「チアリーディング」と「チアダンス」その違いはなに？競技の特徴を解説

チアリーディングやチアダンスというと、"アメリカでの野球やアメフトの応援"というイメージが強いかもしれません。日本でも近年、チアリーディングやチアダンスの競技人口は増えてきており、女の子の人気スポーツの1つと言えるでしょう。

そんなチアリーディングとチアダンスですが、実は別の競技であり、それぞれの特徴があります。

ここでは、チアリーディングとチアダンスの違いについて見ていきましょう。

「チア（Cheer）」とは、"応援して元気づける"という意味の英単語で、このチアが入っているチアリーディングもチアダンスも元気な掛け声と笑顔のダンスが魅力的です。歴史的に先に始まったのは、チアリーディングになります。

チアリーディング発祥の国はアメリカで、アメリカンフットボールチームを応援する応援団のパフォーマンスから始まったといわれています。最初のパフォーマンスは1869年に、プリンストン大学とラットジャース大学の対抗試合で行われました。

1880年代にプリンストン大学は、周囲を元気づける男性だけのチアリーディングクラブを結成。実は、1920年代まではチアリーディングは男性のスポーツだったのです。女性のチアリーダーが許可されるようになったのは1923年以降のことでした。

そこから徐々に女性のチアリーダーが増え、1960年代にはアメリカのほとんどの小中学校で、チアリーディングが行われるまでに普及しました。

チアリーディングもチアダンスも、元気な掛け声と、笑顔そしてきびきびした動きをしていますよね。見ているだけで元気をもらえますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか？

チアダンスは、チアリーディングのダンス要素だけを独立させた競技のこと。つまり、チアダンスはチアリーディングからの派生なのです。

実際にチアリーディングとチアダンスは何が違うのでしょうか？主な違いについて見ていきましょう。

チアリーディングでは、バク転や組体操のようなアクロバティックな動きがたくさんあります。一方、チアダンスはアクロバティックな動きが禁止されており、チアリーディングのようにスタンツを組んでピラミッドのような形になることはなく、派手な要素が演技に入ることはありません。

チアダンスは2分30秒の競技中、全部が音楽付きでポム、ヒップホップ、ジャズの要素を組み入れた振り付けで踊ります。

一方、チアリーディングは必ず無音の時間が必要です。無音の時間には「チア・サイドライン」というチアリーダーが自ら発生してリズムを取りながらアームモーションといった基本的な動きを行います。

また、音楽付きの部分に関しても、チアリーディング特有の特殊なジャンプや組体操技術を組み合わせなければなりません。

チアリーダーとは、スポーツにおける応援を先導するチームのことです。ポンポンを両手にかざして、軽快な音楽に合わせてダンスやパフォーマンスを繰り広げる姿を見ると、元気が湧いてきますね。

チアリーダーが行うスポーツ競技のことを「チアリーディーング」や「チアダンス」と言うので、チアダンスを行うチームも「チアリーダー」に分類されます。チアリーダーはチームのリーダーという1人のことではなく、チーム全体のことを言います。

日本では、チアリーダーのことを「チアガール」と呼ぶことがあります。実はこの「チアガール」は和製英語で、英語圏で用いられることはありません。

アメリカでは「チアリーディング」「チアダンス」は、花形スポーツです。アメリカのほとんどの小中学校にチアリーダーがあり、そこに所属する女子は大衆文化において「人気者な女子学生」の典型として描かれています。

花形スポーツであるチアリーダーは非常に人気があり、競争も激しいため、チアリーダーになるための英才教育を受ける女児もいるんですよ。

アメリカ文化に根付いたものなので、アメリカの歴代大統領の中にもチアリーダー出身者がいます。アイゼンハウアー、フランクリン・ルーズベルト、ロナルド・レーガン、ジョージ・W・ブッシュなど有名な歴代大統領が大学時代にチアリーダーでした。

アメリカでは花形スポーツとして人気がある「チアリーディング」と「チアダンス」。

この2つは別々の競技で、チアリーディングはアクロバティックな動きが含まれるダンスです。一方のチアダンスはダンスに特化しており、細かい採点基準があります。

また、チアリーダーはチアリーディングやチアダンスをするチームのことを言い、アメリカではどの小中学校にもチアリーダーがあるほどポピュラーな存在です。「チアリーディング」と「チアダンス」をするチームを率いるリーダーのことではないというのが興味深いですね。

アメリカでは100年以上の歴史もあることもあって、文化に根付いた存在となっています。その証に、チアリーダー出身の大統領が何人もいるほどです。