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夏なのに鼻がムズムズ? アウトドアやレジャー行きなどでも気をつけたいアレルギーとは

  • 2022.8.14
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夏に感じるアレルギー反応の正体は…? 原因は夏のアクティビティかも!?

お出かけ先でアレルギー反応が出てしまうこと、ありませんか?
お出かけ先でアレルギー反応が出てしまうこと、ありませんか?

夏に感じる体の不調と言えば、熱中症や屋内と屋外の温度差による夏風邪。「この頃、なんだか鼻がムズムズしてくしゃみも止まらない。肌も荒れているような気がする…」そんな症状を感じていませんか?

もしかしたら、それは花粉によるアレルギー症状が原因かもしれません。「夏に花粉症!?」と思うかもしれませんが、季節によってアレルギー症状を起こす原因となる植物はさまざま。特に、夏はキャンプや登山など、自然の多い遠方に出かける機会が多い季節ですよね。

意外なところにアレルゲンは多くあり、お出かけ先でアレルギーになってしまうこともあるかも…。

もちろん、都会は郊外に比べて空気中にさまざまなアレルゲンが飛び交っている場所でもあります。実は身近なところにもアレルギーの原因になる植物や化学物質があることも…。私は春だけだから…なんて言いつつも、お鼻ムズムズな気がかりがある方、いませんか。

実は意外にあると言われる夏の花粉症について、医療法人社団南州会三浦メディカルクリニックの呼吸器専門医である井上哲兵医師に聞いてみました。

花粉症の原因はスギ科だけではない

「鼻アレルギー診療ガイドライン2016」によると、イネ科の花粉はほぼ1年中飛んでいるそうです
「鼻アレルギー診療ガイドライン2016」によると、イネ科の花粉はほぼ1年中飛んでいるそうです

Q1.夏の花粉症にはどんな種類がありますか?

井上哲兵 先生:「夏の花粉症は、主にイネ科の植物であるカモガヤ、オオアワガエリ、キク科のブタクサ、ヨモギが原因とされています。

カモガヤもオオアワガエリも、全国各地の河川敷や公園、手入れが行き届いていない空き地、道路脇などに沢山生えている身近な植物なんです。ブタクサも同じで、北海道を除く、本州・四国・九州の公園や河川敷に広く繁殖しています。

ヨモギもとても身近な植物ですよね。ヨモギ餅のヨモギです。夏から秋にかけて花粉を出すことが知られています。こちらも、空き地や河川敷に群生しています」

Q2. 夏の花粉は、いわゆる有名なスギ花粉のアレルギー症状と同じような症状でしょうか? 何か違いはありますか?

井上哲兵 先生:「基本的にスギ・ヒノキアレルギーと同様の症状です。鼻水・鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみです。また、花粉が原因で喘息発作を起こしたり、肌荒れの原因になる事もあります」

アレルギーが出ちゃったかも…そんなときはとにかく肌を清潔にキープするのがカギ!

肌を清潔に保つには、丁寧な洗顔が基本!
肌を清潔に保つには、丁寧な洗顔が基本!

Q3: 花粉や汗による肌荒れを防ぐ方法はありますか?

井上哲兵 先生:「花粉による肌荒れは、肌がもともと弱い人は勿論ですが、皮膚バリア機能が落ちてしまっている人に起きやすいと言われています。

皮膚バリアを正常に保つためには、一にも二にも、保湿による素肌ケアが大事です。

大事なポイントはお風呂上がりに5分以内に化粧水→保湿クリームの順番でケアを行う事です。お風呂上がりの湿り気が多少残っている状態で保湿まで行うことが肌の水分量を維持することに繋がります。

夏でも冷房が効いている室内に長時間いる方は、肌が乾燥しがちになります。日々の手入れを油断せずにしっかりやって行きましょう。

また、子供の場合、あせもが起きて痒くて掻きむしまったりしたところに花粉が付くと、あせもの掻きこわしに加えてアレルギー性皮膚炎も合併してしまうことがあります。あせもができないように汗をかいたらシャツをこまめに替えたり、シャワーを浴びたりすることも心がけましょう」

あせもができないように、汗をかいたら着替えたりすることが大事
あせもができないように、汗をかいたら着替えたりすることが大事

Q4: アレルギー症状は免疫の暴走と言いますが、症状を軽くする方法または注意すべきことはありますか?

井上哲兵 先生:「免疫の暴走という表現よりも、ある物質(例えば花粉、猫のフケなど)への免疫の過剰反応と考える方が分かりやすいです。その過剰反応を抑えることが出来れば、症状が軽くなるということになります。

最も効果が期待できる方法は、ここ数年で治療患者さんが激増してきている、ダニとスギアレルギーの免疫療法です。残念ながら夏の花粉など、他の物質は製剤化には至っていませんが、ダニとスギに関してはポピュラーな治療法になっています。

免疫療法は注射免疫療法と舌下免疫療法に分かれますが、副作用がほとんど無く、簡便な舌下免疫療法が主流です。1日1回薬を舌の下に入れて溶かした後に飲み込むだけです。これだけで驚くほどアレルギー症状が緩和されます。

また、事前にアレルギー物質が分かっているのであればその季節の少し前から、抗アレルギー剤を内服することも有用です」

汗もかいてるし、目のかゆみがつらい方は

Q5. 花粉のアレルギー症状による目のかゆみを抑えるにはどうしたら良いでしょうか?

井上哲兵 先生:「花粉やハウスダスト、ダニ、動物のフケなど空中に舞っているアレルギー物質を避けるのは目に見えませんし難しいですよね。

目のアレルギーの症状を軽くするにはアレルギー物質を物理的に避けるためにメガネを着用したり、抗アレルギー剤の内服・点眼をしたりすることで対処するしかありません。

点眼薬で注意が必要なのが、数ヶ月前に開封した点眼を使うこと。衛生面から必ず避けてください。

また、ステロイドの点眼は眼圧が上昇する可能性があるため、眼科医の指導のもと使用しましょう」

夏に思わぬ不調を感じたら、花粉を疑ってみてもいいかもしれません。専門家の先生のアドバイスを元に、アレルギー症状を軽減し、快適に夏を楽しみたいものですね!

次回は、夏の花粉症のアレルギー症状をやわらげるお助けアイテムをご紹介いたします。

(HAZUKI)

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