清浄心院と有力大名家等とのつながりがわかる寺宝を公開する、「夏の寺宝展」が開催

高野山別格本山清浄心院は、7月1日(金)～8月31日(水)の期間、「夏の寺宝展」を開催している。

同展は、清浄心院・高野山文化歴史研究所にて同院の文化財の調査・研究の中で発見された宝物を順次公開する特別展だ。

今回は清浄心院と有力大名家等とのつながりがわかる寺宝を2点、公開。また、宿泊者は無料となっている。

記事冒頭画像の「佐竹義重宿坊証文(さたけよししげしゅくぼうしょうもん)」は、戦国武将の佐竹義重が清浄心院へ発給した文書。内容は佐竹義重個人にだけでなく、佐竹家の家臣・領民が高野山参詣をした時は、必ず清浄心院で宿泊するという宿坊関係を取り交わした証文(契約書)となっている。

安土桃山時代末期の慶長4年(1599)のものでこの当時、佐竹氏は常陸国(現在の茨城県周辺)54万石を領していた。

諸侯方其外年頭状木札配進録(しょこうがたそのほかねんとうじょうきふだはいしんろく)は、江戸時代末期の文久元年(1861)に認められた記録。

新年を迎えるにあたり、清浄心院と宿坊関係にあった大名・旗本・有力町人への「御札」を配った際の控えだ。佐竹家をはじめ、松平大和守家(結城秀康(徳川家康の二男)の五男直基からはじまる)・大関家(栃木県)・大田原家(栃木県大田原市)・松前家(北海道松前町)などの大名の名が記されている。

有力町人としては、後に東京の白木屋デパートと発展する江戸三大呉服店の一つの大村氏の名が見られる。

同展の拝観方法を説明したい。

同展は、11時～、12時30分～、16時～の拝観時間があり、希望の時間を電話で予約しよう。拝観料は護摩木1本(1,000円)。

予約の時間までに清浄心院受付に集合。時間になったらスタッフが、客殿・霊牌堂(阿弥陀如来像/運慶作・重要文化財)・大台所・囲炉裏の間(寺宝展会場)を順番に案内してくれる。その他詳細に関しては同院公式サイトで確認できる。

清浄心院と有力大名家等とのつながりがわかる寺宝2点が公開中の「夏の寺宝展」へ足を運んでみては。

■夏の寺宝展会場：高野山別格本山清浄心院住所：和歌山県伊都郡高野町高野山566番地期間：7月1日(金)～8月31日(水) 公式サイト：https://shojoshinin.jp/