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友達に傷つけられたら、その友情は終わりにするべき?

  • 2022.8.21
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どんなに付き合いが長かろうと、友情が終わりを告げることもある。恋愛感情がなくたって、友達とサヨナラするのは死ぬほどつらい。

友達は、さまざまな局面で心の支えになる存在。だから、これ以上一緒にいないほうがいいと分かっていても、縁を切るのが難しい。

毎日のようにLINEをしたり会ったりしてきた友達と距離を置くなら、あなたには、そのワケを説明する義務がある。口でいうほど簡単なことじゃないけれど、不可能なことでもない。その具体的な方法を学ぶべく、精神科医の資格を持ち、世界最大のオンライン・マインドフルネスイベント『Mindful in May』を立ち上げた社会起業家でマインドフルネス瞑想エキスパートのエリス・ベイリュー博士に、オーストラリア版ウィメンズヘルスが話を聞いた。

友達に傷つけられたと感じるときは、どうすればいい?

難しい会話をしたり意見が対立したりするのは、大半の人にとって居心地の悪いこと。なぜかというと、そのような状況に対処する方法を教えられていないから。これは実に残念なこと。その方法さえ知っていれば、人間関係を修復せずに終わらせることも減るはずだから。

人間は複雑な生きものなので、コミュニケーション能力は絶対に養わなければならないスキル。でも、相手が気の知れた仲間だと、自分の思考パターンに注意を払うこともせず、相手の気持ちを推測し、早とちりしてしまいがち。

友情は、異なる人生経験、思考パターン、反応の仕方、心の傷を持つ2人のダンス。大切なのは、人には誰でも弱みがあることを前提に、お互いを深く知り、なにか問題が生じても、それを乗り越えられるだけの信頼関係を築くこと。

心が通じ合うような人にはしょっちゅう出会えるものじゃないので、もめたからといってすぐに縁を切ってしまうのはもったいない。難しい会話を上手にするスキルを身に付け、それを機に友情を深められればベスト。

マインドフルネスは、混乱した頭のなかを整理して、冷静かつ勇敢に難しい会話をするためのパワフルなツール。

仲直りしようとするより、友情を終わらせたほうがいいケースとは?

冷静に、相手を思いやりながら話しても状況が一向に改善しない。そんなときは、2人の関係を見直したほうがいいかもしれない。お互いの価値観が大幅にずれてない? あなただけが頑張っている気がしてる? 相手の反応が悪いのは、その子が大変な時期にいるから? それとも今回に限ったことじゃない?

私たちに与えられた時間は限られているし、価値観が違う人や、あなただけが頑張らなければならない人と一緒にいても疲れるだけ。

自己啓発界のグルとして知られるブレネー・ブラウンは、自分の子どもたちに友情を説くうえで、こんな話をしているそう。「私たち1人ひとりのなかには特別な灯がある。それは私たちの魂であり、精神である。私たちの人生には、その灯を明るく燃やし続けてくれる人と、その灯を吹き消してしまう人がいる」。これは私たち大人にも言えること。

あなたの友達は、どちらだろうか? 自分の心にしっかり聞いて。

友達と難しい会話をするときのアドバイス

話を切り出す前に、じっくりと自分の気持ちを考えてみてほしい。例えば、傷つけられた/残念だというような本音が怒りによって隠されているときもある。まずは、マインドフルな“RAINの法則”で自分の感情を認識し、自分と相手に対する理解を深めよう。そうすれば頭のなかが整理され、難しい会話のなかで伝えたいことが見えてくる。

RAINの法則

RAINの法則は、感情的にハードな状況をマインドフルネスと思いやりで乗り越えるためのツール。

RーRecognise what’s going on.(自分のなかで起きていることを理解する)

いまの自分に影響している思考、感情、行動、感覚を認識する。すぐに自覚できるものから順番に。

AーAllow the experience to be there, just as it is.(それをそのまま受け入れる)

その思考、感情、行動、感覚を変えたり避けたりしようとせず、シンプルに受け入れる。悲しみや痛みがあれば、心のなかで「大丈夫」「〇〇(その思考や感情)がある」「うん」と囁く。こうやって“間”を置くと注意力が高くなり、認識できるものが増える。

IーInvestigate with interest and care.(興味と思いやりを持って深堀りする)

あなたのなかにもともとある好奇心を掻き立てて、自分の心に聞いてみよう。「なにに注意を払うべき?」「この感情は、体のどの辺にある?」「私は自分に、どんな話をしているの?」

NーNurture with self-compassion.(セルフコンパッションで自分をいたわる)

セルフコンパッションとは、友達を思いやるように自分自身を思いやること。自分が苦しんでいることを分かってあげて、自分が自分の親友になったつもりで、やさしい言葉をかけてあげる。

RAINを通して自分の気持ちがハッキリしたら、友達と話してみよう。

会話のなかでは、自分の気持ちを相手にシェアして、怒りよりも深いところにある弱さ(痛みなど)を見せて。そのほうが相手は話を聞きやすいし、受け入れやすい。怒りのような表面的な感情を前に出すと、相手は攻撃されたように感じて心を閉ざし、自己防衛に入ってしまう。

難しい会話の最中は自分の呼吸を意識して、必要と感じたら遠慮せずに間を置くことも忘れずに。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Nikolia Ilic Translation: Ai Igamoto

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