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心のSOSカモ? 低年齢化する「子どもの暴力行為」のワケ

  • 2015.10.10

【ママからのご相談】

息子(7歳)と娘(5歳)がいる30代の母です。息子が娘を叩いたりするので、「なんで叩くの!」と注意すると、「うるせーな」と返してきます。子どもが暴力を振るう年齢が低下しているニュースを見て、うちの子もかと感じています。 やめさせることはできませんか?

●A. お子さんが心の中で思っていることを聞いてあげましょう。

こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

今年発表された『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』では、子どもの暴力行為が大きく取りざたされ、問題視されています。ニュースなどでは小学生の暴力行為が7年間で3倍になっているなど、低年齢化が深刻だと報道されていました。

相談者様も、息子さんが小さい妹に手をあげることから、暴力的と考えてしまったのではありませんか? まずは一度、「子どもが最初からそうだったか」と考えてみてほしいのです。暴力を振るうのには理由が必ずあるものです。それを親や教育に携わる大人が、一緒になって話を聞いてあげることが非常に大切なポイントになります。

●子どもから話を聞き出してみる

ご相談内容を読ませていただいたとき、「相談者様がお子さんの話やなぜ叩いたりするのか、理由を聞いてあげているのかな」と思いました。お兄ちゃんはきっと我慢していることがたくさんあると思います。でも、その我慢していることに納得がいっていないのではないでしょうか。納得がいかないことに対して、反発しているのだと思います。

このようなときは、お兄ちゃんがどうして怒っているのか、なぜ妹を叩いてしまったのかをお母さんが聞いてあげましょう。このときの話には2つのパターンがありますので、参考にしていただきたいです。

・自分の気持ちを感情的になって話してしまうとき

・自分の考えを言って、さらに相手の意見を聞きたいとなっているとき

この2つは、相づちを打ちながら聞き分けることができます。このようなお子さんの場合、感情的になって話してしまうケースが多いです。だから、気持ちを受け止めてあげることを優先するようにしてみると、すんなりと話が丸く収まるはずです。親が一方的に話してしまうことはやめて、話を聞くことに徹してあげましょう。

●お兄ちゃんの言い分は心のSOS

お兄ちゃんというより、上のお子さんは親から、「お兄ちゃんなんだから」とか、「お姉ちゃんなんだから」といったように我慢をさせられることが多いです。

私は4人兄弟の一番上でしたから、たくさん我慢をしてきた記憶があります。でも、両親が別々に、「さっきはどうして怒っていたの?」と話を聞いてくれました。お姉ちゃんである私の言い分も聞いてくれた上で、「こうすればいいんじゃないかな」などとアドバイスをくれました。

きっと、相談者様の息子さんも口に出せないでいる言い分が必ずあると思います。それに付随する“怒り”や“うらやましさ”もたくさん出てくるでしょう。まさに、“自分の気持ちを感情的になって話してしまうとき”のパターンです。

これらは心のSOSと私は考えています。歳は違ってもまだまだ子どもなんです。頭から怒らずに言い分をキャッチしてあげてほしいと思います。そうすれば、「うるせーな」なんて悪い言葉を言わなくても、お母さんに伝わっていることが分かれば、自然と言わなくなります。叩くのは、うまく言葉が出ないせいです。もどかしい気持ちが叩く行為になって現れます。気持ちが伝われば、これも出なくなるでしょう。

●お母さんに怒られることで心を痛めている

お母さんに怒られることもそうですが、自分の話を聞いてもらえず、一方だけが優遇されて自分は怒られてばかりだと、心は傷つきます。大好きなお母さんに言われれば言われるほど大きな傷となるのです。しかも、いつまでも叱ったりすれば、自己評価もどんどん低くなってしまって、自分の存在を否定するような心の動きをしてしまいます。これでは、よかれと思って言っていたことが、お子さんの状態を悪くさせてしまうことになるので本末転倒ですよね。

医師でスクールカウンセラーもされている明橋大二先生は、著書の中でこう言っておられます。

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子どもの気持ちを受け止めるだけで、すごく自分が大切にしてもらえたという気持ちになります。

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これって、大事なことなんですよね。大人でも話を聞いてもらえるとすっきりするはずです。子どもは、大好きなお母さんが話を聞いてくれたら、すごくうれしい気持ちになりますよ。

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確かに、暴力はいけないことです。でも、そうなってしまう原因はどこかに必ずあります。それをわが子にさせないために、話を聞いて気持ちを汲んであげることが大切です。ぜひ、お子さんの気持ちを聞いてあげてください。ご相談ありがとうございました。

【参考文献】

・『子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

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