フレッド・アステア入門におすすめの3作

教えてくれた人：篠儀直子（翻訳家、映画評論家）

ミュージカル映画を知るにはアステアの作品を観よう。

1940・50年代はハリウッドにおけるミュージカル映画の黄金期。
「古い映画なんて」と言わずにそれらの作品を観るべき理由は、『ラ・ラ・ランド』をはじめ、近年注目を集めるミュージカル映画にも影響を与えており、オリジナルを知れば現在の作品もより楽しめるから。

そのはじめ方として、翻訳家であり映画評論家でもある篠儀直子さんが提案してくれたのは、ミュージカル俳優フレッド・アステアの作品を観るということ。
「1899年生まれのアステアは幼少期よりダンサーとしてショービジネス界に参入し、舞台のミュージカルで大スターに。

1933年に映画俳優デビューして以降、ミュージカル映画でもスターになります。彼の特徴は、とにかく軽快で粋なこと。
『バンド・ワゴン』『有頂天時代（スイング・タイム）』『イースター・パレード』は、彼の粋なダンスや歌声が堪能できると同時に、ストーリーも楽しく、ミュージカルに馴染みのない人でも楽しめると思います」

入門におすすめの3作。

Information

『バンド・ワゴン』

アステアが演じる落ち目のミュージカルスターが、再起を懸けてブロードウェイ作に挑む、映画史上に残る傑作。'53米／監督：ヴィンセント・ミネリ／ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント／¥2,619。

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『有頂天時代（スイング・タイム）』

名コンビ、アステアとジンジャー・ロジャースの共演作。「2人のダンスは、アステアが女性を美しく見せることに秀でていた人だとよくわかります」。'36米／監督：ジョージ・スティーヴンス／IVC／¥2,750。

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『イースター・パレード』

アステア演じるダンサーが、場末でスカウトした女性（ジュディ・ガーランド）とコンビを組み、スターになる。'48米／監督：チャールズ・ウォルターズ／ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント／¥2,619。

profile

篠儀直子（翻訳家、映画評論家）

しのぎ・なおこ／愛知県生まれ。主な訳書に『フレッド・アステア自伝 Steps in Time』『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』『エドワード・ヤン』など。

twitter：@phyl705