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【久保史緒里さんにインタビュー】挑戦となる花魁役に「大きく成長できる」と確信

  • 2022.8.29
出典:シティリビングWeb

2022年9月5日(月)に開幕する舞台「桜文(さくらふみ)」。主人公の当代随一と謳われる花魁・桜雅(おうが)を演じるのは、乃木坂46の久保史緒里さん。

悲しい初恋の思い出を胸に閉じ込め、まったく笑顔を見せない桜雅と、堅物で生真面目な青年との出会いをきっかけに、運命の歯車が動き出す。

「話が進むにつれて『苦しいな』と思う部分が波のように何度も来る作品だったので、今まで経験させていただいた作品とはまた違った役どころだと思います。桜雅は笑わない花魁なので最初は冷酷な女性を想像していたけれど、いち人間として生きる日常があり、その中でもつい微笑んでしまいそうな瞬間もあり、笑わなくなったことにも事情があり…桜雅への理解が稽古を通して深まっています」

稽古の中で、「悲恋の物語ではあるけれど、悲しみばかりに引っ張られないでほしい」とアドバイスされたそう。吉原の世界観や花魁の言葉、所作を捉えるために入念な準備も。

「セリフ回しやイントネーション、花魁言葉が難しく、今まで以上に台本を覚えるのに苦戦しています。立ち稽古を和装で行うのですが、どうしてもかっちりした動きになってしまって。花魁にも日常があるので、和装でも足を崩したりとか、キレイにしすぎない所作も難しいです。稽古以外でも資料や映画を見て勉強しています。資料には花魁の年齢は21歳頃が多いとあって、まさに今の自分と同じ年齢。この年齢で、苦しみやさまざまな思いを抱えていたと考えると、演じる上でも身が引き締まります」

観劇前にお客さんにやってほしいこともあるとか。

「吉原の地図みたいな、全体像を見たときに一気に自分の中で想像が膨らみました。作品を見に来てくださる方も、吉原の全体像をつかんだ上で見てくださると、より世界観が広がるんじゃないかなと思います」

物語の始まりとなる豪華絢爛な花魁道中にかける思いも。「劇中でのその場にいる人の反応と同じ反応をお客さまもしてくださるのが一番理想だと思います。和装もかつらも重たくて、高下駄を履いて歩くのは正直まだ想像できないくらいですが、しっかり高貴な女性として見せていきたいです」

初めての花魁役に、乃木坂46のメンバーからも反応があったそう。

「花魁のビジュアルが解禁されたときに、先輩の樋口日奈さんに『きれいだね』と言ってもらいました。あらすじを伝えると、みんなから『史緒里っぽいね』と言われています。自分の中で花魁役は挑戦ではありますが、感情の起伏が激しい役で、演じ切ったときに大きく成長できていると確信しています」

グループでも大活躍、個人としても舞台や映画への出演が相次ぐ。

「外の世界でひとりで活動する機会がなかった頃の悔しさを覚えているので、忙しいな、大変だなと思うときでも、当時の自分には想像もできないありがたい環境に身を置かせていただいているのは嬉しいことだと思って頑張っています!」

久保史緒里さんの“働く”インフラ

Q.グループ活動と1人での活動、それぞれ心掛けていることは?

1人で外に出るときは緊張するし不安な気持ちばかりになるけれど、監督やスタッフの方から言われたことを真摯に受け止めて成長につなげていきたいです。グループになると、メンバーが横にいる安心感があります。グループが続いていくために自分はどういう立ち位置でいるべきかを考えながら、後輩にどうふるまえばいいのか。人間関係を学べる場だと思います。

Q.グループとしても激動の今、大切にしていることは?

先輩方の卒業が相次いで、後輩の方が多い今、後輩がより乃木坂を好きになってくれる環境を作っていきたいと思います。こうやって1人で舞台に立つ姿を見てもらうことで、誰か1人でもやってみたいなと思ってくれる子がいたら嬉しいし、そう思ってくれたときのために道を開拓できる人でありたいです。

【作品情報】

パルコ・プロデュース2022「桜文」

出典:シティリビングWeb

9月5日(月)から東京・PARCO劇場で上演。大阪・愛知・長野公演あり

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明治後期の吉原を舞台に、笑わない花魁・桜雅(おうが)と、生真面目な若き小説家との情感あふれる悲恋の物語。桜雅の笑顔をなんとか引き出そうと用意された豪華絢爛な花魁道中。まったく笑わない桜雅を前に、若き小説家の霧野は思わず「笑ってください」と叫んでしまう。桜雅は、心の奥深くに閉じ込めていた初恋を思い出し、「なぜ…」と発しながらゆっくりと倒れていく。2人の出会いによって運命の歯車が動き出す。

【PROFILE】

2001年、宮城県出身。2016年に乃木坂46の3期生として活動を開始。グループ活動の傍ら、女優としても活動の幅を広げる。近年の出演作に舞台「夜は短し歩けよ乙女」、ドラマ「クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術」など。映画「左様なら今晩は」「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」が公開待機

取材・文/高木明日美(シティリビング編集部)

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