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「最後はまたJリーグで」オ・ジェソクが明かす今後のキャリアとKリーグで叶えたい夢【一問一答】

  • 2022.7.8

前回の一問一答では、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)の天野純を筆頭に活躍著しい日本人Kリーガーを絶賛していたオ・ジェソク。

そんな彼も、今から9年前の2013年にガンバ大阪に加入した当時は、まだ23歳の若きサイドバックだった。しかしそれから、JリーグではFC東京、名古屋グランパスと渡り歩き、仁川(インチョン)ユナイテッドを通じてKリーグに復帰した今は32歳となった。

いつの間にかベテランと呼ばれる域に入ったオ・ジェソクだが、今後のキャリアについて考えていることはあるのか。仁川でのインタビューの最後にそんな質問を投げかけると、オ・ジェソクは日本サッカー界への思いも込めて詳しく語ってくれた。

(写真=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)インタビュー中、笑顔を見せるオ・ジェソク

全5回でお届けしたオ・ジェソクとの単独インタビュー一問一答。最後の第5回では、オ・ジェソクが明かしたこれからのキャリアについてお送りする。

「選手生活の晩年は日本で」

―現時点でお答えできる範囲で、今後のキャリアについて考えていることがあれば教えてください。

「引退後は日本で指導者を一度経験してみたいと思っています。最初の指導者生活が韓国と日本どちらになるかはわかりませんし、できるかどうかも今はわかりませんが、いつかは日本で指導者生活をしたいですね。

また、これからの人生がどうなるかわかりませんし、今は仁川で最善を尽くすつもりですが、最後はまたJリーグを経験するのはどうか、とも思っています。いつか晩年は日本でもう一度プレーしてみたいですし、指導者のスタートも日本で経験できればと思っています。選手生活の最後、1年間でも6カ月間でもいいので、またJリーグでプレーしてみたいです。

以前までは自分一人で生活していましたが、今は大切な家族ができたので、日本での生活がもっと楽しくなるのではないかと思っています。仮にJリーグに戻るとして、どこのチームで、というのは決めていませんが、日本で家族と暮らしてみたいという考えは持っています」

―指導者と関連して、今のところ何か取り組んでいることはあるのでしょうか。

「ひとまず、選手生活が終わるまではプレーに集中することを決めました。韓国ではほかのことを考える時間があまりないので、選手生活に最善を尽くし、その後で指導者ライセンスなどを取得できればと思っています。元々は日本でライセンスを獲ろうと思っていたのですが、機会があれば日本に挑戦してみたい気持ちもあるので、今はそのような計画だけは考えています」

―過去に韓国メディアとインタビューを行った際には、行政分野(フロント)にも興味があるというのをお話していました。

「だからこそ、日本での経験がとても重要になると思っています。Jリーグのクラブはフロント業務などがしっかりしているので、たくさんファンも集まりますし、チームのグッズも多い。そのような点で韓国も学ぶべき点があると思っているので、どうすれば地域社会と一体となったクラブづくりをして、たくさんのファンをスタジアムに呼び込めるのか。こうした点をしっかり学んで、韓国で活かしてみたいという思いもあります。

Jリーグはファンのための活動が多いと思っていて、実際、クラブがグッズを販売するとファンはそれを購入しますよね。Kリーグでも各クラブでグッズのバリエーションが増えて、ユニホームの販売も多くなり、活動のアイデアも増えているので、以前と比べてかなり良くなっていると思います。なので、今後は地域社会の方々がより地元のクラブに愛情を注げるようなシステムを作ってみたいです。今もかなり良くなっていますし、日本のように本当に色々なことをしています。

初めて日本に行った当時は、ユースへの投資やサッカー教室、学校訪問などといった活動にとても衝撃を受けました。ただ、今振り返るととても新鮮な経験で、“衝撃”といってもポジティブなものでした。それに、今は韓国のチームもさまざまな活動をするようになったので、その点は日本からも多少学んだのではないかなと思っています。Kリーグも10年前と比べてたくさん変化しています」

(写真=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)Jリーグの選手名鑑を眺めるオ・ジェソク
オ・ジェソクが“Kリーガー”として夢見る瞬間

―今季は『K LEAGUE TV』を通じて、日本でもKリーグの試合が観られるようになっており、Kリーグへの関心度も依然と比べて高まっていると思います。そんななかで、今シーズンの後半戦を戦う意気込みはありますか。

「チームが今とても良い成績を収めているので、自分もその勢いに続きたいと思っています。仁川の目標はクラブ初のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)出場です。僕自身、名古屋時代にクラブとして9年ぶりのACL出場権獲得を経験したので、今季は仁川でACL出場権を獲得するというのが目標です」

―では、個人的な目標は何かありますでしょうか。

「チームの目標が、すなわち個人の目標だと思っています。ベテラン選手は個人的な目標を立てるというより、チームのために戦うことが正しいと思っています。だからこそ、ACL出場権は何としても獲得したい。仁川としても、ACLを経験できればチームのレベルはさらに上がると思っているので、一度は必ず出場したいと思っています。自分はガンバ時代に出場した2017年大会が最後のACLなので、もう一度アジアの舞台を経験してみたいです」

―もし仁川が来季のACL出場権を獲得できれば、Jリーグ勢と対戦する可能性もあります。そうなれば、オ・ジェソク選手としてはKリーグの選手として初めて、Jクラブと戦うことになりますし、日本のスタジアムで日本のファンと会うこともできるかもしれません。

「素晴らしいことですよね。今も夢見ています。Kリーグの選手として、Jリーグのスタジアムを訪れ、日本のファンの方々と会う。それが、僕が最も望んでいる瞬間です。そんな意味でもACLには出てみたいです。チームのためにも、夢に見た瞬間を味わうためにも、必ず一度は経験したいです」

―最後に、日本のサッカーファンの方々に伝えたいことがあれば教えてください。

「僕はKリーグでプロデビューしましたが、日本で長く選手生活を過ごしましたし、Jリーグが僕を育ててくれたと思っています。ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパス。どの古巣に対しても感謝の気持ちは忘れていませんし、韓国でも常に“Jリーグ出身選手”という自覚を持って頑張っていることを必ず伝えてほしいです。

いつか家族と一緒に日本に行き、大阪や東京、名古屋に遊びに行って、挨拶しに行きます。これ、必ず記事で伝えてくださいね」

(写真=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)オ・ジェソク

(取材・文=姜 亨起)

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