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【EXITりんたろー。】ただ今、美容本執筆中。「書いているのは、生き様です」【連載89回】

  • 2022.8.24

書くのが楽しくて止まらない!

編集部「読者のみなさんは、りんたろー。さんが、具体的にどんな内容の本を執筆されているのか気になっていると思うんです。今回はそのお話を。実際に、執筆を始めてみて難しさを感じる部分はありますか?」

りんたろー。さん(以下、敬称略)「何を書くべきか……ですね。そこは、本当に初めは掴めなかったから、難しかったです。そもそも書きたいことが自分の中にあるんだろうか、って悶々と考えちゃって」

編集部「そういうところもりんたろー。さんらしいな、とは思ってました。『皆は、僕の何が読みたいの?』って、何回も聞かれて。グッとこらえて『りんたろー。さんは何が書きたいですか?』と聞き返して」

りんたろー。「ついには、『りんたろー。さんの中にないんだったら、書かなくてもいいです』って言われて。なんだよ、書かせたいのか、書かせたくないのか、どっちなんだよって(笑)」

編集部「何回もラリーしているうちに、『ひとりでも多くの方が自分自身のことを考えるキッカケになってくれるようなことを書きたい』ということに行きついて」

りんたろー。「そうそう。そこからは編集部に『たとえば、りんたろー。のアレが読みたいです』のアレをたくさん聞かせてもらって。それを浴びせられているうちに、僕が書きたいこと、書くべきことの輪郭が見えてきて、『あ、そういうことか!』とやっと自分の中で腹落ちして。

『それだったらこれも書きたい』『あれも書きたい』ってアイディアが湧き出てきた感じです。道標を提示してもらえたことで、書きたいことが自分の中で明確になって。そこからは、本当に書くのがすごく楽しくなりました」

編集部「いくら楽しいとはいえ、りんたろー。さんの書くスピードの速さには驚きました! 『こんな内容はどうですか?』と提案すると、『どう?』って、すぐに原稿を書いて送ってくださるものだから、私の方が急かされる感じで。

『あれ、今、ネタ書いてる時期じゃないんだっけ?』というタイミングでもどんどん原稿が送られてきて、正直、こちらはずっと焦りっぱなしです。追い立てる必要がなく、ずっと追い立てられてしまって。こんな著者、初めてです(笑)」

りんたろー。「ネタを書く時に使う脳の部分とはまったく違うので、ネタにつまってちょっと息抜きしたい時とかにも書き進めてましたね」

僕にしか書けない美容本を

りんたろー。「当初は、VOCEから出すなら美容についてのことだけ書けばいいのかなって考えていたんですよ。でも、やりとりしているうちに、『EXITとしてのターニングポイントについて』とか『どういう芸人になりたいんですか』とか、芸人としての自分のことももっと書いてみてほしい、と提案してもらって。『えっ、そんなことまで、書いていいんだ!』ってビックリして。

勝手に自分で思い描いていた美容本という枷をはずしたら、伝えたいことがたくさん湧き上がってきて、『これはどう? あれはどう?』って、どんどん前のめりになって、スピードが上がっていってるのは自分でもわかります」

編集部「りんたろー。さんが正しい美容のテクニックの話ばかりしていても全然面白くないじゃないですか。っていうか、それならば、その道のプロの方の著書を読んでいただいた方がいいはずなので」

りんたろー。「そうはっきり言ってもらった時、『そりゃそうだ』と思って。一冊書き上がってみたら、やっぱり美容本というカテゴリーに入ってしまう本になるのかもしれない。けど、いろいろな読み方ができる本にしたいなぁ、と思いながら書いています」

編集部「まだ途中ですけれど、書店のどこの売り場に並べていただけるんだろう、とは思ってます。編集作業しながら、今のところ、本当に未知数だなって。営業部署には『わかりづらい本を作るなっ』って怒られるかもしれません(苦笑)」

りんたろー。「えー、そこは、頑張ってね!」

編集部 「はい、それは踏ん張ります」

りんたろー。「とにかく、僕には『りんたろー。にしか書けない本になればいいんです』ってめっちゃ言ってくるよね」

編集部 「私、『VOCE』というメディアに携わるうえで、美容を伝える人の種類を増やしたいとずっと思っていたんですね」

りんたろー。「種類? 数ではなく?」

編集部「はい。SNSが発達して、美容に関する情報を発信するエキスパートの方は一気に増えたと思うんです。でも、圧倒的に足りていないのは、美容の知識がない人、興味がない人に対し、その方たちと同じくらいの目線で楽しさや魅力、ときには難しさや面倒くささを伝えられる人なんだよな、と思っていて」

