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厚生年金基金が廃止...掛けてきた年金はどうなる?

  • 2022.8.29
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会社員のための上乗せ年金の1つとして注目を集めてきた厚生年金基金ですが、今では新規に設立することができず、今ある基金も解散するか確定給付企業年金へ移行することが促されています。今回は現在厚生年金基金に加入している人や、昔加入していた人の年金がどうなるのかを紹介します。

■厚生年金基金は今後無くなる?

厚生年金基金が他の企業年金と異なる点は、2階部分の「厚生年金」の給付を一部代行し、プラス会社が独自に上乗せ給付を行っている点です。

しかし、社会情勢の低迷などで、上乗せ給付ができないどころか、代行部分の積立不足まで生じるようになりました。代行部分はそもそも会社員であれば加入しなければならない公的年金なので、会社がこの部分を払えないと公的年金に不平等が生じてしまいます。

このような問題を受け、厚生年金基金の存続の基準が厳しく見直された結果、2014年4月以降は新規に厚生年金基金を設立することができなくなりました。また、今ある基金も解散するか確定給付企業年金への移行が促されています。

では、これまで厚生年金基金に掛けてきたお金はどうなるのでしょうか。前述の通り、今後の基金は解散するか別の企業年金(確定給付企業年金)に移行することになります。

まず、どちらのケースにおいても、これまで拠出してきた額のうち、厚生年金に必要なお金は国に納められます。これにより、将来他の会社員と同じように厚生年金を受け取ることができます。

厚生年金の部分を国に納めた後、まだ基金にお金が残っていれば、その分は将来のプラスアルファの支給に回されます。会社が確定給付企業年金に移行すれば、その企業年金の積立金に回されますし、基金が解散した場合は「企業年金連合会」という機関から支給されることになります。

■自分の会社の制度を調べるには?

企業年金や退職金のルールは企業ごとに異なります。次のような方法で確認するといいでしょう。

●人事部や総務部に直接聞く

企業年金や退職金の業務を行っている部署があればそちらに聞くと確実でしょう。企業年金制度や退職金制度の有無はもちろん、どのような評価で金額が決定されるか確認しましょう。

●イントラネットなどで情報を探す

企業によってはイントラネット(社内ネットワーク)で退職金や企業年金の情報を公開しています。

イントラネットなら簡単にアクセスできるでしょうから気軽に確認することができます。

●定期的に配信される企業年金情報をチェックする

企業年金は社外の組織ですが、一部の企業年金は「年金だより」などの定期便を発行しています。

年金の情報が記載されている可能性がありますので、お手元にある場合はそちらで確認することもできるでしょう。

■老後資金に不安を抱えているなら早めの準備を

年金だけで高齢期の生活を続けていくのは現状でも難しく今後さらに厳しくなることが予想されます。今後老後を向かえる方は、できるだけ早めの対策が必要です。

●支出を減らす

今すぐできることは、家計の節約です。特に固定費の削減は即効性が高いため、まず固定費から見直しできる支出がないか確認してみましょう。

●収入を増やす

長期的には、キャリアプランの検討も大切です。「今の勤務先で何歳まで働けるか」「定年後に転職する場合はどのような手段があるか」などさまざまなパターンを考えてみてください。

また働ける期間が以前よりも長くなってきているため、高齢期でも資産運用による資産形成がしやすくなってきています。つみたてNISAや確定拠出年金(個人型、企業型)などの非課税投資をうまく活用してみるのもいいでしょう。

■年金制度は改正が多いので注意

年金制度はこれまでも幾度となく改正を繰り返してきています。いざ自分が年金をもらう頃になって、「思っていた金額と全然違う!」とならないためにも、自分が加入している年金のことや年金制度の改正のニュースなど、最新の情報を常にキャッチできるようにアンテナを張っておきたいものですね。

文・fuelle編集部

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