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「トップガン」が上映中止?著作権侵害で訴えられた理由とは?

  • 2022.7.9

映画「トップガン マーヴェリック」を巡り、米パラマウント・ピクチャーズが著作権侵害で訴えられました。なぜこのような事態に陥ったのか、本記事ではその理由について解説します。

■そもそも「トップガン マーヴェリック」はどんな映画?

2022年5月27日に日米同時公開された「トップガン マーヴェリック」。全世界を熱狂させた「トップガン(1986年公開)」の36年ぶりの続編ということもあり、今年最大のヒット作との呼び声も高くなっています。世界興行収入は10億ドルを突破しました(2022年6月28日現在)。

この「トップガン」は、1983年4月にエフード・ヨネイ氏(故)が「California」誌に執筆した米海軍のエリートパイロットらについての記事が原作となった映画です。その続編「トップガン マーヴェリック」は、昇進を拒み続け、今もなお現役として戦闘機に乗り続ける伝説の米軍パイロット、通称「マーヴェリック」の姿を描くストーリーです。

■前作「トップガン」から続くパラマウントと著作権者の関係

前作「トップガン」の製作にあたり、映画会社パラマウント・ピクチャーズは1983年5月にこの記事の映画化権を取得しています。一方、ヨネイ氏は同年10月に当記事の著作権を登録。その後、パラマウント側は続編製作の意欲を抱きながらも、製作陣のスケジュールや前作監督の死亡などの事情で実現が遠のいていました。

時が経ち、2018年1月にヨネイ氏の遺族が2年後の2020年1月に使用権を停止させる旨、パラマウントに通知を送りました。これは米著作権法では35年経過後に使用権を著作権保持者が取り戻せるためです。

■訴訟に至ったワケは?

ヨネイ氏の遺族にとっては続編の製作・公開は使用権失効後のことであり、著作権の侵害にあたります。続編公開わずか10日後にヨネイ氏の遺族がパラマウントに対して損害賠償や配給の差し止めを求める訴えを起こしたのはそのためです。

一方、パラマウント側は、使用権失効前の2018年に撮影は始まったこと、また著作権となる記事は前作の原作であり新作とは関係ないとして遺族の主張に有効性がないとしています。

■ファンとしては映画公開を望む

撮影開始から公開までの間には世界を襲った新型コロナのパンデミックもありました。当初の予定から大幅にずれた不幸も関係していますが、36年ぶりにトム・クルーズが戦闘機に乗る姿を見たいファンの期待を裏切らないよう、スムーズな解決を目指して欲しいものです。

文・續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

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