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人には聞けない…。気になる【デリケートゾーンのニオイ】の原因と対策

  • 2022.8.3
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デリケートゾーンの肌トラブルは、年齢を問わず女性に多いもの。でも、周囲の人にも話せず、病院にも行けず、悩みを抱えたままの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、特に夏になると多くなる【デリケートゾーンのニオイ】の原因と対策について紹介します。

デリケートゾーンのニオイが出やすいタイプって?

では、デリケートゾーンのニオイはどういうタイプの女性に出やすいのでしょう。デリケートゾーンのニオイが出やすい人の特徴を3つ挙げます。

(1)ムレやすい人

デリケートゾーンは尿、汗、おりもの、生理の血液やナプキンによって、常にムレやすい部位。尿や汗が付着した状態が続くと、ニオイの原因になります。また、ムレた状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、これもニオイの原因になるのです。

(2)生活習慣が乱れがちな人

健康な女性の膣内は常在菌によって酸性に保たれており、外から雑菌や病原菌が入ってくるのを防いでいます。これを膣の自浄作用といいます。しかし、睡眠不足やストレスなどでホルモンバランスが乱れると、膣内の環境が乱れて自浄作用が低下。それにより、膣内に雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイの原因になるのです。

(3)洗いすぎの人

デリケートゾーンを清潔にすることは大切ですが、膣内まで洗いすぎてしまうと膣内の酸性環境が乱れてしまい、自浄作用が低下します。すると、雑菌などが繁殖しやすくなりニオイの原因になるのです。

ニオイの不安を吹き飛ばす3つの対策

デリケートゾーンのニオイの悩みはしっかり対策することで解消できます。手軽にできる3つの対策を紹介します。

(1)清潔にする

デリケートゾーンに尿、汗、おりもの、血液などが長時間付着している状態はニオイの原因になります。ナプキンを使用しているときはこまめに交換するようにしましょう。

また、入浴時にはデリケートゾーンをしっかり洗うことも大切。ただし、膣の中まで石けんでごしごし洗うのではなく、シャワーの流水でやさしく洗い流しましょう。また、デリケートゾーン用の洗浄剤を使うのもおすすめです。

さらに、下着や衣服は、締めつけすぎないものや通気性の良いものを選ぶと、ムレの予防につながります。

(2)生活習慣を整える

睡眠不足やストレスがたまった状態が続くと、ホルモンバランスが乱れて、膣内環境が悪化し、デリケートゾーンのニオイが気になりやすくなります。睡眠はできるだけ夜間に6時間以上はとるようにしましょう。

また、ストレスはためこみすぎずに、運動、趣味、休養の時間などを作ることで小まめに解消するように心がけてください。

(3)漢方で内側からケア

デリケートゾーンの肌トラブルに悩まない体質をめざしたい方には漢方薬がおすすめ。漢方薬は医薬品として効果と安全性が認められており、婦人科や皮膚科でも自然由来の治療薬として使われています。バランスの取れた食生活や運動習慣を継続するのは大変という方でも続けやすいのも魅力です。

おりもの(こしけ)のニオイが気になる場合には、体内の水分の循環を改善することで老廃物や毒素を排出したり、かゆみを抑える抗炎症作用のある生薬を含むもののなかから、適した漢方薬を選びましょう。また、血流を良くすることで、皮膚に栄養が行きわたり、デリケートゾーンの乾燥やかゆみを根本から改善することもできます。

なお、デリケートゾーンの肌トラブルの症状に悩む方におすすめの漢方薬が下記2つです。

・消風散(しょうふうさん)…かゆみが強く分泌物が多い慢性の皮膚病に用いられる漢方薬

熱を取り除いてかゆみを鎮めるとともに、湿を取り除いてジュクジュクした分泌物を取り去る効果があるので、分泌物が多く、かゆみもあるデリケートゾーンのトラブルに効果を期待できます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)…のぼせ、肩のこり、疲れやすさ、精神不安やいらだちなどの精神神経症状がある方の冷え性、月経不順、更年期症状、不眠症などに用いられる漢方薬

栄養を運び、熱を取り去って赤みを冷やすはたらきのある生薬を含んでおり、ホルモンバランスの乱れを整える効果を期待できます。

ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあるので、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師に相談しましょう。お手頃価格で不調を改善したい、という方にはオンラインで気軽に薬剤師に相談できるサービスを利用して、AIと漢方のプロに効く漢方を見極めてもらうのもおすすめです。

デリケートゾーンのニオイには、ムレや膣内の自浄作用の低下が関与していることがあります。対策としては、清潔にすること、生活習慣を見直すこと、漢方薬を試してみることがおすすめ。ぜひ参考に、デリケートゾーンの不安を吹き飛ばしてくださいね。<text:皮膚科医/薬剤師 金城 里美 東京大学薬学部、東京医科歯科大学医学部を卒業。現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務中>

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