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「マイナンバーカード」って? 意外と知らない“セキュリティ”と活用のメリット、専門家に聞いてみた!

  • 2022.8.23
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マイナポイント事業PR事務局より提供

「マイナポイント第2弾」も実施され、ますます注目を集めている「マイナンバーカード」。

しかし、いざ「マイナンバーカードについて説明してみて!」と聞かれたら、みなさんは正しく答えられるでしょうか?

そこで今回は、その安全性にも触れながら、専門家の冨田勝己氏に詳しく教えていただきました。

なぜ「マイナンバーカード」を普及させたいの?

出典:Halfpoint / shutterstock.com
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——「マイナンバーカード」は、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー(個人番号)と本人の顔写真等が記載された、プラスチック製のICチップ付きカードですよね。

なぜ政府は、これほどまでに普及させることを目指しているのでしょうか? 行政サービスに「マイナンバーカード」を導入することのメリットを教えてください。

冨田勝己氏:マイナンバーカードというよりは、行政サービスにおける個人の特定をマイナンバーで行うようにすることで、そのサービス提供において必要な添付書類の削減や事務処理の削減がなされることが期待されています。

またこれらは国民にとっても(複数の証明書を管理することも含めた)手続きの煩雑さから開放され、行政サービスの利便性が高まる事にもなります。

いつ・どんなときに使えるの?

——「マイナンバーカード」はどのような場面で使うことができるのでしょうか?

同:身近なものでは、たとえば、おくすり手帳、オンラインでの確定申告(e-Tax)、印鑑登録証明書、ハローワークカード、学生証などに使うことができます。また、コンビニなどで各種証明書を取得することもできますよ(※)。

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——それはありがたいですね! 市役所に行く時間がなかったり、突然必要になった際にとても便利だと思いました。

ちなみに、今後どのようなサービス展開が予定されているのでしょうか?

同:処方箋の電子化や運転免許証、社員証、運転経歴証明書、公共交通サービスでのICカード代わりなど、様々な分野での利活用が検討されています。

(※)市区町村によりサービスは異なります。

セキュリティは大丈夫?

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マイナポイント事業PR事務局より提供

——今後「マイナンバーカード」でできることはますます増えていくんですね。もちろんそれは素晴らしいことですが、どうしてもセキュリティ面に不安を感じてしまいました。いったいどのような対策が取られているのでしょうか?

同:電子証明書機能や顔写真掲載、ICチップにおけるプライバシー性の高い個人情報の非保持など、紛失や盗難、スキミング、盗み見といった事態を想定して、マイナンバーカードには高いレベルでのセキュリティ対策が従来から講じられています。

一方で、マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォン搭載をはじめとした新たな用途・サービス拡充に際しても、そのセキュリティレベルを維持した形で行われるよう、検討が進められています。

——利便性を高めつつ、安全性を損なわないよう慎重に進めているんですね。

ところで、「マイナンバーカード」は安全性を確保するために「分散管理」の仕組みを採用していると聞きました。しかし、その具体的なメリットが生活者にはわかりづらいように思われます。この点について教えていただけますか?

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提供データを元にTRILLニュースで作成

同:これは、「管理側において、万一漏洩が起きた際における被害の大きさ」という観点で捉えるのが良いと思います。例えば行政機関ごとにそれぞれが所管する情報を別途管理しているのであれば、仮に1機関で漏洩が起きたとしても、その被害に遭うリスクにさらされる情報は、その機関が管理しているもののみになります。これが分散管理ではなく、どこかで一元的に管理されている場合では、すべての情報がその被害に遭うリスクにさらされることになります。

——なるほど。「マイナンバー制度」には“国があらゆる情報を監視する”といったような誤解もありますが、実際にはむしろその反対の仕組みを取ることで、確かな安全性を確保しているんですね。

今「マイナンバーカード」を作るメリットって?

出典:Halfpoint / shutterstock.com
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——今までのお話の中で、「マイナンバーカード」はとても安全性が高いものであることが理解できました。今なら「マイナポイント第2弾」も実施されており、1人最大2万円分のマイナポイントを受け取ることができるのも魅力的ですよね。

ちなみに、ほかにも今「マイナンバーカード」を作るメリットはあるのでしょうか?

同:現在は、銀行や証券、決済サービスにおける口座開設などでの本人確認を、(マイナンバーカードの読取りを行える)スマートフォンとマイナンバーカードで行えるものが出てきています。これらは書面でのやり取りに比べると大幅に手間を削減できるし、(持ち歩くことに不安を抱かれる方にとっても)ご自宅で行えるので、機会があれば是非試されると良いと思います。



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取材した方:冨田勝己氏
2001年野村総合研究所入社 、コンサルティング事業本部配属。専門は顧客基盤を活用したサービスや事業の企画~立上げ、実行支援。主にポイントプログラムやキャッシュレス決済サービスに関するプロジェクトが多いが、個人情報保護やデータ利活用に関するものも手掛けている。小売全般、運輸・交通、金融(クレジット、銀行)、旅行代理店、通信、エネルギー、中央省庁など、携わっている業界は多種・多様。ポイントやキャッシュレス決済に関しては、セミナー等での講演や各メディアへの出演・執筆も多い。



筆者:松本陸杜/ライター
カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。

図解イラスト作成:たまちゃん