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爆誕した「大人のねるねるねるね」はなぜ生まれた?開発者に訊いた

  • 2022.9.6
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クラシエが誇るロングセラー商品「ねるねるねるね」は1986年に誕生し、今日に至るまで親しまれている知育菓子®︎の定番中の定番。子どもの頃に、文字通り粉と水を練って(ねって)、お菓子が変化していく様子にわくわくされた方も多いと思います。

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新作は「大人のねるねるねるね」!?

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しかし、今回ご紹介するのは異色中の異色作! クラシエ史上初となる「大人のねるねるねるね」です。フレーバーもソーダやコーラなどではなく“赤白2種の本格ぶどう味”と、まさに大人向けな趣向となっています。

商品名の通り、ターゲット層は「20~40代の「ねるねるねるね」を子どもの頃に楽しんでいた男女」や「SNSで情報収集・情報発信をしている中学生・高校生・20代の男女」に設定されているんだそう。

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かなりチャレンジングな一品ですが、なぜ開発するに至ったのでしょうか? 商品開発担当の木下優さんに詳しくうかがってみました。

昨今、昭和・平成で流行ったものが再び注目される、レトロブームが世の中の動きとしてある中で、1986年に誕生した「ねるねるねるね」を子どもの頃に楽しんだ方々が20~40代となった今、ノスタルジーを感じつつ、改めて「ねるねるねるね」を楽しんでいただきたいという思いから、知育菓子®の新たな挑戦として大人市場を広げていく商品の開発に至りました。
実際に、19歳~34歳の男女を対象にした調査では、「ねるねるねるね」を小学生までに食べたことのある方は8割に上り、最近では中~高校生・20代以上の方々の間で知育菓子®をSNSでシェアしながら楽しんでいただく機会も増えてきたと感じています。
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たしかに、筆者も小さい頃に「ねるねるねるね」などの知育菓子®を、友人と一緒に作って食べた記憶があります。

また、商品名を見て「もしかして…?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は「大人のじゃがりこ」や「キットカット ミニ オトナの甘さ」、「大人のワイングミ」などの「大人の」がつく製品は、一通り参考にしたそうですよ。

10年以上ぶり!実際に作ってみた

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パッケージから中身を取り出してみました。端っこに三角カップが付いたトレイとスプーンのほかに、「白ねるねる1ばん」「白ねるねる2ばん」「赤ねるねる1ばん」「赤ねるねる2ばん」「トッピング」の5つの小袋が入っています。

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手順はパッケージの裏面に記載されているため、簡単に作ることができます。

「赤ぶどうねるねる」を作る際は、まず「赤ねるねる1ばん」と三角カップ1杯分の水をトレイに入れ、スプーンでぐるぐるかき混ぜましょう。

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次に「赤ねるねる2ばん」を入れて、今度は色が変わるまでぐるぐるかき混ぜます。

すると…?

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綺麗な青色をしていたのに、赤ワインを連想させる紫色に大変身! この変化こそ「ねるねるねるね」の醍醐味の1つでもありますよね。

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「白ぶどうねるねる」は「赤ぶどうねるねる」とは打って変わって、黄色がかった淡い白色です。人工感のない、ぶどうの芳醇な香りをふわ〜っとただよわせていますが…はたして、その味わいは?

たしかに!これなら大人も楽しめそう…。

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「赤ぶどうねるねる」はベリーの甘酸っぱさをしっかり感じます。ぶどうの芳醇な香りも印象的で、たしかに赤ワインを連想させる厚みのある味わい。過去に食べた「ねるねるねるね」とは、全く毛色が違いますね…。

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一方で「白ぶどうねるねる」は軽やかな印象。すっきりとしたフルーティーな味わいで、「赤ぶどうねるねる」よりもさっぱりといただけます。個人的に、こちらの方が好みに近いかもしれません。

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どちらも甘さがひかえめなのも魅力的。「トッピング」をかけていただくと、どこかスパークリングワインを感じさせるしゅわしゅわとした感覚が口の中に広がります。

「トッピング」をかけるだけで一気に様変わり! この変化の面白さは、子どもも喜びそうですね…。

商品開発時に苦労したことは?

