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身体ナビゲーションVol.72「脂肪肝」

  • 2015.10.9
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回はウイルス性の肝臓の病気についてご紹介しました。今回は生活習慣、すなわち自らが招く肝臓の異常の一つ、脂肪肝について見ていきたいと思います。

●脂肪肝とは

正常な肝臓は2〜4%が脂肪であるのに対して、脂肪肝は肝臓の30%以上が脂肪で覆われている状態のことを指します。現在の日本では、男性の約10%、女性の約3%が脂肪肝であると言われていて、特に男性は中学生にまで及ぶ低年齢化が問題となっています。

脂肪肝になると倦怠(けんたい)感や食欲不振などの症状が現れます。しかし、原因が肝臓にあると認識する人が少ない上に、初期段階では自覚症状がほとんどないため、注意が必要です。

●過栄養性脂肪肝(NAFLD)

脂質や糖質の過剰摂取による脂肪肝です。暴飲暴食を続けると肝臓での糖質や脂質の代謝で処理しきれなかった栄養素が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。

NAFLDのうち、約90%は炎症や線維化を起こしませんが、約10%に飲酒習慣がなくてもアルコール性脂肪肝と同じような経路で肝硬変に進行していくNASH(非アルコール性脂肪肝)になる可能性があることが分かっています。まだ詳しく解明されていない部分もありますが、その背景に肥満・脂質異常症・高血圧・糖尿病などの生活習慣病があるのではないかと言われています。

●アルコール性脂肪肝

過剰な飲酒によって引き起こされる脂肪肝です。アルコール性脂肪肝の対策を怠ると、アルコール性肝炎やアルコール性肝硬変へと進行していきます。ただし、早期に禁酒をして食生活を改善すれば、数週間後には検査値に改善が見られます。

●ダイエットによる脂肪肝

極端なカロリー制限や、極端に偏った食事を続けることで体が飢餓状態になると末梢(まっしょう)の脂肪組織から中性脂肪が肝臓に集められます。

肝臓の脂肪をスムーズに代謝させるには、赤身の肉や魚、乳製品などに多く含まれるカルニチンと呼ばれる物質やビタミン類などが必要になります。ところが、肝臓での糖質や脂質代謝で必要な栄養素が偏った食生活で不足すると、肝臓に集められた脂肪がそのまま蓄積されて脂肪肝となってしまうのです。

ダイエットで脂肪肝になることはあまり知られていませんが、やはりバランスの良い食生活を意識しましょう。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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