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思春期から高齢期まで、人は一生恋をする。

  • 2022.8.18
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女の生きざま、夫婦という関係性、ジェンダーの呪い、シスターフッド……。漫画は幅広い社会問題や多様性に切り込み、さまざまな愛のカタチを知ることができる大人の読み物。エッセイスト犬山紙子が、いま読むべき作品を厳選&コメント。

恋愛の“痛み”が、炙り出される作品集。

『一生好きってゆったじゃん』

横槍メンゴ著  小学館刊 ¥750

「恋愛における、痛いという気持ちをすくい上げるのが本当に上手。なかでもアイドルの少女を描いた『かわいい』は記憶に残る作品。“かわいい”は消費されることを知っているけれど、自分にはそれしかないと思い込んでいる。“かわいい”という呪いの言葉から、思春期の痛い気持ちが探り出されてえぐられる。同様の経験をしていなくても、蓋をして閉まっていた心を開いてくれる」。初恋、不倫、二次元の愛など、7編の青春オムニバス。

年齢を重ねた美しさと色気、 高齢者の恋愛にフォーカス。

『僕らが恋をしたのは』(1〜2巻)

オノ・ナツメ著  講談社刊 ¥726

定年後に山奥で丁寧な暮らしを楽しむ男性4人組。そこに、謎めいた高齢美女がやってきて……。「恋愛といえば若者のものという既成概念があり、なかなか光が当たることがなかった高齢者の恋愛。でも年を取っても恋愛している人は多くいるし、恋愛は人生にずっとある。年齢を重ねた美しさや色気が絵から伝わってきて、高齢男性の魅力が凝縮している作品。女性の正体の謎や恋の行く末、彼らの関係性に注目したい」

犬山紙子Kamiko Inuyama1981年、大阪府生まれ。イラストエッセイスト、コラムニスト。ファッション誌の編集者を経て、『負け美女ルックスが仇になる』(マガジンハウス刊)でデビュー。雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍中。madameFIGARO.jpでは「犬山紙子がいま思うこと」を連載中。

*「フィガロジャポン」2022年3月号より抜粋

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