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判断基準は○○! “ブラック企業”経験者の体験談4選

  • 2015.10.19
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【女性からのご相談】

夫が転職を考えています。つい先日もIT系企業の面接を受け、「内定がもらえそうだ」と言うので話を聞いてみたのですが、営業職でも管理職でもないのに固定給に“みなし残業代含む”とかで残業代支給がありません。 二次面接や最終面接もないらしく、ほとんど面接らしい面接もないままに、「で、いつから来れるの?」といきなり聞かれたとのことです。この企業はブラック企業でしょうか?

●A. ブラック企業のわかりやすい判断基準は、“長時間労働”と“低賃金・サービス残業”です。

こんにちは。パパライターの矢山ユースケ@育休中です。

現在は育休中ですが、私もIT系企業に所属しています。残念ながら、ITが飲食や介護などと同様、「ブラック企業が多い」という評判が絶えない業種なのは、事実です。「違法な二重請負の多発」「サービス残業の横行」「安い給料で人員の使い捨て」などのワードが、私の身近でも頻繁に聞こえてきます。正直なところ、業界そのものの体質に問題があると思っています。

もちろん、真っ当な企業も存在します。では、ブラック企業かどうかをどこで判断すればよいのでしょうか。

メインの判断基準は、“労働時間”と“賃金”の2つでしょう。厚生労働省も、違法な長時間労働を繰り返している企業に対する指導・公表を打ち出しています。「サービス残業を強制される」などの賃金について問題がある場合も、ブラック企業の可能性があると考えてよいでしょう。

●ブラック企業経験者の体験談4選

それでは、実際にブラック企業に勤めていたことのある4名の男性にお話を聞いてみました。

●(1)Aさん:品質管理(30歳・既婚)

『有名国立大の卒業生が数人集まって学生起業した会社でした。社長の友達&創業メンバーの部長は、「ウチは頑張ればその分給料上がるから」が口癖でした。中途採用は年齢・経験を問わず一律の安月給スタートで、残業代や休日出勤手当は当然なし。

毎週金曜日は業務時間外スタートの部内会議が開催され、内容は決まって、どうでもいい部長の演説会。社長や部長の“鶴の一声”で方針が変わり、クライアントからクレームがあれば夜中でも呼び出しがあり、朝まで詰められます。

そんな会社ですから、人の出入りはものすごかったですね。私も含めて、中途採用組で半年続いた人をほとんど知りません。その会社しか知らない新卒組は、比較的長く従業していたようですが……。外面と外界へのアピールだけは欠かさないので、ホームページが無駄に凝っていたり、忘年会を六本木のクラブで開催して芸能人を呼んだりしていました。あの雰囲気にだまされた人、結構いたかもしれませんね』

●(2)Bさん:SE(35歳・既婚)

『大手企業から単身で独立した社長が率いる会社でした。クライアント企業の客先常駐がメインなので、自社との接触の記憶があまりありません。常駐先の会社によっては天国の場合もありますが、配属される人がみな精神的に追い詰められるクライアントも存在します。

そもそも、自社スタッフが続けてつぶされるようなクライアントとどうして関係を続けるのか不思議です。すべての決定権は社長にありましたが、「金>スタッフ」という発想であるため、疑問を持つスタッフの方がおかしいと考える人でした。

5人目がうつ病で休職して、「来月からお前が行け」と言われたとき、断って退職しました。「なんで辞めるんだ?」と、私の退職理由も最後まで理解できなかったようです』

●(3)Cさん:SE(41歳・独身)

『私もBさんと同じような体質の会社に勤めていました。何もかもが社長のワンマンで、事務方で採用になったはずの人がいつの間にか社長の指示で現場に常駐していて、後任に引き継ぎがされておらず、各種の手続きが滞ることがしばしばありました。スタッフの入れ替わりが激しすぎるせいか、最後まで自分の所属部署や上長が誰なのかわかりませんでした。

その他、毎年の健康診断や情報保護研修という基本的なものがまったく実施されず、Webサイトで公示しているスキルアップ研修、段階制評価制度、定期昇給、綿密なコーチングなどなど、何ひとつありません。おまけにボーナスも残業代もカット。会社組織が未成熟というより、組織そのものが構築されていなかったのでしょう。子どもの遊び以下の企業で、もはや在籍していたことが恥ずかしいです』

●(4)Dさん:顧客サポート(27歳・独身)

『老舗メーカー系企業が社内ベンチャーで企業し、後に独立した経緯を持つ会社でした。母体が有名かつ大きな企業だったので、入社時はむしろ安心したくらいでしたが、内情はひどいものでした。

今でも覚えていることがあります。ある日、「終業後に本社へ集合せよ」と号令がかかったので向かうと、誰がどう聞いても粉飾決算でしかない内容について、「これは粉飾ではない!」と必死で説明する役員の姿が……。翌日、私は辞表を提出しました。後で聞いたのですが、同じ日の集会がきっかけで相当数の社員が辞めたそうです』

●「ブラックだ!」とわかったら、すぐ逃げて。可能であれば通報を

今回の4名の方の例は、いずれも真っ黒な“ブラック企業”と言っていいでしょう。面接を受けた企業にこのような特徴があれば、仮に内定しても辞退した方が無難です。もしも入社後にブラックであると気づいてしまった場合は、なるべく早いタイミングで、退社した方がよいでしょう。

よく、「履歴書が傷つくから、そんな簡単にやめられない」と耳にしますが、ブラック企業に長く従事することで精神や肉体を破壊されることのほうが、よっぽど大きなダメージになります。下手すると致命傷になりかねません。

また、可能であれば、関わってしまったブラック企業がどのようにブラックだったのか、関係機関への相談・通報を行うことをお勧めします。

具体的な窓口としては、勤務先所在地のある地区の労働基準局、労働条件相談ほっとライン、労働基準関係情報メール窓口などがあります。これらの機関への連絡の際には、できるだけ詳しく情報を伝えると効果的です。タイムカード・やり取りが記されたメール・録音データを用意できるなら、必要に応じて提出しましょう。

あなたの通報がブラック企業を減らすきっかけになれば、現在もしくは未来のブラック企業被害者の減少につながります。匿名での通報や相談も可能です。不運にもブラック企業に遭遇してしまった場合は、恐れずに行動を起こしましょう。

【参考リンク】

・違法な長時間労働を繰り返している企業に対する指導・公表について | 厚生労働省(PDF)

・労働条件相談ほっとライン | 厚生労働省

●ライター/矢山ユースケ(IT系パパライター)

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