出品の一つだった。

ただ大邱観光の目玉である薬令市であるが、韓方薬局が並ぶだけで、一般の人には分かりにくかった。それが近年、展示館や入り口の門が整備され、だいぶ観光地らしくなった。

文=大島 裕史

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