りんたろー。「たしかに、そういう人って、いないかも」

編集部「美容って、正しく顔を洗うとか、きちんと呼吸をするとか、とても身近で、誰でもすぐに始められることばかりなんです。でも、なぜか、そう思われていないところがある。

情報が増えて、どんどん細分化して高度化しすぎて、それを楽しめる人がいる一方で、その情報を目の当たりにして『美容、まじで面倒くさい』『自分とは関係ない』『お金がないから、あるいは、時間がないから無理』と遠ざけたくなる人がそれ以上に多いのが実情だと思っていて」

りんたろー。「それも、よく言っているよね」

りんたろー。が美容の語り部に

編集部「私、もともとは『面倒くさい』と思う側の人間なんで、その方たちの気持ちがよくわかっちゃうんですよ。一方で、美容の編集者を長年続けていることで、美容ってキレイになるという目的だけじゃなく、健やかに生きるための知恵みたいなものがたくさん詰まっているのも十分わかっているので、『こんな小さなことを始めるだけでいいんですよ』ということがもっと伝わればいいなと思ってるんです」

りんたろー。「最初に連載の打ち合わせをした時にも話してくれましたよね、届けたい人に届かないって」

編集部「はい。情報があふれて、どんどん見えづらくなっているけれど、美容が本来もっている良さをりんたろー。さんはポップに伝えられる力がある。このポップさがとても重要で。美容好きな方、挑戦したいと思っている人はもちろん、美容におじけづいている人、諦めている人、自分とは関係ないと思っている人に、その良さを軽やかに伝える伝道師になってほしい、ってお伝えした記憶があります」

りんたろー。「そう言われ続けて、美容を語る自分の役割が自覚できるようになっていけたと思っています」

編集部「EXITという時代の寵児と一緒にそれができるのはすごい体験だな、と個人的にとてもワクワクしたのを覚えています。とにかく、言いたいのは、りんたろー。さんには、『美容の語り部になってほしい』と思っているということです」

りんたろー。「ははは、美容の語り部(笑)。昔から『カッコよくなりたい』と思ってきたけど、それを表立って言うのが恥ずかしかったし、イケメンでも専門的な知識があるわけでもない人間が美容について語っていいのかどうか、全然わからなかった。

でも、そう言い続けてもらえて、VOCEの連載でいろいろな美容を体験させていただく中で、自分のコンプレックスとのつき合い方が変わってきたという実感があるんです。僕のマインドがどんどん変化して、見た目以上に、仕事を含めた生活、というか人生への向き合い方が変わりました」

編集部「りんたろー。さんの見た目はもちろん、マインドもどんどん変わっていくのを目の当たりにしてきました」

りんたろー。「美容に出合ってからの思考の変化も多くの人に知ってもらいたいと考え、この連載が始まってから2年間の記事をこまめに読み返し、自分の考えてきたことを細かく思い出す作業もしています」

人間として豊かになった

りんたろー。「僕の正直な気持ちを赤裸々に書いている部分はかなりエモいんじゃないかな(笑)」

編集部「そこを照れずに書けるところも、りんたろー。さんらしいな、と。茶化されることに負けない強さがあるのも私は魅力だと思っています」

りんたろー。「芸人としては、それが“おいしい”に転じることもあるしね」

編集部「はい、芸人さんってカッコつけることが“おもしろ”に転じちゃうところがありますから。りんたろー。さんが美容を語る姿に触れた時、自身が本心から言っているのか、芸人としてのスタンスなのか、ちょっとわかりづらい面はありますね。撹乱されている方、多いかもしれません」

りんたろー。「そういう方は、この本で答え合わせをしていただければ(笑)」

編集部「たしかに今までいただいた原稿を読んでいるかぎり、それがわかる内容になりそうな気はしています」

りんたろー。「とにかく、自信をなくして一歩を踏み出せない方たちの背中を押してあげたいという気持ちで書いているけれど、『絶対、美容をやった方がいいよ』って押しつける内容にはしたくない。それもとても意識して書いています」

編集部「結論や正解をわかりやすく、できるかぎり簡潔に書くのが、美容本というか実用書のセオリーなんですけど、りんたろー。さんは、そこを完全に無視して書かれてますからね」

りんたろー。「美容は大好きだけど、僕自身は、美容ってやってもいいし、やらなくてもいいし。極端な話、どっちでもいいとも思うんですよ。ただ、『美容に向き合う』ことで、『人間として豊かになった』とは思ってるんです。豊かにしてくれたのが、僕の場合はたまたま美容だった。それを言葉を重ねてていねいに伝えられたらいいなと思いながら頑張って書いてます」

