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「メンタルよわよわ」な彼女を救ったのは、祖母だった。

  • 2022.8.1

「うつ」「ADHD」「無職」......だけど、私には祖母がいる!

うつの診断を受けて実家に帰ると、せっかちだった祖母の性格が丸くなっていた。祖母のおちゃめな日常を漫画にして発信したところ、SNSで話題になり、書籍化まで。こんないきさつで、こうのみさとさんは現在「祖母漫画家」として活動している。

『うつには祖母がよく効きます』(旬報社)は、そんなこうのさんが、うつ経験を赤裸々につづったエッセイだ。

13歳、中学1年生で学校に行けなくなり、最初のうつを発症したこうのさん。市の適応指導教室や、不登校の受け入れをしている私立高校を経て持ち直し、大学に進学するも、新卒で教師になると、再びうつを発症してしまう。

退職して地元に帰り、市の地域おこしの仕事に就くが、楽しくノンストレスなはずの環境でなぜか再びうつに......。二転三転の末に帰ってきた実家で、こうのさんは「祖母漫画」を通して自分や家族と向き合っていく。

本書は、ハルエさんや家族のほか、高校の先生や一時住んでいたシェアハウスの人々など、周りの人のあたたかさが印象的だ。うつでつらかったことに加えて、どんな人に支えられ、どんなふうに前を向けたのかがつづられているので、今つらい思いをしている読者の助けになるだろう。

さらに、父との関係が微妙だったことも包み隠さず語っている。最近ようやく父との関係が少し変化したというこうのさん。家族とぎくしゃくしている読者にとっても、関係性づくりの良いヒントになるかもしれない。

エッセイの途中には「祖母漫画」がはさまっていて、重たい話のあとでもほっこり笑える。

「祖母漫画は、今や家族の潤滑油です。」

本書を読んだら、きっとあなたもおばあちゃんや家族に会いたくなるはず。

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