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縄文はファンキーだ!5,000年前のデザインに迫る

  • 2022.7.21
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縄文のビーナス、重要文化財の縄文土器、中空土偶
水煙文土器
「ヒモ状の粘土で渦を描き、別の渦とぶつけたり繋げたり。きっとノリノリで作ったんでしょうね。手が気持ちよく動いていたことが、伝わってきます」と佐藤さん。水煙文土器。高さ83㎝。安道寺遺跡出土。山梨県立考古博物館蔵。

「なんだこれは⁉」。かつて上野の博物館に出かけた芸術家の岡本太郎はそう叫んだ。目の前には激しく渦巻く縄文土器。胸の奥をぐわんぐわんとかき乱され、「こんな日本があったのか。いや、これこそが日本なんだ」とつぶやいた。

「なんだこれは⁉」。今回、山梨県のとある博物館でグラフィックデザイナーの佐藤卓さんも驚いた。目の前には、八ケ岳山麓の中部高地から出土した大型土器。

「こんなにすごい3Dデザインを、当時の人が作っていたなんて!」

縄文時代は、旧石器時代が終わった約1万6000年前から1万年以上も続いた長い時代。狩猟採集と定住を始めた人々は、身近にある粘土で土器や土偶をこしらえた。日本各地で地域色豊かな土器と土偶が作られた中、とりわけ大胆で奇怪でファンキーな造形が生まれたのが、八ケ岳周辺の中部高地。縄文中期と呼ばれる約5000~4000年前のことである。

そんな唯一無二のデザインを訪ね、山梨・長野の縄文博物館へ!

美しい桃尻を持つ、国宝の土偶《縄文のビーナス》。茅野市蔵(茅野市尖石縄文考古館保管)。
愛称は“いっちゃん”。重要文化財。山梨県立考古博物館蔵。
中が空洞の中空土偶。北杜市考古資料館蔵。
体の文様がすごい。始祖女神像。井戸尻考古館蔵。
割れた土偶の顔トリオ。釈迦堂遺跡博物館蔵。
身長約5㎝の通称“ちびーなす”。北杜市考古資料館蔵。

profile

グラフィックデザイナー・佐藤卓

佐藤卓(グラフィックデザイナー)

さとう・たく/1955年東京都生まれ。グラフィックデザイナー。《明治おいしい牛乳》《ロッテキシリトールガム》などのパッケージデザインや広告で知られる。縄文好きが高じて、2012年には『縄文人展』(国立科学博物館)を自ら企画。写真集『JOMONESE』も刊行した。

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