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命と向きあう親子の体験談『10歳の娘がハムスターのお母さんになった話』

  • 2022.9.12

皆さんはハムスターを飼ったことがありますか?小さくて、一生懸命動き回る姿はとてもかわいらしいですよね。しかし、ハムスターは短命です。2、3年という短い時間でのお別れは、とてもつらいですよね。このお話はある障害と戦う女の子がハムスターのお世話をする漫画です。ハムスターのお世話をして主人公の女の子はどのように変わっていくのか。その懸命に戦う姿が描かれています。『10歳の娘がハムスターのお母さんになった話』を紹介します。

強迫性障害になった女の子。その子の願いとは…?

この漫画の主人公は、みおちゃん。10歳の女の子とそのママです。小学3年生の終わり頃、死ぬことに対して強い恐怖や不安をいだくようになります。

みおちゃんは強迫性障害と診断されます。そして、学校へ行くこともできなくなるように。不登校となったみおちゃんの癒やしは、ハムスターの動画を見ること。ある日、みおちゃんはママにハムスターを飼いたいとお願いをします。

正解が分からないと悩む姿に共感

強迫性障害という病を皆さんはご存じでしたでしょうか。筆者はこの漫画で初めて知りました。幼いみおちゃんの心に一体何があったのか…。死ぬことを恐怖に感じおびえるなんて、とてもつらくおそろしい思いをしたでしょう。想像することしかできないけれど、当事者はその何倍もつらい経験をしたはずです。

何度も手を洗うなど、必要以上に潔癖になる症状もあるようで、洗いすぎて手が荒れてしまってもやめることができない人もいるのだとか。心の病は治療もスムーズにいかないこともあるようなので、治したくても治せないと苦しむ人もいるでしょう…。

この漫画では、みおちゃんのママがサポート方法が分からず悩む場面もあります。どのように声をかけてあげたらよいのか、接してあげたらいいのか、誰もが迷うことだと思います。正解が分からずみおちゃんにとっての最善を選ぶママの姿には思わず目が熱くなりました。

もしかしたら、自分の育て方のせいで強迫性障害に苦しむようになってしまったと悩んだこともあるかもしれません。自分が変わってあげたいと思うこともたくさんあるでしょう。子どもの苦しむ姿は一番つらいですよね。

もし、わが子に突然障害が発症したらどうしたらよいのだろう、とも思いました。正解は分からないけれど、わが子のやってみたいという気持ちは応援したいと思いますよね。みおちゃんのママもそんな思いでハムスターを飼う覚悟をしたのでしょう。

子どもを信じる大切さを教えてもらいました

強迫性障害と戦いながら、一生懸命ハムスターのお世話をするみおちゃんの様子がとてもけな気に描かれています。トイレの交換など、手が汚れるようなお世話もたくさんあるハムスターのお世話。何度も手を洗いながら、時間がかかってもお世話をこなす姿はとても立派です。読み進めるとみおちゃんの成長がよく伝わりこちらまでうれしくなります。

こうしてあっという間に過ぎたハムスターとの生活。お別れのときもしっかりと描かれています。

死ぬことをおそろしく感じ、潔癖の症状が出ることもある強迫性障害。そんな障害を持つ10歳の女の子にとってかわいがったハムスターの死は、どのくらいの影響を及ぼすのか。筆者はそんな不安もありつつ読んでいました。しかしその心配をよそに、みおちゃんはハムスターの死もしっかりと受け入れていました。病気に立ち向かい続ける勇気をしっかりと身に着けていたのです。

また、ママが見守るスタンスをしっかり保ち、みおちゃんの気持ちを尊重しているところもすてきだなと感じます。どんなときも、子どもの味方でいたいと思えました。何が正解か分からない、これは障害の有無は関係なく子育て全般を通して言えることですよね。たとえ心配する気持ちが大きくても、子どもをやりたい気持ちを信じて尊重してあげることはとても大切なのだと教えてもらいました。

原案:そぴと

著者:ゆずプー

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