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『かきごおり』【今日の絵本だより 第304回】

  • 2022.7.27

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

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『かきごおり』 石津ちひろ/作 植垣歩子/絵 講談社 1540円

今年も、夏休みシーズンに突入ですね。 園や学校がお休みになって、朝から晩まで子どもたちの3食のことで頭がいっぱい、という方も多いはず。 ハードな日々だからこそ、ふっと息抜き、お楽しみも大事ですよね。 そんなこの時期ならではの、食のお楽しみといえば、まさにこちら。 昨月発売になったばかりの絵本、『かきごおり』をご紹介します。

青い空にギラギラ太陽が照りつける、こんな日にはやっぱり、かきごおり! 画面いっぱいに現れたのは、黄色と茶色の、どーんと大きなかきごおり。 たっぷりかかっているのは、はちみつとメープルシロップです。 「カァ~ カァ~ あつカァ~」 と、最初にやってきたのは、からす。 特大のかきごおりのてっぺんをこつこつ、こつこつ、 「わー うまカァ~」。 お次にやってきたのは、きりん。 長い舌で、かきごおりを横からぺろぺろ、ぺろぺろ。 その次にやってきたごりらは、かきごおりに登ってごりごり、ごりごり、 「おーっ うまいぞ~」 おや、気づきましたか? 「からす」 「きりん」 「ごりら」 と来たら、次に来るのは……?

作者は、言葉遊びの達人、石津ちひろさん。 画家は、コドモエのえほん『すっぽんぽんのはだかんぼう』でもおなじみの、植垣歩子さん。 次々やってくる動物たち、みんなで食べてもなかなかなくならない特大のかきごおり、そして声に出して楽しいリズムの言葉。 「しゃりしゃり」「かりかり」「がりがり」と、かきごおりのオノマトペも涼やかに。 最後の言葉は、ぜひ親子で声を合わせてご一緒に! 読み聞かせもちょっとしんどい……なんて夏バテ気味の大人を助けてくれる、ひんやり楽しい一冊です。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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