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「もと」と読む「元・本・基・下」の違いは?それぞれの意味と使い方を解説!

  • 2022.8.16
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「もと」と読む漢字は「元・本・基・下」などたくさんありますよね。 これらは同じ読みをする漢字ですが、その意味には若干の違いがあります。 また、用途に関しても違いがあります。

そこでここでは、「もと」と読まれる「元・本・基・下」という漢字について、その意味や使い方、成り立ちについてそれぞれ見ていきましょう。

「元」とは

 

まずは「元」という漢字について、その意味や使い方・漢字の成り立ちを見ていきましょう。

「元」の意味

「元」には、物事の始め、最初の方という意味があります。 元の音読み「がん」が含まれる熟語の「元祖」や「元旦」なども、始めや最初という意味が込められた言葉となっています。

「もともと」という副詞も、「元々」という表記から来ていますが、前の以前はという意味でも使われます。 この意味合いが「元」にも流入し「元の住所」や「元の電話番号」という用い方がされる事もあります。

「元」の使い方

「元」の使用例として以下の用い方があります。

・火の元⇒出火の原因 ・出版元⇒本を発行・販売する会社 ・元の場所に戻る⇒スタート地点に戻る ・元通りにする⇒最初の状態に戻す ・元となった画像⇒加工前などのオリジナル画像 ・異臭の元を⇒異臭の原因

いずれも、物事のはじまりや、最初という意味合いで用いられているのが分かりますね。

「元」の成り立ち

「元」という漢字は、象形文字です。 上の横線が冠もしくは頭を、その下のπの部分は人の体を象っています。 この形から「頭」をあらわすだけでなく、物事の頭という事で「おおもと」を意味する語としても用いられるようになったとされます。

「本」とは

 

次に「本」という漢字の、意味や用い方、成り立ちを見ていきましょう。

「本」の意味

「本」はブックのことではなく、木や根をあらわす文字として生まれました。 そこから物事の根本をなすところという意味で、根幹・基礎・土台という意味なども持つようになりました。

木の幹や枝の先を指す「末(すえ)」の対語でもあり、「本末転倒」といった熟語もあります。

「本」の使い方

下記は、「本」の使用例です。

・本を正す⇒原因の根本を探り、明確にする ・農は国の本⇒農業は国の根幹産業 ・本から見直した⇒根本から見直す

これらは、どれもが根本という意味合いで使用されています。

「本」の成り立ち

「本」という漢字は、指事文字とされます。 指事文字とは、象形文字のように絵にすることは難しいものを、点や線を用いることで表現した文字となります。

一例をあげると「朱」があります。 朱は、一本横線を加えた木を表現しています。 横線を入れることで木の切り口が赤らんでいる様子として使われるようになりました。 そのため、「朱色」が赤の一種の名詞になっているのです。

本も同様で、木の下部に横棒を設けることで「植物の根」をあらわしています。

「基」とは

 

ここからは、「基」という漢字について、意味や使い方・漢字の成り立ちを見ていきましょう。

「基」の意味

「基」には、成り立ちの根幹部分・よりどころという意味があります。 下地やベースという意味でも用いられます。 「き」という音読みをした熟語として、「基礎」「基盤」「基本」「基準」などがあります。

「基」の使い方

「基」は、以下のような使い方ができます。

・失敗は成功の基⇒成功に至るまでには失敗がある ・基が頑丈な建物は安全である⇒下部構造がしっかりしている建物は安全 ・旧モデルを基に新製品を開発する⇒新製品の開発のベースは旧モデルにある

これらの例文では、「基」は土台となる重要な部分のことを指しています。

「基」の成り立ち

「基」という漢字は、会意形成文字です。 会意文字とは、既存の漢字を複数組み合わせることで新しい意味の文字を作ることです。 例えば、「人」に「木」を合わせることで木の下で一息つく人となり「休む」という新しい意味を持った漢字となります。 形成文字とは、意味を指す部位と、音をあらわす文字を組み合わせることで生まれた文字です。 例としては、「日」とセイと発音する「青」を組み合わせたことで、「晴(セイ)」という漢字が生まれています。

会意形成文字は、この会意文字と形成文字の両方の要素を組み合わせた文字です。 一例をあげると「花」もそうです。 植物なので「草冠」を使う事で、形成文字の意味の要素があります。 そして、「化(カ)」は音の要素です。 しかし、「化」に植物や花の意味は無いので、組み合わさったことで新しい意味が生まれたことになり会意文字の要素も含まれます。 そのため、「花」は会意形成文字となるのです。

ちなみに、多くの漢字がこの会意形成文字となります。 前述の「晴」も、実は会意形成文字だったりします。

そして、「基」もそうです。 「箕(キ)」と「土」を組み合わせた文字とされています。 箕とは農具の事なのですが、形状から四角いものをあらわしており、土の上に四角いものが置いてあるという構成になります。 ここから、「四角いもの=建物」となり、建物の土台という意味で使われるようになったとされています。

「下」とは

 

最後に「下」という漢字について、その意味や用い方、そして成り立ちについて見ていきましょう。

「下」の意味

「下」は、何かの影響や支配の及ぶ範囲・ものの下の部分という意味があります。 影響や支配の及ぶ範囲という意味でいうと、立場が弱い側として用いられます。

「下」の使い方

「下」の使用例をご紹介します。 いずれも上下の下の意味で読み進むことができますね。

・旗の下に集まれ ・先生の指導の下で学ぶ ・白日の下にさらす⇒白日は太陽の意味なので、隠していたものを洗いざらい公開する ・両親の下を離れる⇒両親から受けていた庇護から離れる

「下」の成り立ち

下もまた、「本」と同じく指事文字となっています。 その際、見た目で分かる位置関係の要素が文字に加えられています。 「上下」はセットになっており、長い横棒のどちらにもう一つ短い線を設けることで生まれました。 そのため、初期の上は「二」の形をしていたそうです。 この短い線を見ることで、「うえ・した」のどちらか一目で分かる形になっていました。 これに縦棒が加えられて現在の「上下」になったのです。

まとめ

「もと」と読む漢字はいくつもあり、特に日常会話では「元・本・基・下」の4つが使われる頻度が高くなっています。 意味合いが似ていますが、それぞれの意味を見ていくと違いがあることが分かります。

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