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流産のリスクも? 働く妊婦が「マタハラ」から身を守るポイント3つ

  • 2015.10.13
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【女性からのご相談】

最近、マタハラという言葉をよく耳にするようになりました。私自身、結婚して妊娠しても仕事を続けるつもりでいます。しかし、今の職場で妊娠中や出産後にも続けて働けるのか不安です。今のところ前例もありません。マタハラがどういうものなのか、 現状はどうなのかを教えてください。

●A. 流産の原因にもなり得るマタハラに、まず気づくことが大切です。

ご相談ありがとうございます。ウェブライターのうぇぶりんです。

マタハラとは、マタニティハラスメントの略語です。つまり、妊娠・出産したことにより、女性が受ける精神的や肉体的な嫌がらせのことです。現在では、セクハラよりも深刻な問題であると言われています。復職したときに子どもの預け先がないなど、保育園の待機児童問題とも関連して気づかぬうちに、マタハラを受ける環境にいることも少なからずあるようです。

大事なことは、まずマタハラに気づくことです。妊娠した女性を受け入れない、または理解が足りない環境を当たり前と思わないことです。そのために大切なポイントをまとめました。

●マタハラから身を守るためのポイント3つ

●(1)“妊娠したから退職!”は、当たり前ではありません

連合(日本労働組合総連合会)が2014年度に行った全国の20代から40代の働く女性を対象にした意識調査によると、自分がマタハラの被害者だと認識している女性は全体の26.3%でした。これはセクハラされたことがあるという回答を大きく上回る数字だそうです。

NPO法人 マタハラnetに寄せられた事例によると、「大事な赤ちゃんに何かあってはいけないから」と、上司に暗に退職をほのめかされたり、妊娠した社員がやむを得ず早退したり、産休・育休を取得したりすることにより、それをカバーさせられる女性社員から、言葉や態度で嫌がらせを受けるなど、マタハラの環境はさまざまです。

しかし、それらを決して当たり前だと思ってはいけません。結婚したら、妊娠したら、出産したら会社を辞めるという、一昔前の価値観の押しつけも、働きたい女性にとってはマタハラになりかねません。それらを決して当たり前だと思わずに、おかしいと感じたら第三者に相談するなりし、声に出してみることです。

また、前述のマタハラnetのように、経験者や当事者が集うサイトもあります。自分と同じ悩みを持つ仲間がいて、その人たちがどのように乗り越えてきたのかを知るだけでも大きな励みになるのではないでしょうか。

●(2)我慢は美徳ではありません

上記の意識調査によると、ハラスメントを受けた際の対応として一番回答が多かったのが、『我慢した』でした。悔しいけれど、これ以上の仕打ちを受けないならと考える女性も少なくないということですね。また、主張することにより退職や休職に追い込まれた女性もいるといいます。それらを避けるためなら、多少の我慢は必要と考える女性が多いということかもしれません。

私の同僚が妊娠中に、電車の優先シートに乗っているときに、近くに座っていたお年寄りから、聞えよがしに、「妊娠は病気ではないのにねぇ。」と言っていたのが聞こえ、とても悔しい思いをしたと言っていました。昭和の時代を頑張って生きてきた先輩方には、甘えに映ってしまう場合もあるのかもしれません。ツラいところです。

まずは、妊娠バッチを誰の目にも見えるところに着けておきましょう。自分は間違ったことはしていないという気持ちを自分自身が持つことが大切です。

●(3)細かくメモを取りましょう

妊娠の権利は、男女雇用機会均等法によって保護されています。つまり、妊娠を理由にした解雇や不当な配置換えなどは禁じられているのです。しかし、現実はそう簡単ではありません。言葉でのマタハラがどれほどの影響を与えたかはっきりさせることは難しいし、流産や死産の原因がマタハラによるものと立証することもたやすいことではないからです。しかし、いざというときに備えておくことは、自己防衛する上で大切なことです。

そのためにも、細かくメモを取っておく習慣をつけることも必要なことでしょう。マタハラを受けたと思ったら、誰に、いつ、どのように言われたかなどを詳細にメモしておきましょう。このような記録が役に立ち、職場復帰できた経験者も少なくありません。自分のことは自分で守るしかないのです。

【参考リンク】

・第2回 マタニティハラスメント(マタハラ)に関する意識調査 | 連合(日本労働組合総連合会)

●ライター/うぇぶりん(児童英語講師)

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