1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【渋谷】かこさとし展で今年の夏は童心に帰ろう

【渋谷】かこさとし展で今年の夏は童心に帰ろう

  • 2022.7.31
  • 1733 views

絵本作家、かこさとしさん。彼の絵本は、日本人なら誰でも一度は手に取ったことがあるのでないでしょうか。

この夏、Bunkamura ザ・ミュージアムで「かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと」が開催されています。先日報道内覧会にお邪魔してまいりました。今回は懐かしく、あったかい気持ちになれる「かこさとし展」のレポートです。

実は科学者だった!かこさとしの半生

会場は渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム。地下1階のエスカレーターを降りたらすぐ。

出典:リビング東京Web

子どもの頃から絵を描くのが大好きだったかこさとしさんですが、大学は工学部に進学。「世の中の役に立ちたい」と科学者を志したそう。そんななか戦争に突入します。東京に住んでいたかこさとしさんは空襲で自宅が消失、疎開先で終戦を迎えます。

卒業後は研究者として勤める一方「子どもの役にたてることをしたい」と、子ども会活動のボランティアに参加。紙芝居を作り、子どもたちに披露していました。絵本作家かこさとしとしての活動は紙芝居から始まった、ともいえるかもしれません。

出典:リビング東京Web

右から ゴリさん 1955年頃 七人の男 1955年 工業地帯 1955年頃 工場 1955年頃

当時の油絵。勤務していた昭和電工の労働者を描いた作品がたくさん展示されていました。絵本のイメージとは違うなぁと思いましたが、懸命に働く人々への優しいまなざしを感じます。実際の絵画を間近にみると、そのあたたかさが伝わってくるようでした。この「あたたかさ」こそが、かこさとしさんの作風、作品全体に流れるイメージだなぁと感じました。

童心に思いっきり回帰。懐かしい!

戦後、子どもたちのために「日本らしい」絵本を作りたいと考えていたかこさとしさん。日本では馴染み深い”だるま”を主人公に作品を生み出しました。それが「だるまちゃん」シリーズ。

出典:リビング東京Web

だるまちゃんとてんぐちゃん 1967年 福音館書店 右下:だるまちゃんとてんぐちゃん(下絵)1967年

てんぐちゃんもだるまちゃんも、その迫力を残しながらなんともいえずに愛らしい。なかなか両立できない「写実」と「愛嬌」を兼ね備えた絵。だからこそ説得力のある、子どもから大人まで愛される絵本として、ずっとずっと受け継がれているんですよね。

私が大好きだった「からすのパンやさん」シリーズ。

出典:リビング東京Web

からすのパンやさん 1973年 偕成社

働き者のからすのお父さんとお母さんが、ありとあらゆるパンを作り、それが絵本いっぱいに描かれていたのが、とてもとても印象的でした。くいしんぼだった私は「大きくなったらこのパンを全部制覇しよう!」とワクワクしたのを思い出しました。

『どろぼうがっこう』

出典:リビング東京Web

左: どろぼうがっこう 1973年 偕成社

どろぼうという悪者を養成する学校のお話なのに、先生も生徒も憎めないというか、なんともいえず魅力的なんですよね。だから幼かった私でも読み進めることができました。ここにもかこさとしさんの優しさを感じます。

『にんじんばたけのパピプペポ』『おたまじゃくしの101ちゃん』

出典:リビング東京Web

右:にんじんばたけのパピプペポ 1973年 左:おたまじゃくしの101ちゃん 1973年 いづれも偕成社

にんじんをたべたら、よぼよぼしていた登場人物たちがパッチリ元気になっていくのがとても印象的でした。にんじんは栄養がある、と日本人の多くが漠然と思っているのは、この絵本の影響もあるのでは?と思ってしまうぐらい、この絵本の視覚効果は抜群でした。

『おたまじゃくしの101ちゃん』は、お母さんが死んじゃう。そのことが印象的でストーリーが思い出せないほど。お母さんの死が子ども心に恐怖だったのだと思います。それも、大切な記憶。

それぞれの絵本の展示、それぞれに見覚えがあり、そのストーリーと共に様々な記憶がよみがえってきました。夏休みに学童の畳の上で寝っ転がりながら読んだこと。友達が遊びに来た時「どのパンが一番食べたいか」について語り合ったこと。私の記憶の中に、かこさとしさんの絵本は確実に存在していました!

オトナ買いしたいグッズたち。

グッズショップも充実しています。

出典:リビング東京Web

ぬいぐるみが可愛すぎる。一番お気に入りだった絵本のキャラクターのグッズを連れて帰るのもいいですよね。ちなみに私の推しは「レモンちゃん」。『からすのてんぷらやさん』でステキな女性になったレモンちゃんの奮闘ぶりとハッピーエンドが印象的でした!

フォトスポットもありますよ。

出典:リビング東京Web
出典:リビング東京Web
出典:リビング東京Web

好きなキャラクター、好きなパンの前で写真が撮れます。思いっきり童心に帰って、映える写真を撮りましょう!


私の子供時代の記憶の中に、かこさとしさんの多くの絵本が温かい思い出として存在していたことを思い出した時、とっても心があたたかくなりました。この夏、あなたもほっこりあったかい記憶に浸ってみませんか?ぜひ、足を運んでみてください。

『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 開催情報 開催期間 2022/7/16(土)~9/4(日) ※7/26(火)休館 開館時間 10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで) ※金・土の夜間開館につきましては、状況により変更になる場合がございます。 ※会期中のすべての土日祝および8/29(月)~9/4(日)は一部オンラインによる入場日時予約が必要です。 会場 Bunkamura ザ・ミュージアム 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル) かこさとし展 ㏋

元記事で読む
の記事をもっとみる