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2022最新“進化系かき氷”! ドルチェ氷やごはん系氷って?

  • 2022.8.5
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かき氷は料理の世界。味のクリエイティビティを楽しめます

2015年に日本に上陸した台湾のかき氷店『アイスモンスター』の人気ぶりを記憶している人は多いはず。SNSで「映えスイーツ」が流行ったトレンドにのって、その頃一大ブームになりましたが、2022年、新しい“進化系かき氷”の波が来ているのだとか。

「最近のかき氷は、もう料理の世界。味の組み合わせでどれだけクリエイティビティを発揮できるかが大事、というレベルなんです。“ドルチェ氷”というスイーツみたいなものや、かき氷なのに甘じょっぱい“ごはん系氷”が新しくておすすめ」。そう教えてくれたのは、物心ついた頃から氷が大好きで、去年は新宿ルミネ内のカフェでかき氷をプロデュース、今年は通販でのプロデュースかき氷の発売を控えているというモデルの菅野結以さん。時間さえあれば、かき氷店を調べて足を運ぶという菅野さんと一緒に、都内で食べられるユニークな最新かき氷をご紹介します。

年々進化し続けるかき氷の世界。天然氷、味つき氷、そしてイノベーティブ氷!

イノベーティブかき氷
つくっているのはケーキ……ではなくイノベーティブなかき氷!

以前は、おいしいかき氷は天然氷(自然の寒さでゆっくりと凍らせた氷)でできているというイメージがあり、「かき氷の聖地」と呼ばれる秩父も、おいしい水でつくられた天然氷のかき氷が有名。「去年、秩父のかき氷専門店『阿佐美冷蔵』さんに行ったのですが、遠くから見てもわかるくらいの大行列で(笑)。そのときは5時間待ちって言われました」と菅野さんも驚くほど、天然氷のかき氷を求める人は多いようです。

そんな天然氷ブームを第1次、アイスモンスターやエスプーマのかき氷を第2次とするなら、今話題の“イノベーティブ氷”はかき氷の第3次ブーム。
「(天然氷を使った)レトロで渋い味のかき氷は依然として人気がありますが、少し前に台湾の『アイスモンスター』が上陸したときは、氷そのものに味をつけて削るタイプが流行りました。その後、エスプーマ(シロップを泡状にしたもの)をかけたタイプが登場して話題に」と年々新しいものが生まれているそう。今回訪れた、名店『セバスチャン』や『こんにゃく寿司とかき氷 KON』のかき氷は最新トレンド。「イノベーティブ氷」と菅野さんは呼びます。

『セバスチャン』の店内にて
かき氷好きで知らない人はいないという名店『セバスチャン』の店内にて

「かき氷業界では、(食べたときに)頭がキーンってなりにくくて溶けにくい天然氷が良いとずっといわれてきたんですが、『セバスチャン』や『こんにゃく寿司とかき氷 KON』のかき氷は純氷(製氷工場で凍らせた氷)を使っている、というのが今回の取材で一番の衝撃でした。(『セバスチャン』のオーナー)川又さんも昔は日光まで天然氷を取りに行っていたそうなんですけど、いろいろな氷を食べ比べて、今は純氷を使っているんだそうです」。天然氷へのこだわりは手放しながらも抜群のおいしさを誇る、進化したかき氷の秘密を探ってみましょう。

まるでドルチェ! 店主の氷愛が生み出した新食感の「クリームブリュレかき氷」

いちごとレアチーズのブリュレ
「いちごとレアチーズのブリュレ」¥1,500(税込)。見た目は完全にブリュレですがかき氷なんです

今回最初に訪れた、奥渋にあるかき氷とコッペパンのお店『セバスチャン』。開店前に行列ができる人気店で、菅野さんの“最愛氷店”でもあります。元フレンチシェフのオーナー川又さんがつくる「ドルチェ氷」と呼ばれる革新的なかき氷は、見た目のユニークさと口に入れたときの深い味わいに、とりこになる人が続出。人気No.1の「いちごとレアチーズのブリュレ」を最初に食べたときは、菅野さんも衝撃を受けたといいます。

