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水面にいる「みずすまし」は、水面にいるために面白い進化をしていた!

  • 2022.7.15

「みずすまし」は水たまりや沼、池など水があるところに生息していている昆虫です。 群れをなして水面をクルクルと泳ぎ回っています。

水面を素早く泳ぎ回るみずすましは、水面での生活に特化した独特な体のつくりをしていて、水面にいるために進化を遂げたのです。 ここではみずすましの生態や特徴などをご紹介します。

みずすましとは

 

みずすましは池や川、沼などの水面で、いつもクルクルと活発に旋回している昆虫です。 かつては水たまりならどこにでもいるというほど多くの姿を見ることができた昆虫でした。

みずすましの生息場所

みずすましは、池や川の緩流域に生息していて、沼や水たまりなど水があればどこでも生息できます。 日本では3属17種類が生息していて、日本全国に分布しています。

かつてはいたる池や沼などの水面でその姿を見ることのできる生き物でしたが、現在では自然環境などの変化からその姿を見る機会はぐっと減ったとされます。 実際、種によっては環境省により「国内希少野生動植物種」にされていたり、都道府県によっては地域の絶滅危惧種に指定されていることもあります。

みずすましの大きさと姿

みずすましの体長は6~7.5㎜と1㎝に満たないほどの小型の甲虫です。 背面は光沢のある黒色をしており、楕円形で腹背に扁平な体型をしています。

触覚は短く、脚は6本ともすべて体の下に隠すことができます。 前脚は細長いのに対し、中脚、後脚は非常に短くなっています。

ただし沖縄に生息するオキナワオオミズスマシという種は例外で、この種に関しては体長が2cmほどの大きさとなります。 国内では最大種とされていますが、世界的に見ても最大級の大きさなんだとか。

みずすましの食事

みずすましは非常に小さいながらも肉食です。 水面上にいる小動物や、水面に落下したほかの昆虫類、水面で羽化したばかりの水生昆虫の成虫などを餌として捕食します。

みずすましの生態

みずすましはいつも水面でクルクルと活発に旋回しているのが特徴的です。 中脚と後翅は平らになっており、これらを細かく動かすことによって、速いスピードで泳ぐことができます。

多くは昼行性ですが、中には流水性のオナガミズスマシ類のように夜行性のものもいます。 この種は夜間にだけ水面に浮上して活動しています。

幼虫の頃は腹部にあるエラが発達しているため、成虫と違い呼吸するために水面にいる必要はありません。 そのため幼虫のみずすましは水中でもっぱら活動しています。

みずすましの目は4つある!

 

みずすましは水面での生活に特化した独特な体の構造をしています。 特にそれが分かるのが、目が4つあるという点です。

みずすましの目

みずすましの4つの目は、水面から上に2つ、水中に2つあります。

4つ目があることで、水面より上と、水中を同時に見ることができるのです。 みずすましに4つも目があるのは水面という水中にも上空にも敵がいるという環境に適用した結果とされています。 上空の鳥と水中の魚、どちらにも備えているのです。

みずすましの目の弱点

みずすましは4つも目があるのですが、実は正面を見ることができません。 4つの目は上空と水中の敵を探すために適していますが、前を見ながら移動することには向いていないのです。

水面が見えないみずすましの餌の探し方

水面を見ることができないみずすましは、触覚を使って獲物を捕獲します。 みずすましは中脚と後脚を高速で動かすことで、水面をクルクルと旋回して波を立てています。

みずすましの触覚の付け根には感覚器官があり、自分が旋回して立てた波に何かがぶつかって反射してきた様子から、昆虫が落下したことを知ることができるのです。 また、この触覚を使うことで水面の障害物を避けることもできます。

同じくみずたまりにいる「あめんぼ」との違い

 

水の上をすいすい泳ぐ昆虫と言えばあめんぼもいますよね。 では、みずすましとあめんぼはいったい何が違うのでしょうか?

分類上の違い

ミズスマシはゲンゴロウに近い仲間で、分類上はコウチュウ目オサムシ亜目ミズスマシ科の落下昆虫を食べる肉食昆虫です。 一方、アメンボはカメムシの仲間で、カメムシ目カメムシ亜目アメンボ科に属する昆虫の総称です。

生息場所が偶然にも両者ともにみずたまりなどの水面だっただけで、全く異なる生物体系をしています。

水面にいる方法

ミズスマシとアメンボはどちらも水面で生息していますが、水面にいる方法が異なります。

ミズスマシは水面に腹ばいに浮いています。 それに対しアメンボは、6本の脚の先で立ち上がるように浮いています。

注意!アメンボを別名で「みずすまし」ということも!

実は、アメンボは別名で「みずすまし(水澄し、水馬)」と呼ばれることもありいます。 特に関西地方での呼び名で、水面をすいすいと走り回る姿からアメンボのことを「みずすまし(水澄し)」と呼ぶことがあるとされます。 甲虫のみずすましと混同しないように気を付けたいですね。

まとめ

水面をクルクルと旋回している姿が特徴的なミズスマシは、水面で生活しやすいように4つの目を持っています。 その4つの目を使って上空の鳥、水中の魚から襲われないように身を守っています。 しかし、水面を見ることができないので、獲物を捕獲する時には触覚を使って獲物が落ちたことを確認し捕食します。

同じく水面で生活しているアメンボとは細かい点で違いがあります。 かつては日本全国でその姿を見られる甲虫でしたが、現在ではその数を減らし地域によっては絶滅危惧種とされていることもあります。

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