——商品開発時に苦労したことはなんでしょうか?

商品開発担当 木下優さん:「大人のねるねるねるね」はワインを分析・調合したアロマ成分を配合していますが、ワイン初心者として、どうワインを分析していくか? 無数にあるワインをどう選んでいくか? に苦労しました。

——たしかに、無数にあるワインの中から「ねるねるねるね」に適したものを見つけるのは至難の業ですよね…。

同:最初は高級ワインを1本買ってみるという容易な案もありましたが、まずは社内のワイン通に意見を聞き、プロセスを考えていきました。

最終的に、ソムリエに品種を推薦いただき、ワイン初心者にもわかる香り成分の見える化や、世界各国のおいしいワインと濃縮果汁ワインとの比較をしていきました。

——1番重要な要素になるからこそ、様々な試行錯誤があったんですね。ちなみに、ワイン風味のアロマ成分を調合する上で苦労されたことはなんでしょうか?

同:調合時、香りのイメージに合わせるために試行錯誤しました。ちょっとしたバランスで香りがこもったりしてしまうので、苦労したポイントです。実は、最後の隠し味にパイナップル香料なども使用し、バランスを調整しているんですよ。

——パイナップル! それは気づきませんでした。

同:ちなみに、ここだけの話なのですが、ワイン試飲評価時は研究室でたくさんワインを飲んでいたので、怪訝な目で見てくる人がいました。

発売発表後の反響と今後の展開

同:「大人のねるねるねるね」は、起案当初「本当に大人が買うのか?」という不安がるご意見も多くあがりました。

しかし子どもの頃に「ねるねるねるね」を楽しんだ経験のある大人の方へインタビュー調査をした際、「ねるねるねるね」にはほかでは得られない独自の価値があり、大きな“ねるねる愛”を持った方や、潜在的に『童心にかえって楽しみたい』気持ちが大人にもあることを担当チームで目の当たりにしてからは、自信を持って目指す方向や意見がまとまっていきました。

——たしかに、「大人のねるねるねるね」は今までの「ねるねるねるね」とは趣向がかなり異なっているため、その反応も仕方なかったのかもしれませんね。

ちなみに、発売発表後の反響はいかがでしょうか?

同:実際に「ねるねるねるね」の認知度は高く、現在の20代~40代の方の多くが子どもの頃に「ねるねるねるね」を楽しんでいただいた経験があることはわかっていたので、いかにそのターゲット層に刺さる商品と広告にして気づいて魅力を感じてもらえるか、ということを狙い商品開発や広告制作を進めていました。

そのため期待通りの結果ではありますが、正直なところ、想像以上の反響に大変驚きました。やはり子どもの頃の楽しい記憶というのは、大人になっても“童心に返って楽しみたい”意欲を掻き立てるのかもしれません。

多くの方に「大人のねるねるねるね」でノスタルジーを感じつつ、“非日常体験”を楽しんで頂ける商品になれば嬉しいです。

——それは嬉しい誤算ですね! たしかに、私も久しぶりに食べましたが、思っていた以上に楽しく、そしておいしくいただくことができました(笑)

最後に、「大人のねるねるねるね」シリーズの今後の展開についてうかがってもよろしいでしょうか?

同:今回の「大人のねるねるねるね」発売後の動向にもよりますが、お客様の声ももとに、もっと“大人も”楽しめる「ねるねるねるね」の開発も検討していきます。アルコール入り、水不要、ねらないねるねる、等可能性は無限大かもしれません。

9月5日から全国販売!

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子どもだけでなく大人まで楽しめる、クラシエ史上初となる「大人のねるねるねるね」は、9月5日から全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで販売開始。気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?



筆者:松本陸杜/ライター
カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。