ブリュレ氷寄り
表面を炙(あぶ)ったきび砂糖をパリパリと割ると、中からレアチーズソースを絡めたフワフワの冷たい氷が。甘酸っぱいいちごのピューレがアクセントになっています

「クリームブリュレなので表面が焼いてあるんですけど、まず『氷を焼く』っていう発想がすごくないですか!? 食べたときの氷の甘味と、焦げの苦味のバランスが絶妙なんです。“苦味がおいしい氷”ってなかなかない。そのおいしさは焦がさないと出ないもので、焼くのにもちゃんと理由があるんですよね。映えを狙ってるとか、突飛なことをしようとしているわけじゃない。一口食べるだけで川又さんの氷への愛を感じます」

クリームブリュレかき氷をつくる川又さん
「クリームブリュレかき氷」をつくる川又さん。表面にメレンゲを薄く塗り、その上にきび砂糖を塗ってバーナーで炙ります。メレンゲが断熱材のような役割をして、中の氷が溶けにくくなるそう

「『セバスチャン』のかき氷は純氷を使っています。氷はマイナス5℃が一番フワフワにできるので、(削る前に)製氷機から出して、“氷を緩める”んです」と川又さん。菅野さんが「時代や流行にとらわれずに、かき氷で自分のやりたいことを突き詰めている感じがする」と言うのも納得のこだわりようです。

『セバスチャン』の新作「ショートケーキかき氷」と「コーヒーかき氷」

そんな『セバスチャン』の新作も菅野さんに食べていただきました。常にかき氷のことばかり考えているというオーナー川又さんは、2〜3ヶ月に1回くらいの頻度で季節のフルーツなどを使った新メニューを出すそうで、2022年夏季には、人気の「ショートケーキシリーズ」に新ラインナップが登場。

フレッシュマンゴーとパイナップルのショートケーキ
2022年夏季の新発売メニュー。「フレッシュマンゴーとパイナップルのショートケーキ」¥2,200(税込)

ショートケーキと同じ生クリームのコーティングの中には、マンゴーソースを絡めた氷と角切りのパイナップルがゴロゴロ。「ドルチェ氷がついにホールケーキの形にまで進化したんですね……! サイズは他のメニューよりコンパクトなので、ひとりでもペロッと食べられますね。全体をクリームで包んでいるから甘めなのかと思いきや、まったく重くないクリームでサクサクと平らげられます」

上のトッピングフルーツはマンゴーのみ
上のトッピングフルーツはマンゴーのみという潔さ! 余計な飾りがないからこそ、氷のおいしさが引き立ちます

また、かき氷の味の中ではコーヒー系やお茶系がすごく好きだという菅野さんにぴったりの新作も登場しました。こんもり盛られたフワフワ食感のかき氷の中に、濃厚な大麦ミルクとコーヒークリーム、大麦のエスプーマ、コーヒーゼリーが入っている一品です。

大麦ミルクとコーヒークリーム
こちらも2022年夏季の新発売メニュー。「大麦ミルクとコーヒークリーム 大麦のエスプーマとコーヒーゼリー入り ラム酒風味のシャンティ別添え」¥1,800(税込)

好きなタイミングで、別添えの「ラム酒風味のシャンティ(生クリームのこと)」を上からかけると、一気に大人な風味に変身。最後まで手が止まることなく食べ切れる、上品なコーヒー味のかき氷です。

純氷を食べる菅野さん
「天然氷は羽っぽくてシュッとした氷になるんですが、このかき氷みたいに純氷だとフワフワくしゅくしゅの雪のような食感になるんです」

川又さんによると、氷の削り方にもこだわりがいっぱい。「例えば、山型のかき氷は一番下(の氷)はちょっと厚めに削るんです。全部で3段階に分けて削って、それぞれソースをかけるんですけど、気温によってその3段階の厚みを変えています」。かき氷機の刃によって氷の厚さが繊細に変化するそうで、ネジを1回外してつけ直すだけでも仕上がりが違ってくるのだとか。氷の種類や削り方で変わる食感の中から、自分の好みを見つけられると、かき氷をより楽しく味わえるかもしれません。