編集部「人間として豊か。いい言葉ですね」

りんたろー。「美容と向き合ったことで、キレイになったという見た目の変化だけじゃなく、コミュニケーションの幅が広がった、自分を信用できるようになった……いろいろないいことがありました。だから、簡潔に言うなら、『人間として豊かになった』という言葉が一番しっくりくる感じです」

編集部 「りんたろー。さんは『大きなことを大げさに変えるより、自分がすぐにできる身近なことを少しずつ変えていけばいいですよ』というようなテンションで、終始書き進めてくれています。文章から優しい人柄がにじみ出てると思います」

りんたろー。「本当? でも、最初の原稿を送ったときの返事が号泣してるスタンプだったから、笑っちゃった」

編集部 「もう、なんというか、この人と走ってきて良かったと思えた瞬間ですよ、編集者としては。私だけが興奮している可能性もあるので、スタッフ数人に読んでもらったら、そこでも号泣スタンプが飛び交いました」

りんたろー。「全米が号泣!? ハリウッド映画的な?」

編集部「(笑)。あと、多かったのが、『りんたろー。さんって、こんな人だったんですね』『ただのチャラ男じゃなかったんですね』という驚きの声でしたね。『りんたろー。さんの人柄って、まだまだ知られてないんだなぁ』と思ったので、個人的にはそこもきちんと伝わる一冊になればいいな、と思っています」

今の自分、結構いいじゃん!

りんたろー。「文章の中には、普段のテレビには映っていないもうひとりの僕がいると思います。

昔は誰かと比べて、自分なんてダメだなと落ち込んでばかりいました。でも美容を通して、誰かと比べるのではなく自分の持っているものに正面から向き合うことができるようになったし、『今の自分って結構いいじゃん』って、ありのままの自分自身を受け止められるようになりました。

僕が美容によって背中を押されたり、『今のままの自分でいい』と認めてあげられるようになったりしたように、読んだ方にとってもそんなきっかけになってもらえたらいいなと思います」

編集部「美容を好きな人も好きじゃない人も。そして、お笑いを好きな人もそうじゃない人も、どんな方にも共感できる内容になる予定ですよね?」

りんたろー。「美容、美容って連呼しているけれど、美容本のふりをした、芸人・りんたろー。の生き様本です。How toも書いてるけど、笑いあり、涙あり、ハンカチを手に読んでもらって(笑)」

編集部「そういえば、『美容にはしって迷走してる』というような記事に対しても、『美容はキャラじゃなく、生き様だ』で反論していた記憶が」

りんたろー。「あったね。それから2年くらい経って、あぁいう種類の野次はかなり減ってきたかなって。そういうこととも向き合ってきた体験も文章に落とし込みたいなって思ってる。

と言いながら、まだ書いている途中だからどんな一冊になるか、僕にもまだ正確には見えてないけれど(苦笑)。最終的には編集部がなんとかまとめあげてくれるはず。だから、とにかく楽しみに待っていてほしいです!!」

このインタビュー後に、「NSC生(芸人養成所の学生)にはマストで読んでほしいかも!」と一言。その真意は、りんたろー。さんのみぞ知る!?

続報を楽しみにお待ちください。

【今日の一句】
正式な 発表も少し お待ちあれ

【EXITりんたろー。】ただ今、執筆中。「僕が美容で変われた理由」【連載89回】
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さぁて、来週のりんたろー。さんは?

次回は、本の内容をさらに濃密なものにすべく、美容によって変わることができた自身のメンタルの不思議を掘り下げるため、ベストセラーの著書多数、YouTubeでもおなじみの精神科医・樺沢紫苑先生にお話をうかがうことに。人間関係に疲れていたり、ストレスMAXの人は、メンタルを強くするためのヒントを見つけることができるはず!

次回、『りんたろー。美容とメンタルの関係に迫る』(9月7日公開予定)
※来週はお休みです。

PROFILE

りんたろー。

1986年生まれ。2008年4月、東京NSCに14期生として入学。2017年末に兼近大樹を誘い、お笑いコンビ「EXIT」を結成。ネオ渋谷系チャラ男漫才と称するしゃべくり漫才のツッコミを担当。ネタ作りも担う。
【Twitter】@rinnxofficial
【Instagram】@Rin_the_Sky
【note】https://note.com/rin_official
【YouTube】EXIT Charannel
【TikTok】@rintaro_official
【りんたろー。個人YouTube】EXITりんたろー。のYouTubeチャンネル

撮影/魵沢和之(まきうらオフィス) 取材・文/山本美和

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