「エアコン掃除」はサボるとどれだけ無駄？　意外な“NG行動”と掃除のメリット、ダイキンに聞いてみた！

2022.8.17

「エアコンは掃除した方が電気代が節約できる」という噂を聞いたことはありませんか？しかし、たとえ聞いたことがあっても「節約術として本当に正しいのか」悩んでいた方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、気になるその真相をズバリ専門家に聞いてみました！

お答えいただいたのはダイキン工業の由井明日香さん。例年以上に暑さの厳しい2022年の夏を乗り切る上で、きっと参考になるはずですよ。

ズバリ！エアコンは掃除した方が電気代を節約できる？

--さっそくですが、うわさの真相についてお聞かせください。「エアコンは掃除した方が電気代の節約になる」と聞きますが、本当のところいかがでしょうか？

由井明日香さん：室内機のフィルターにホコリが溜まっていると、部屋を冷やすのに時間がかかり、無駄な電力がかかってしまう傾向があります。

--やはり…！うわさは本当だったんですね。ちなみに、具体的にどれぐらい違ってくるのでしょうか？

同：フィルターを一年間掃除しなかった場合、約25%の無駄な消費電力量が発生する場合があると試算されています。

--そんなに！

また、当社では、エアコンの使用実態も考慮し、「10年以上前のエアコン」と「約3年分のホコリが溜まったフィルター」を用いて実験してみました。実験では、室内機のフィルターに約3年分のほこりが溜まっていた場合、48.9%の無駄な消費電力量が発生するという結果となりました。これを掃除すると、今回の実験で使用したエアコンの場合であれば1ヵ月あたり800円（※）の電気代削減につながります。

（※:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会電力料金目安単価 31円/kWh［令和4年7月改定］にて算出）（実験条件：「フィルター掃除あり」の場合と「フィルター掃除なし」の場合で、それぞれ日中9時間（9:00～18:00）、エアコンをつけっぱなしにして消費電力量を計測しました。）

--なるほど。エアコンの掃除は面倒ですが、定期的に行う必要がありそうですね…。

実は無駄な電力消費につながっている！？今日からやめたい、NG行動

--エアコンを掃除する重要性がよくわかったのですが、そのほか節約するにあたり気をつけた方がいいことはありますか？

同：室外機周辺に風通しを遮る障害物がある場合も無駄な電力の消費につながります。

--物の配置は盲点でした！こちらも、具体的にどれぐらい違ってくるかお聞かせいただけますか？

同：先ほどお話ししたように、フィルターに約3年分のホコリが溜まり、なおかつ室外機周辺に障害物が置いてある場合、105.1%の無駄な消費電力量が発生する結果となりました。このフィルターを掃除して室外機周辺の障害物も片付けると、今回の実験で使用したエアコンの場合であれば1ヵ月あたり1,720円（※）の電気代削減につながります。

（※:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会電力料金目安単価 31円/kWh［令和4年7月改定］にて算出）（実験条件：「フィルター掃除なし」で室外機周辺に「障害物あり」の悪条件と、「フィルター掃除あり」で室外機周辺に「障害物なし」の好条件で、それぞれ日中9時間（9:00~18:00）、エアコンをつけっぱなしにして消費電力量を計測しました。）

--我が家の状況がどうなっているか。帰宅したらすぐに確認したいと思います！

小さな一歩から！カーボンニュートラルな取り組みにも

同：消費電力を抑えることで得られるメリットは電気代の節約だけではないんです。

--それは興味深いです。詳しくお聞かせいただけますか？

同：実はCO2排出量の削減にもつながります。近年、カーボンニュートラルが呼び掛けられていますが、興味はあるけれどご家庭でどうすればいいのかわからない、と悩んでいる方は「フィルター掃除」「室外機周りの整理整頓」から始めてみるのはいかがでしょうか。小さな取り組みですが、その継続は、将来のために求められるカーボンニュートラルに貢献できる取り組みのひとつだと考えています。

--電気代を節約しながら、カーボンニュートラルな取り組みも行えるのはうれしいですね。生活を大きく変化させる必要もなく、ちょっとした意識と行動の変化で取り組めるためハードルも低そうです。

「エアコン掃除」で「節約」と「環境貢献」を！

エアコンを掃除することは、電気代の節約だけでなくカーボンニュートラルな取り組みにもつながることがわかりました。「ちょっと面倒だから…」と放置気味になっている方もいらっしゃるかもしれません。

自分のため、そして環境のために、ぜひ見直してみてはいかがでしょうか？

今回取材したのは…

取材した方：由井明日香さん
ダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室広報G

筆者：松本陸杜／ライター
カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。