今回ご紹介する言葉は「殖す」。
「養殖(ようしょく)」や「殖産(しょくさん)」のように使われる「殖」の漢字そのものは、ご存知の方が多いかと思います。
しかし、送り仮名をつけて「殖す」にすると、読み方に迷ってしまうのではないでしょうか?
難しく感じるかもしれませんが、多くの方が一度は聞いたり使ったことがあったりする言葉ですよ。
さて、一体なんと読むのかわかりますか?
「殖す」の読み方!
では、早速「殖す」の読み方を発表します。
「しょくす」と読んだ方は、不正解!
ここで少し、ヒントを出します。
「工場での生産量を殖す」や「家畜を殖す」のように使うことが多いでしょう。
読み仮名は全部で3文字です。「ふ」から始まる言葉を考えてみてくださいね。
さあ、そろそろ読み方はわかりましたか?
正解は「ふやす」でした!
「殖す」の豆知識
今回は「殖す」をご紹介しましたが、「殖やす」と送り仮名をつける場合もありますよ。
では、「殖す(ふやす)」とはどういう意味なのか、辞書で調べてみましょう。
ものの数量を多くする。
出典:北原保雄編、明鏡国語辞典第二版、大修館書店(2017年4月1日版)p.1542
普段私たちが使っている「増やす」と同じ意味の言葉です。
ところで、「殖」がなぜ「ふやす」という意味で使われるようになったのかご存知でしょうか?
「殖」の左側にある「歹」は、死者の胸から上にある残骨のことです。
残骨は後に骨粉となり、肥料となることから「ふやす」の意味をもつようになりました。
「殖」がまさか死者の骨に由来する漢字だったとは驚きですね。
まとめ
いかがでしたか?
「殖す」は「ふやす」と読みます。
普段は「増やす」と書くことが多いですが、この機会にぜひ覚えておいてくださいね!
参考文献:常用字解[第二版]