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本当は怒りたくないのに…毎日子どもの寝顔を見て落ち込むあなたへ【イライラとの付き合い方】

  • 2022.8.2
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暑い夏が始まり、気づけば夏休み。夏休みを心待ちにしていた子どもたちと、どう乗り切ろうかと頭を悩ますお母さんたち……。 「もちろん子どもと楽しく過ごしたい」「普段はできないような経験をさせてあげたい」 そう思ってはいても「お昼ごはんはどうしよう」「体力を持て余した子どもと家でどう過ごそう」と悩むお母さんたちもたくさんいます。 今日は公認心理師の筆者が「毎日怒ってしまって、もう疲れてしまった」という方に知ってほしいイライラとの付き合い方についてご紹介します。

「怒ってはいけない」と思ってはいけない

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怒りに限らず、感情というものは自分の意思とは関係なく心にわいてくるもの。感情そのものがわいてこないようにすることは無理なのです。

陰性感情(怒りや悲しみ)は感じてはいけないと思いがちなのですが、実はこの感情の存在を否定する行為こそが、陰性感情をより強く、長引かせます。 心が「腹が立つよ」と訴えているのに無視してしまうと、心はもっと強く「腹が立つんだよ!」と訴えてきます。 あなたも、誰かに声をかけてその人が「聞こえていない、気づいてくれない」と思ったら、声を大きくしたり、肩をたたいたり、手を大きく振ったり、とより強い刺激で相手に気づいてもらおうとするのではないでしょうか?

あなたの中に生まれた感情も同じです。せっかく訴えた感情に気づいてもらえていないのかもと思ったら、感情をもっと強く訴えようとしてくるわけです。 このことを心にとめておき、イラっとしたらまずは「あぁ、腹がたったんだな」と受け止めてみましょう

怒りの前に生まれた感情を探す

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怒りは二次感情といわれています。人は怒る前に怒り以外の感情を感じているので、最初に生まれた感情(=一次感情)を見つけて、その一時感情にそった行動することが大事です。 怒りはとても派手な感情なので、一次感情を見つけるのはなかなか難しいのですが、ひとつ例を挙げて考えていきましょう。

例えば、毎日同じことを注意しても子どもの問題行動が改善しないとき。「昨日も言ったでしょ!?」とつい怒ってしまいますよね。強い怒りでイライラして、感情が高ぶり、言いたくないことも言ってしまいます。

この場面での一次感情を探してみると…… ・自分が言った言葉を聞いてくれないことへの悲しさ ・自分の育て方が悪かったんだろうかという後悔 ・みんなについていけていないんじゃないだろうかという心配や焦り 一部の例にはなりますが、このような“悲しさ”や“心配”が一次感情になります。本当は“怒り”ではなく、“悲しさ”などの一次感情こそが相手に伝えたいものなのです。

実際に一次感情を伝えてみると、子どもはちょっとびっくりします。 「お母さんの言葉を聞いてもらえなくて、お母さん悲しいよ」「お母さん、心配なんだけど……」 こんな風に言ってみると、もはやBGMと化しているお小言のようには聞き流せなくなった子どもは「あれ、なんかいつもと違う。そうか、お母さんが怒っている理由は心配だからだったのか」と思い直し、行動がちょっとだけ変わる可能性が上がります

あなたが伝えたいのは「怒っている」ということではないはずです。子どもに怒るとき、親は子どもを「怖がらせたい」のではなく、子どもに「気持ちをわかってもらって行動を変えてもらいたい」はずです。 最初は少し難しいかもしれませんが、イラっとしたとき「本当はその直前何を感じていたのかな」と気持ちを探してみましょう。そして、その感情を相手に伝えてみましょう。

少し離れることも大事

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とはいえ、頭で考えるほどに怒りの感情を自分で分析して、穏やかに子どもに語りかけ続けるなんてことは、正直に言って無理です。 なぜなら、子どもはあなたにとって大事な存在だから。人は大事に思う相手にこそ、感情を強く揺さぶられ振り回されてしまうのです。 子どもにイライラするのは、あなたが母親失格だからでもなければ、愛情がないからでもなく、むしろ逆なのです。 怒るのはものすごくエネルギーを使います。そこまで一生懸命に子どもに向き合っている自分を褒めましょう

一生懸命だからこそ、思うように子どもが反応してくれないと腹が立つ。 それは自然なこと。10回感情的になるうちの1回でも一次感情を伝えられるようになったら十分です。あとの9回のうちの3回くらいは、感情的になる前に子どもから少し離れてみるのもいいですね。 その場にいて、言いたくないことを言ってしまって後悔するのなら離れることも一つの方法です。

判断基準はあなたの笑顔

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笑顔で過ごしたいという気持ちは親も子も同じはず。もしあなたが、何かをやるかどうか迷ったら、あなたが笑顔になれる方を選びましょう。 母親が自分を大事にする姿を子どもに見せることは、子どもが自分を大事にする方法を学ぶために大事なことだと意識してみて。 まずはあなた自身を大事にする。イライラが続いたときは、がんばり過ぎのサインです。「母としてこうすべき」を後回しにして、あなたが笑顔になれる何かを探してみましょうね。

文:竹原 久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)

【画像】foly、よっちゃん必撮仕事人、takeuchi masato、SHO_photograph、Ushico / PIXTA(ピクスタ)

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