コーヒーかき氷の作り方
「コーヒーかき氷」は、中に入ったコーヒーゼリーも食感のアクセントに

溶けた後もおいしい! 『KON』の「とうもろこし氷」

『セバスチャン』と同じ渋谷エリアに、川又さん監修のかき氷を出すお店がもう一店。昔ながらの商店街の一角に、築60年の古民家を改装して2020年夏にオープンした『こんにゃく寿司とかき氷 KON』です。熊本県小国町で教わった「こんにゃく寿司」と、各地の旬の食材を用いた「季節のかき氷」などを提供するお店で、かき氷は、刺繍作家でもあり『KON』オーナーの小林モー子さんと川又さんが共同でメニューを考えているそう。

季節のかき氷 万の日本茶付き
「季節のかき氷 万の日本茶付き」 ¥1,800〜(税込)。奥は「こんにゃく寿司4貫 南関いなり4貫」 ¥1,200(税込)

中でも「季節のかき氷」夏季限定メニューの「とうもろこしのかき氷」は、かき氷が溶けた後も「冷製コーンスープのような状態で二度楽しめる」と菅野さん絶賛のひと皿。「とうもろこしのみを使ったシンプルさがいいですよね。甘いものが苦手な人でも食べられる、甘じょっぱい“ごはん系”かき氷です」

ブラックペッパーをかけて食べる
別添で「マルドンの岩塩」「トリュフ塩」「ブラックペッパー」がついており、自分好みに味変しながら食べられるのが魅力

「そのまま食べると、とうもろこしの優しい甘味が感じられてスイーツ感があるのですが、塩やブラックペッパーを振って食べると、途端に上品なフレンチ料理のような味になります」と菅野さん。

溶けた後また違う表情を楽しめるかき氷
「かき氷って急いで食べなきゃって思いがちだけど、溶けた後にまた違った表情を楽しめるのが、このかき氷のポイントです」
菅野さん全身
今日紹介したかき氷は山盛りのメニューが多いですが、「かき氷ってたっぷり食べても罪悪感がないですよね」と菅野さん

「甘いケーキを丸ごと食べるのはちょっと気が進まないけど、かき氷だったらひとつの店で2、3個は食べられる(笑)。透明感があって涼しげで、見ているだけで癒やされるのも魅力的。年々、氷への愛が深まってますね」

最近は夏だけでなく年中かき氷を提供している専門店も増えています。かき氷の固定観念を覆す“進化系”のひと皿を目指して足を運んでみると、ひんやりとした新しい癒やしを味わえるかもしれません。

PROFILE
菅野結以

モデル

雑誌『LARME』『PECHE』などで活躍するモデル。10代の頃から『Popteen』『PopSister』の専属モデルを務め、「白ギャル」の文化を生み出しカリスマモデルと称される。初の著書『(C)かんの』から、最新写真集『Halation』まで7冊の書籍を発売。アパレルブランド「Crayme,」のクリエイティヴディレクターおよびデザイナーを務めているほか、各企業とのコラボやプロデュースアイテム多数。独自の世界観と美意識が絶大な支持を集めている。 TOKYO FM『RADIO DRAGON -NEXT- 』では豊富な音楽知識を生かしてパーソナリティーを担当しており、DJとしても活躍。

“文化系モデル”として各種オーディションの審査員を務める傍ら、サウナ好きが高じて熱波師としても活動中。生粋の氷好きで、2021 年には自身がプロデュースしたかき氷を新宿 ルミネ内のカフェ「wired bonbon」で発売。今年のプロデュースかき氷も鋭意制作中。SNSの総フォロワー数は約100万人に及ぶ。

Instagram:http://instagram.com/yui_kanno

Twitter:http://twitter.com/Yuikanno

公式LINE:https://line.me/ti/p/%40kannoyui

CREDIT

構成/大倉詩穂(Roaster) 文/赤木百(Roaster) 撮影/藤井由依

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